散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

こんな時に名古屋(6)

2020年02月24日 22時34分35秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
1軒目で勘定をしてもらい、次は名古屋と言えば、私がこよなく愛するバー「B」である。19時頃だが一番目の客になってしまい(祝日だから出勤している人がいないのか)、まずはジントニックを注文。風味のあるジンをお願いしたところ、宮崎県産のHINATAジンで作ってもらった。



このジンはキンカン、へべス、日向夏などの柑橘系をふんだんに使い、山椒のようなさわやかさも感じられる味だ。そして47度という度数がカクテル使いにもピッタリである。そこに木成りのライム(木についたまま完熟させた)を使うので、さらにさわやかさが増している。

つまみがちょっと驚きで、国産のオリーブをあご出汁(トビウオの出し汁)につけ、さらに出汁醤油でちょっと味をつけたものなんだそうだ。実はオリーブが微妙に苦手なケースもある私だが(つけ汁に癖がありすぎる)、これはあまりにも美味くて、つい手が伸びてしまう。



2杯目は今年のテーマ、コアントローシリーズで、ダークラム+コアントロー+チェリーブランデー(何種類かのチェリーブランデーとチェリーシロップをブレンド)+ベルモットで氷をリンスしたポーラーショートカットを出してもらう。





なかなか癖の強いコアントローだが、ダークラムとチェリーブランデーの濃厚さでバランスがよく取れた味わいになった。これは傑作カクテルだな。そしてグラス(確か有田焼だった)が、また素晴らしい。

3杯目はもう一杯カクテルを飲みたくなり、苦いものを相談。ジン+フェルネットブランカ+アンティカフォーミュラのフェルネットブランカカクテルである。苦みが前面に出るが、後味がとてもすっきり。実に私好みだ。





ここで1人客が2名やってきて、少し気が楽になる。

そして最後はウイスキー。「一回、癖の強いモルトに行ったものの、最近はそこから好みがグッと戻ってきていて、しかしながら特徴のある味でお手頃なものを」と実に面倒なリクエストを言ってみたところ、ペンダリン2003SMWSを出してもらった。



まず驚くのは甘い香りだ。そして飲んでみると、オレンジや黒砂糖を感じさせるような甘み、6年熟成ながら「味の弦楽四重奏」とタイトルがついているだけのことはあるね。これはいいウイスキーを飲ませていただいたと感謝しながら勘定をしてもらう。

 

ホテルまで1ブロック程度なのですぐに帰り、シャワーを浴びて一休み。コンビニで焼酎を買って帰ってきたが、炭酸割りで1杯飲んだところで眠ってしまったようだ。はっと気が付くと2時で、改めて寝る。


→小腹が減って、おにぎりを一つ食べた。

こんな時に名古屋(5)

2020年02月24日 19時27分21秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
17時半ころになって、さて夜の街に行きますか。私が名古屋に来たらどうしても行きたい老舗居酒屋「DJ」だが、一応確認しに行ったところ、祝日なのでやっていなかった。そこで、この店の方式を学んで出店したという「DJ」錦店へ行ってみることにした(経営が違うらしい)。

「DJ」本店のある地下鉄駅周辺から歩いて、錦店へ移動する。店に入ってみると、奥の方は混雑しているが、手前の席はそこまででもない。私は壁にくっついた2人席に座ることになり、まずはレモンハイを注文する。

店の方式は元と変わらず、レモンハイが来たところでつまみの置いてあるテーブルを見に行くことになった。まずはバイ貝(3個入り)と鴨ロースを取ってくる。バイ貝はなかなか硬くて、つまようじ1本では取りにくい…。鴨は少量安価で食べられるのがうれしいつまみである。



飲み物は伏見蔵燗の大をもらい、里芋煮を持ってくる。そのついでにちょっと生ものをということで、タコぶつを発注だ。里芋は落ち着いた煮物の味。これも少量で頂けるのはありがたいね。タコぶつは新鮮でいい感じだ。





大サイズの酒は結構量があり、最後に土手焼きを頼もうと思ったら品切れとか。うーん、じゃ串カツにするか。やってきた串カツは味噌味なのは名古屋風でよかったが、かなりのミニサイズだ。



しかし、何か明白にダメなことがあるわけではないのだが、何かが足りない。おつまみのレベルが微妙にそうでもないところだろうか。客層か、いや店の造りだろうか。やはり本店の魔力には遠く及ばない感じだ。


こんな時に名古屋(4)

2020年02月24日 16時03分12秒 | ART
伏見から地下鉄で栄に向かい、今度はこちらへ。

■愛知県立美術館「2019年度第3期コレクション展」。特別展は東京で見たので、今回はスルーである。



エドヴァルド・ムンク「イプセン『幽霊』からの一場面」:4人とも幽霊っぽい。



ヴァシリー・カンディンスキー「鏡」:なんか魅力を感じた。



エルンスト・バルラッハ「忘我」:ボディアクションが面白い。



グスタフ・クリムト「人生は戦いなり(黄金の騎士)」:この美術館の著名作品といえばこれか。



マックス・エルンスト「ポーランドの騎士」:絵具が乾く前に板を当てて剥がすという手法を取っているそうで、その部分が一原有徳の版画の雰囲気に近い仕上がりなのだ。



サム・フランシス「消失に向かう地点の青」:これ縦横の方向があってるかな?



フランク・ステラ「リヴァー・オブ・ポンズ IV」:アメリカ現代美術の作品は有名どころが多かった。



ジョージ・シーガル「ロバート&エセル・スカルの肖像」:さすがに知っているアーティストが多い。



アンディ・ウォーホル「レディース・アンド・ジェントルメン」:無名の服装倒錯者を描いたとあったが、今どきになると服装倒錯という概念は良く分からないな。



梅津庸一「フロレアルー汚い光に混じった大きな花粉」:「スタジオと展示室」というコーナーにあった作品。分かったような、分からないような。



ライアン・ガンダー「It stole your thunder -(Alchemy Box #25)/It stole my thunder」:絵画を入れるための段ボール箱が2つ並んでいるように見えるが、片方は板にアクリルで描いた作品なのだそうだ。



荷物搬送用のラベル等はすべて手描きしたものである。



熊谷守一「海の図」:あまり熊谷の作品にはピンとこないところがあるが、このとぼけた作品はイイね。



アルナルド・ポモドーロ「飛躍の瞬間」:美味しそうな名前で有名なポモドーロだが、屋外庭園に展示されていた。



今井瑾郎「大地」:これも屋外(ビルの空中庭園のようなところ)にあったもの。



愛知県立美術館の建物にはギャラリーがいくつか入っている。そこでも展示をしていたので、取り急ぎ見ていこう。

■愛知県美術館ギャラリー「名古屋造形大学卒展」。
森正響一「robot heros」:全体的に撮影可能だか良く分からなかったのだが、撮影可能と明記されていたこれはなかなかすごかった。陶器で黄金製のロボットヒーローを大量に作成したものだ。



■愛知県美術館ギャラリー「愛知県立瀬戸窯業高等学校セラミック陶芸科 専攻科終了制作展」。あまりに上手いので驚いたら、専攻科というのは高校過程を終わった人(何歳でも可)が勉強するところらしい。

沢村光李「Simmering anger」:複雑な形をよくもまあ。



今井八重「在るもの・連作」:表面のガラス様にも見える部分がいい。



山田正樹「赤伊羅保釉大鉢」:大きなサイズの鉢はやっぱり素晴らしいよね。



約4時間が経過し、少々疲れたのもあり、ホテルに戻りチェックインをする。部屋で少しぼんやりと休憩して過ごす。


こんな時に名古屋(3)

2020年02月24日 14時00分52秒 | ART
■名古屋市美術館「岸田劉生展」。東京では見なかった展覧会だが、ぜひ見ていこう。
「銀座と数寄屋橋畔」:銀座を素敵な色彩で描いたカラフルな小品。やっぱ「麗子像」よりこういうのが良いな。
「日比谷の木立」:直球で印象派っぽい。
「自画像」:自画像も沢山あったが、東京都現代美術館蔵のこれは萬鉄五郎っぽくもある、フォーヴな感じだ。

「築地居留地風景」:こちらはメルヘンな感じ。初期はいろいろ試行錯誤が多そうだ。
「黒き防止の自画像」:自画像の中でも、密度の濃い気合の入った作品。
「黒き土の上に立てる女」:北海道は小樽の似鳥美術館より出品された作品。周りの作品と見比べても、なかなかいいではないか。

「道と電信柱」:青い空は「切り通しの坂」を思わせるが、ここでは平坦な道が描かれている。
「冬枯れの道路(原宿附近写生)」:原宿とは思えぬ野性的な事前を描いたこの作品は力作だ。手元の小石から空に向かって伸びるような道まで、世界全体が描かれている。
「静物(赤きリンゴ二個とビンと茶碗と湯呑)」:静物画を連続してみると、色彩はかなり違うがモランディを見ているような気になって来た。

「麗子坐像」:ポーラ美術館のこの作品では、解説に「足が痛くて涙が出てきたので、涙がこぼれないようにそっと上を向いた」という麗子本人の話が書かれていた。それに構わなかった劉生だが、画を見ると目の下に薄いハイライトが入って、涙が浮かんでいるようにも見える。画を描く手は止めないという画家の業なのか。
「麦ニ三寸」:風景と麗子像の合体作品である。
「冬瓜図」:瓜のヘタの部分の細密描写なんか、画がメチャクチャ上手いはずなのに、全体としては茫洋としている。

「夏厨黒白」:「黒白」の連作画が6点展示されており(前期/後期で計12点)、いろいろな黒と白のものを対比している。
「春園金鶏之図」:鶏は胴体が赤、黄色と黒の縞、更に緑も入った極彩色で描かれている。
「路傍秋晴」:大連風景なのだが、どこか日本的である。

「満鉄総裁邸の庭」:日本画に転じて平面的な作品が多い印象を受けたが、最後のこの作品がグッと奥行きのあるものだった。

とにかく日本各地の美術館から岸田作品を集めた感じがする。重要文化財の「麗子微笑」は展示期間が終了していたが、それに拘らなくても良いかなと思うくらいの作品があった。まあ、見て良かったと言えるだろう(←偉そう)。



左が涙をこらえる麗子。



これはしりあがり寿作の麗子キャラ。



続いて常設展へ。

■名古屋市美術館「2019年度名品コレクションIII」。
東郷青児「帽子をかむった男(歩く女)」:キュビスム時代の東郷はかなり好きだ。
マルク・シャガール「二重肖像」:花嫁姿の女性とその奥に男性の画家が描かれている。おそらく自分と妻の像なのだろうが、かなり写実に近い感じだ。
藤田嗣治「夢」:眠る裸婦の周りに猫、鳩、狐? などの動物を配した作品。

岩田信市「ファイティング・ビューティ(キック)」:描いた時期には解散していたが、ビューティーペアをモチーフにしたものだろうか。
福本道雄「琵琶湖の凪」:黒く静かに表面が揺らぐ箱のような物体。絶対ベンチと間違えて座った人がいると思う。
三岸節子「雷がくる」:赤と白で幾何学的に構成された街と黒い空を描いた作品。

三輪美津子「STATUE No.4」:石山のような、アイスを何重にも盛ったような絵画作品。
アンゼルム・キーファー「シベリアの王女」:レールがあるので、シベリア鉄道を表現したものだろうか。画の上半分はコンクリートのような灰色に塗られている。
ディエゴ・リベラ「スペイン風景(トレド)」:幾何学的でパステル色の風景画。そういえばこの美術館にはメキシコ系の絵画が常設されているのを思い出した。

大澤鉦一郎「リンゴ三つ」:会ったことはないが、岸田劉生を意識していたという人。岸田劉生展にちなんで、「愛美社」という絵画団体の特集で展示されていた。
大澤鉦一郎「城のある風景」:城よりも手前にある枝をくねらせた木が素晴らしい。
宮脇晴「夜の自画像」:顔に田舎っぽさはあるが、スーパーリアリズムと呼んでも良さそうな高度な技術の作品である。全体的に岸田の影響か、「愛美社」の作品にはリアルな写実画が多かったように思う。

展示室内は撮影不可だった。ロビーや周辺の作品はいくつか撮影できたものもあるので、それはまた別の記事で紹介したい。

こんな時に名古屋(2)

2020年02月24日 12時08分11秒 | 食べ歩き
名古屋に到着し、後のことも考えてドニチエコ切符を購入して、伏見に移動。道に迷いながら本日宿泊するホテルに到着し、荷物だけ預かってもらう。そこからまずは歩いて、名古屋市美術館へ行こうと思ったが、猛烈に腹が減って来た。美術館に入ると最低でも2時間はかかるだろうということで、先に昼食を取りに行くことにする。

名古屋らしいものをという考え方もあったが、味噌かつやひつまぶしなどはいかにも時間がかかりそうだし重厚過ぎる。ということであまり名古屋とは関係なさそうなうどんの店「S」に入ることにした。

メニューを見るとカレーうどん押しなのかな? でもそれ以外にもいろいろ創作うどんがあるようだ。薄いながらもコートを着た私は少し暑い感じがしていたので、一番シンプルなしょうゆうどん・玉子というのと肉天(とり天)を注文。

さほど待つことなく、うどんが到着。きわめてシンプルにうどんとその上に卵黄、後は緑の葱が盛ってある。これに生醤油をかけて食べるものらしい。しまった、このパターンだと、出汁醤油をかける方が好きなんだけどな。



と思いつつ食べたのだが、もっちりしたうどん(普通に讃岐うどんを思い浮かべて貰えば)に醤油は悪くない。途中で玉子を崩し、さらに葱を全体に混ぜ込んで食べる。うむ、やっぱりシンプルなものがいいね。

ちなみにとり天もサイドメニューとしては程よいボリュームで、良かった気がする。



後で調べてみると、ここは夜は宴会可能な店で、昼のうどんの人気はかなり高いようだ。ま、いきなり飛び込んだにしては良かったのではなかろうか。昼食を終えたところで、急いで美術館へ行こう。


こんな時に名古屋(1)

2020年02月24日 10時35分42秒 | 旅日記
本当に大変なんだよ。6時に起きて、6時半前に家を出てバスに乗る。まずはこれでJR琴似駅へと向かうのだが、ちょっと前に比べると明るい中で出かけられるのがまだましかもしれない。





そして今日は祝日のため、電車もそこまで混雑していない。琴似から席に座ることができ、札幌を経由して新千歳空港までそのまま行くことができた。

朝が早いので家では何も食べておらず、空港のコンビニでサンドイッチを購入。ラウンジでオレンジジュースとともにサンドイッチを食べる。さほど余裕もないままに、名古屋行きの飛行機に乗り込む。



何も考えていなかったのだが、今日乗ったのは久々のAirDo運行だった。北海道民としてもっと利用すべきという話もあるのだが、欠航になった時の代替便準備が今一つ信頼できず、ついANAを使ってしまうのだ。




→機内誌で澁谷俊彦の「SNOW PALLET 12」が紹介されていた。

今回、仕事で名古屋に行くのは良いのだが、先を考えるといろいろ悩みがあるんだよね。その辺が解決するのは明日なので、とりあえずは悩まずに飛行機に乗ろう。

飛行機はそこそこ混雑していたが、私の隣に座る人がいなくて幸いであった。朝が早かったので、1時間強寝ることになり、飲み物は飲まずに名古屋へ。

名古屋では空港で本屋さんに行こうと思っていたのだが、紀伊国屋さんがあるのは中部空港ではなく、名古屋空港であった。予想が外れてしまい、とりあえずミュースカイで名古屋へと向かう。



中部国際空港から名古屋市内へ向かうと言えばミュースカイ(指定席券が必要)以外にも手段はあるが、仕事で来ているので無条件でミュースカイを選択。昔来た時よりも停車駅が多くなっているような気がするが、最高時速110キロくらいで、名古屋へと向かう。