散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

またかよ東京(10)

2020年02月08日 21時00分25秒 | 飲み歩き・琴似界隈
というところですっかり疲れてしまい、飛行機の便を早めて帰宅することにした。上野から浜松町へ、モノレールで羽田空港に移動。

あまり慌ただしくないくらいの17時の便に乗ることにして、少し時間があるので、ラウンジで本でも読むことにしよう。

今日のお疲れさまはビールでスタート。



もう一杯、スーパーニッカをストレートで頂く。



この後、飛行機に乗り(大混雑だったが、かなり後ろの席にしたので、幸い隣は空いていた)、エアポートに乗り、琴似到着。腹が減ったので、夕食を食べることにするか。

土曜のこの時間帯は大混雑だと思われる居酒屋「F」。見るとちょうどカウンター席が空くようだったので、入ることにした。まずは軽めのレモンサワー、通しは春雨サラダでスタート。



おや、この周りの建物がいろいろ取り壊しになったのは知っていたが、ついにこの店も建て替えになるらしい。今月中に一時休業に入り、次の営業再開は今年の12月とのこと(ビルに入るようなことを言っていた)。というわけで、2月は一時休業大サービスをやっているので、その刺身3点盛り合わせとザンギを注文してみた。

まずは刺身。秋鮭、本マグロ、ブリかな? これで780円だから十分お得である。サーモン刺身には私はあまり感心しないのだが、日高の秋鮭は過剰な脂が無くて悪くない。マグロはなかなか上質。ブリは身が柔らかかったが、血合の部分がまだしっかり歯ごたえがあり、生臭さなどが全くない。



ザンギは390円なので安心して頼んだのだが、通常サイズと同じなのだろうか。6個も来てしまったので、早くもギブアップ心が湧いてくる。幸いにしてビニール袋を持っていたので、最初から半分しか食べないことにする。これで心置きなく食べることができた。



刺身を半分残しておいて、日本酒かなとも思ったのだが、どうも酒が進まない。中途半端に飲んで、移動してきたため酔いが回っているようだ。酒はやめて、あたかも単身赴任のサラリーマンのような感じで、おにぎり(かつお)と味噌汁を注文。これで食事の締めとすることになった。



これはこれで美味いおにぎりと熱々の味噌汁に満足である。



東京も東京なりに寒かったらしいが、全く次元の違う寒さの中、タクシーで帰宅。家に帰ったら少し落ち着いてきて、もうちょっとだけ酒を飲むことになった。

今回の3泊4日の出張(&遊び)はこれにて終了。

またかよ東京(9)

2020年02月08日 14時03分38秒 | ART
■東京国立博物館「特別展 人、神、自然 ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界」。カタール王族のコレクション展とのことだが、これが思いのほか素晴らしい展覧会であった。必見である(2/9で終了だが)。

「ラメセス2世像」:胸部のみの石像だが、かなり大きい。身長4mはあるな。
「王像頭部」:今度は赤碧玉の朱色を生かした小さな頭部像。細工が細かい。
「男性像頭部」:メソポタミア新シュメール期(紀元前2050年頃)のものだが、現代アート的なものを感じる。

「女性像頭部」:後頭部が長くひょろっとしている異形の像だが、それでも美しいことには間違いない。エジプト新王国時代、アマルナ文化のもの。
「ブレスレット」:エジプト第3中間期、第21王朝時代のもの。赤、青、金の配色で、今つけても全く不思議ではないデザイン。
「杯」:そこに女性の顔のレリーフがあり、それを彫るには相当大変だったと思われる。

「杯」:模様のあるメノウをそのまま杯の形にしたもの。
「飾り板」:中央アジアバクトリア・マルギアナ複合(←それ何?)のものだが、まあ、「カニ星人」と呼ぶしか無いような姿が刻まれている。
「仮面」:マヤ文明の仮面だが、ジョジョの奇妙な冒険の「スタンド」はこれを参考にしているのでは?

「女性像「スターゲイザー」」:アナトリア半島西部のもので、紀元前3300年~2500年くらいのもの。抽象彫刻というか、宇宙人が来ていたんだなというか。
「仏立像」:中央アジア後グプタ文化のもの。光背はもともと植物を表していたのかもしれない。
「アイベックス」:古代南アラビア文化の石像。本来より立派な角をしており、何かの象徴だったか。

「杯」:アケメネス朝ペルシアのもの。豹の顔をしたガラス製の杯で、貴重なものだろう。
「飾り板」:虎が描かれているのだが、その縞模様にラピスラズリやカーネソアン他の貴重な石が使われているもの。
「留め金」:ヘレニズム文化の驚くべき細かい彫金。



先が急がれるので、ここで本館に戻り、駆け足で展示室をまわる。

室生寺「釈迦如来坐像」「十一面観音菩薩立像」:本館の仏像彫刻コーナーは撮影不可のものが多くなってきた。いずれも撮影不可にして、国宝。
熊野速玉大社「橘蒔絵手箱及び内容品」:足利義満が奉納したもので、内容品がほぼ残っており、当時の化粧を知る上でも非常に貴重なのだとか。国宝。
京都・金地院「渓陰小築図」:今回の国宝室にはちょっと地味なこれが展示されていた。



この後、平成館の展示もサーッとみて、何とか東博は終了。最近、法隆寺宝物館に全く行けないのだが、とにかくちょっと見て回るだけで時間と体力を消耗する、恐ろしい東博マジックである。

続いて、恐る恐る東京都美術館へ。

■東京都美術館「ハマスホイとデンマーク絵画」。幸いなことに、待ち行列などはまったくなく、まあまあ快適に見ることができた。
ヴィルヘルム・マーストラン「フレゼレゲ・ラフェンベア(旧姓ヘーイロプ)の肖像」:デンマーク絵画はストレートな写実絵画が中心だ。結婚した女性の場合、必ず旧姓も記されているようだった。そういうルールなのかな。
クレステン・クプゲ「フレズレクスボー城の棟-湖と街、森を望む風景」:透明感のある広い景色は、北海道、さらには帯広を思わせる。
ダンクヴァト・ドライア「ブランスー島のドルメン」:ドルメンとは巨石記念物で、1830年代以降のデンマーク絵画によく登場するとのこと。

オスカル・ビュルク「遭難信号」:遭難の知らせがあったのだろう。不安顔で外を見る女性。漁師の生活は国が変わっても同じである。
オスカル・ビュルク「スケーインの海に漕ぎ出すボート」:ともすれば温和で平穏なものばかりに思えるデンマーク絵画だが、これは海の男の力強さを描いた作品。2017年に国立西洋美術館で「スケーエン:デンマークの芸術家村」という小展覧会が開かれたが、ここでは表記がスケーインに変わっている。外国語のカタカナ表記は難しいものだ。
ヴィゴ・ヨハンスン「台所の片隅、花を生ける画家の妻」:女性はこちらを向かずに花を活けている。親密派(アンティミスム)という感じだ。

ヨハン・ローゼ「夜の波止場、ホールン」:水のひんやりとした感じがする、北欧の夜の風景。2002年に北海道立近代美術館で開催された「スカンジナビア風景画展」(←これが良い展覧会だった)を思い起こさせるね。
ユーリウス・ポウルスン「夕暮れ」:スーパーリアル作品の一種にピントの合わない部分をあえて作る技法があるが、画面すべてにピントが合っていない不思議な作品。
ヴィゴ・ヨハンスン「きよしこの夜」:室内で明かりのついたクリスマスツリーの周りを輪になって女性と子供が囲んでいる作品。男性は登場しないものなのか。

ラウリツ・アナスン・レング「遅めの朝食、新聞を読む画家の妻」:若い頃は貧しい生活をしていたが、20歳年下の妻を迎え、明るい朝食風景を描いた作品。女性はピンク色のパジャマを着ており、今であれば「このリア充野郎が!」と非難を浴びることだろう。
カール・ホルスーウ「読書する女性のいる室内」:覗き見感までは行かないのだが、こちらに気が付いていない女性を見ている雰囲気ではある。
カール・ホルスーウ「読書する少女のいる室内」:光る机には少女の姿が写り込んでおり、銀器の表現なども実に上手い。

ギーオウ・エーケン「飴色のライティング・ビューロー」:これもビューローの反射具合など、実に上手い。

さて、ここからハマスホイである。展示室には大きな窓枠のような飾りがあり、室内というのを強くイメージさせる雰囲気になっていた。



ヴィルヘルム・ハマスホイ「夏の夜、ティスヴィレ」:地面が全体の1/5くらいしか描かれず、圧倒的に空の色彩である。
ヴィルヘルム・ハマスホイ「古いストーブのある室内」:初めての室内画だそうで、黒いストーブと真っ白な扉の対比が印象的。
ヴィルヘルム・ハマスホイ「夜の室内、画家の母と妻」:妻と言っても婚約者時代に実家を訪問した際の様子らしい。画家の母と妻の間には全くふれあいのようなものが感じられず、妙な空虚さと美しさと怖さがある。後で妻に「あなたのお母さん、私の事気に入らないようね!」かなんか、絶対言われていそうだ。

ヴィルヘルム・ハマスホイ「若いブナの森、フレズレクスヴェアク」:ここまで来て、写実というよりもハマスホイの記憶のフィルタで一度ろ過されたものが描かれているのではないかと思うようになる。
ヴィルヘルム・ハマスホイ「背を向けた若い女性のいる室内」:これぞハマスホイのイメージ通りの作品だ。
ヴィルヘルム・ハマスホイ「室内-開いた扉、ストランゲーゼ30番地」:白い扉が3つも開かれた状態で描かれており、人の不在を強く意識させる。

ヴィルヘルム・ハマスホイ「室内、蝋燭の明かり」:蝋燭の火が届く範囲を表しているのか、画面に楕円の領域があり、誰もいない室内で蝋燭が2本静かに燃えている。これは傑作だ。
ヴィルヘルム・ハマスホイ「クレスチャンスボー宮廷礼拝堂」:四角い建物の上にある、ドーム状の屋根が印象的。淡い緑の色彩もいい。
ヴィルヘルム・ハマスホイ「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」:画家が見ている所から、一室はさんでさらに向うの部屋に妻がいる。この距離感は何なのか。そして手前を見ると、机と錫のトレイが生々しい。



実に地味な画が多かったのだが、ハマスホイの作品の中には塗りのあっさりしたものと、かなり丁寧に塗っているものがあり、一見同じような感じでも良しあしは相当違うと思った。中に何点か、何の面白みもない構図に見えるのだが、見ていて見飽きない作品があるのだ。静かな印象の作品が多いので、比較的落ち着いていることができて、良かった。

最後に一言。「ハマスホイとは俺のことかとハンマースホイ言い」(字余り)。とにかく展覧会名を聞いた時から、これが言いたかった。これ以降、日本ではハマスホイで定着するのかな?

ミュージアムショップではデンマーク絵画ということで期待していたのだが、予想通りアクアヴィット(オールボー)が売っていた。しかし、市販の1.5倍くらいの値段だったので、バカバカしくて買うのはやめた。ハマスホイ系統のものは全体的にデザインが良く、Tシャツもかなり欲しくなったが、こういうところのTシャツは高い。断念である。

またかよ東京(8)

2020年02月08日 11時30分36秒 | 食べ歩き
朝、おにぎりを一つしか食べていないので、猛烈に腹が減って来た。外に出られないので、東洋館の隣にある、ホテル「O」のレストラン「YK」に行くことにするか。



ここは混雑しているときは大変なことになっているのだが、今日はまだ11時過ぎということもあり、客がいない。庭に向かったカウンター席に座り、メニューを眺める。知ってはいたが、なかなかの高額メニューが並んでいる(確かトップの弁当は2500円くらいだったか)。

あまり高価なメニューはやめておこうと思ったのだが、お造り膳(1850円)が気になった。ちゃんとしたホテルの経営だから、それなりに良いものをだすことを期待して注文。しばし待つ。



お造り膳が来た。ご飯、味噌汁、茶わん蒸し、オクラとブロッコリー和えもの、漬物、そして造りはマグロ、鯛、海老、イカ、シマアジかな? 味噌汁を一口飲んで、まずはイカから。イカは表面にかのこ状の切れ目が入っているので、醤油が乗りやすい。



鯛はスッキリとした白身の味と程よい歯ごたえ。シマアジらしき魚は非常に歯応えが強い。海老はやはり身が新鮮で、頭の部分まで美味しく頂いた。マグロが少々弱いように思ったが、十分期待通りの刺身であった。

茶碗蒸しには椎茸、海老、銀杏が入り、上品な味。その他はまあ普通かな。最後に日本茶が欲しいところだったが(頼めば出てくるのか?)、昼食を終えて、近くにある東洋館に向かう。

またかよ東京(7)

2020年02月08日 11時00分00秒 | ART
昨日は22時ころに寝たせいか、2時過ぎから断続的に目が覚める。最後の2時間くらいは寝たようだが、結局6時起床。ゆっくりと寝るという願望は果たせなかった。

朝食は購入しておいた辛子明太子おにぎり。だらだらした後、9時過ぎにホテルをチェックアウトし、神田から上野へ移動する。



早速、美術館方面に進むが、最初に行こうと思っていた東京都美術館は何だか恐ろしいくらいの行列ができている模様。思わずひるんでしまい、先に東京国立博物館へと向かうことにした。


→上野公園内では角打ちフェスをやっていたが、どうもこういうイベントはあまり好きじゃないのです。

こちらは券売所がまだ開いておらず、100円割引券を持った私は人がいる窓口に並ぶ。前から6人目くらいだったので、それほど時間がかかるまいと思ったら、一番に並んでいたオッサンがやたらに時間がかかるのだ。

これはダメな人の後ろに並んだかと思ったら、どうも複数人の券を購入していた模様。しかし、フォーク型でない並びの時に、時間がかかる人が前にいると、焦るね。つい心の中で「何やってんだよ、券買うのに何万年かかんだよ」と暴言が止まらない。

おまけにこれだけ時間が掛かったら、次の人たちは「私たちはちゃんとしよう」と思わないものだろうか。夫婦らしい男女が、券が1枚で良いのか、2枚なのかでまたもたもたしているのだ。どうして一発で出来ないかね。

と、イライラした結果、私は「出雲と大和、一般1枚」と的確に購入要件を告げて、素早く観覧券を購入。すでに開いた門から、平成館へと急ぐのであった。ふう、幸い入場制限が出るような列にはなっておらず、すぐに展示室へ。

■東京国立博物館「日本書紀成立1300年特別展 出雲と大和」。
会場をいきなり入った所に「心御柱」「宇豆柱」(出雲大社の跡から発掘された3本の丸太を組み合わせて作ったデカい柱。これのおかげで、出雲大社48m説に裏付けができたという重要文化財)があり、大混雑である。係の人が「この時間、奥の方はまだ空いています。お好きな所からご覧ください」というので、第一室の後半あたりから見ることにしたのだが、なるほど、確かに非常に快適に見ることができた。

天理大学付属天理図書館「日本書紀 神代巻(乾元本)下」:私、国粋主義から非常に遠いところにいる人なんだけど、「日本書紀」と聞くと、やっぱりワクワクするよね。但し、7世紀頃に出来たものの1300年頃の写本なので、日本の歴史は2600年もないからと、ウスラバカどもに言っておこう。
荒神谷遺跡出土「銅剣」:今回、168本の銅剣が東京にやって来た。当時は黄金色に輝いていたらしいが、今となってはボロボロの剣も含まれている。国宝。
荒神谷遺跡出土「銅鐸」:銅鐸の中で5号という奴は最古段階の形式なのだそうで、素朴で全体がツルっとしている(文様が無い)。国宝。

荒神谷遺跡出土「銅矛」:間近で見ると黒光りしているものと、錆びて緑青が吹いているものが混じっている。埋まっていた状態によるものなのだろうか。国宝。

さて、これらの国宝は私は古代出雲歴史博物館で見てきたものである。今回、それと比べると、近い距離で見ることができるのと、解説は分かりやすいような気がする。しかし、あの物量感と神秘性というのは東博の展示では感じにくい。

加茂岩倉遺跡出土「銅鐸」:合わせて30個の銅鐸が展示されている。国宝。
伝香川県出土「銅鐸」:動物に弓を射る人の図など、細やかで可愛らしい。国宝。
西谷3号墓出土「弥生土器(丹越系)」:上は特殊壺、下は特殊器台と合体した土器らしい。かなり巨大なもので、ちょっと驚かされる。

神原神社古墳出土「三角縁神獣鏡」:景初3年(=239年)の文字が入っており、卑弥呼に贈られた鏡ではないかと言われているもの。重文。
メスリ山古墳出土「円筒埴輪」:世界一巨大な埴輪(日本以外にもあるのか?)で、見た感じ2.5mくらいはありそうだ。
新沢千塚126号墳出土「ガラス碗」:ササン朝ペルシアのものらしく、かなり美しい。

新沢千塚126号墳出土「火熨斗」:もう火熨斗なんてものを知らない人の方が多かろうが、炭などを入れて使ういわゆるアイロンである。5世紀のものだそうで、こんなころからアイロンがあったんだなあと思うと、感慨が湧いてくる。
石神神宮「七支刀」:刀の線は細く、儀式用なのだろう。国宝。
藤ノ木古墳出土「金銅装鞍金具 前輪/後輪」:鉄の地に金銅張りで、まだ金色が残っている。華やかで高レベルの飾りであり、藤ノ木古墳というのが有名なのも分かる。

笹鉾山2号墳出土「埴輪飾り馬」:これは奈良県出土のものであるが、松江の平所遺跡出土の「埴輪飾り馬」(重文)と類型であるらしい。「技術交流があった」などと解説に書いてあったが、本当に交流なのか? 搾取の香りがしないでもない。
平所遺跡出土「埴輪 見返りの鹿」:鹿が振り返ったポーズをしており、造形的に面白い。重文。
かわらけ谷横穴墓出土「双龍環頭大刀」:刀身は鉄製でいまだ輝いている。重文。

上野1号墳出土「勾玉・管玉」:勾玉の方はメノウ、ガラス、翡翠の3点セットであり、貴重さが伝わってくる。
二名留2号墳出土「子持勾玉」:この勾玉は割と普通の石からできているが、その形の周りに小さな勾玉が付いているので「子持」と呼ばれているのだ。面白い。
天理大学付属天理図書館「古事記上巻(道果本)」:日本書紀に続いて、今度は古事記だ。スサノオが大蛇を退治したという名シーンらしい。

「延喜式(九條家本)巻八、巻十」:巻十では出雲に187の宮社があることが書かれている。いずれも国宝。
天理大学付属天理図書館「播磨国風土記」:大和3山が争った時に、出雲の大神がいさめようとしたということが書いてあるらしい。国宝。しかし、天理大図書館ってすごいね。
當麻寺「持国天立像」:ヒゲがワイルドで、中国っぽい印象の四天王の一人。思った以上に大きな像で、下にいる邪鬼もまた立派な姿だ。

唐招提寺「広目天立像」「多聞天立像」:広目天はやや文人風、多聞天はずっしりとした厚みがある。いずれも国宝。
大安寺「楊柳観音菩薩立像」:顔に怒りを浮かべた珍しい観音。
大寺薬師「四天王像」:ちまちました造形ではなく、これぞ「木造」という感じの四天王だ。

会場の最後まで行ってから第一室に戻ると、若干の余裕ができていたので、何とか全体を見ることができた。この展覧会、何げなく「出雲と大和」と題され、解説では「交流があった」なんてあっさり書かれているが、もっといろいろな何かがあったに決まっているので(←素人の妄想か)。もう少し深く知りたいと思う私であった。