本日は近美→平沢貞道人権記念館→コンチネンタル→北大総合博物館→北海道画廊→ユリイカ→ivory→さいとう→三越→時計台→STV北2条→たぴお→大同→富士フォトサロンの13箇所。
■近美「野田弘志展」。こういう画を何気なく見ることができるのはとても贅沢である。奥の方で何だか声がするなあと思っていたら、ご本人が自作解説をしていた。最後の部分だけ話を聞くことができた。一番最後に展示されている作品、ロシアのモデル、アナスタシアさんという人を描いたものらしい。ロシアでは就労ビザが出ないため、3ヶ月の観光ビザで2回来てもらっているが、画としてはまだ未完成とのこと。
野田氏曰く「モデルが綺麗で普通に書くと下手な美人画になってしまう。ギリシャ的な形の美を追求するのももちろんだが、”深さ”も同時に追求したい。この作品は既に売れているのだが、最後に”深さ”のために手を加えると『いらない』と言われるかもしれない」ということであった。
コレクション展も足早に回る(2回目)。
■平沢貞道人権記念館「絵探しの旅展」。平沢氏は画家として過小評価されているという話がある。その反面、私は悲劇の画家として過大評価されているのではないかとの疑問を持っている。それを確かめるには、本物を直接見るのが一番であろう。マンションの1室で行われていた展覧会であるが、図版複製が多かったかな。私が思った平沢作品への感想は、ここには書かない(←えっ!?)。
■コンチネンタルギャラリー「北翔大学美術サークル米-YONE- 夏休み直前追い込み美術展」。展覧会情報でいつもお世話になっているヤナイさんのブログを見て、行っておいて正解である。山谷美由紀の作品は顔がアニメ・実在の人物調なのが物足りないが、期待感を持たせる。古典的なテーマ(静物、ひまわり畑)を描く石井貴子、遠近法にそって機械的パターンを並べる大道雄也も面白かった。
一番気に入ったのは石川潤の「発ッ日」である。花火のような、紙細工のようなカラフルな色彩を真ん中に配し、周囲のモノトーンで引き締めている抽象作品。橋本真里栄の「合掌」もお地蔵さんの可愛い作品。若い熱気が感じられ、珍しくもアンケート用紙に熱い感想を書いておいた。
■北大総合博物館「ファーブルにまなぶ」。子供の頃はよく虫取りをしたものであるが、今の私は虫恐怖症だ。ちなみにファーブルは生国フランスでは知識人に知られている程度で一般的な知名度はとても低いらしい。
こんな蛾(写真で見るより大きいのだ)が顔にくっついたら、「さあ、仮面舞踏会の始まりよ!」とボケる暇もなく気絶してしまうだろう。日本の昆虫食としていなご(食べた。旨い)・蜂の子(食べた)・ざざむし・繭子・蚕の蛹の瓶詰めが置いてあった。この辺なら何とかなるのだが、海外で食べるタガメとかは勘弁してほしい。
■北海道画廊。一原有徳の版画は良いなあ。砂澤ビッキの木彫りの蝶もなかなか。
■ユリイカ「インド細密画」。インド古典楽器を描いた作品は楽器の模様も細かく素晴らしい。また象牙に描くと一段と色気が増すような気がする(象牙を使うことの良し悪しは置いておいて)。
■さいとう「陶・鈴木健司 花・黒沼美春」「夏の女性展」。鈴木健司氏だろうか、会場にいた男性に、現在窯をかまえる大分の写真ハガキを頂いた。「夏の女性展」もいくつか面白い小品あり。
■三越「千住博版画展」。版画ではない自筆の作品は大体1200万円か。ふーん。
【三越の屋上に上がってみた。寂しい】
■時計台「香西富士夫個展」。少し作風が変わったような感じ。作者が友人と話をしているのを立ち聞き。「目ばかりギョロギョロするのを押さえるために、絵の具を散らしてみた。それから手の動きも重視してみたが、写楽っぽいかな。タイトルは色々想像してもらえるようだが、単に記号だね。まあ『あ・ん(案、餡)』『い・ん(印)』…とやっていくと全部日本語になるなあと思ったり」
■STV北2条ビル「鴻上宏子彫刻展」。何ともまたビルのエントランスが異世界にチェンジ。通り過ぎる人が「ゲッ」と言っていたのが印象的。
■大同「北海道版画協会展」。石川亨信「26-39」。ギャラリー巡りを始めたころに彼の作品をみて「抽象版画って分からん」と思ったものであるが、今見ると良いなあ。木曽淑子「標本5」9つの石にも木材にも見える物体を配置。水野恵子「水界Ⅰ」水のゆらぎが表現され、世界観がある。宮井保郎「ABYSS-13」こちらも水世界ものだな。
雑多な感想であるが、以上。なお、作者談の部分は聞き違いがあったら申し訳ない。