散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

春の東京(19)蒲田の中華

2016年02月13日 18時30分27秒 | 飲み歩き・東京
JR蒲田駅に到着。蒲田には居酒屋、立ち飲みの店は多いが、中華料理店も多い。特に羽根つき餃子というのは蒲田が発祥なのだそうだ。それを聞いたこともあり、蒲田の中華料理店で一杯やってみたいものだと常々思っていた。一人でも入りやすい(料理が多すぎない)店を探すが、なかなか思い切れない。

しばらく歩いた後、店頭の看板に「300円料理」とある店を発見し、思い切って入ってみることにした。先客は男の1人客と女性2人客。少人数ばかりの様子なので、これなら何とかなるであろう。

まずは角ハイボールを注文。通しには小さなポテトサラダがついてきた。



300円メニューを眺めることしばし、まずは中華の腸詰と羽根つき餃子だな。



腸詰は一人には程よい量でほっとした。甘く、中華風の独特の香料が聞いた味で、これにネギと豆板醤をのせて食べると、甘辛さが心地よい。

そしてすぐに出てきた餃子。実はこれ、300円ではないのである。店の特別サービス品らしく、何と100円なのである(さすがに税別)。この餃子5個が100円というのが信じられるだろうか。中身だって決してスカスカではなく、それなりに肉が入っているのだ。



これはなかなかやるねと、紹興酒に野菜炒めを追加してみた。中華料理の野菜炒めは美味いからね。



出てきた野菜炒めは結構な量である。入っているのはキャベツ、もやし、人参、きくらげ、タケノコ、青梗菜、そして慈姑である。慈姑が入っている野菜炒めは、すごく本場感があって嬉しい。味付けは少し濃いめで胡椒が聞いており、酒のつまみにはピッタリだ。



もっと食べたいところだったが、残念ながら私の胃袋が限界である。またいつか蒲田に来る日があったら、この店で違う料理を食べてみたいものだ。300円メニューだけでも、30種類以上あったのだから。

 

春の東京(18)新橋で一杯

2016年02月13日 17時22分49秒 | 飲み歩き・東京
新橋で飲むところを探す。どうもこの旅、一軒目は必ず迷走コースに入ってしまい、なかなか店が決められない。結局、何度も来たことがある立ち飲みの「T」に入ることになってしまった。店の前に、これまで見たことのなかった「休日サービスセット」という看板が出ていたので、注文してみる。



小さめのビールジョッキが最初に出てきて、すぐに熱々の煮込みがやってきた。



よし、この煮込みは正解だ。脂分の甘さと味付けの甘さを一味唐辛子で引き締めると、かなりの美味さである。これに、通し代わりにおいてある生野菜を味噌だれで食べていると、セットの焼き物が仕上がってきた。



左からレバ、カシラ、タンの3点セット。疲れをいやすためにタレ味にしてみたのだが、この味付けと添えられている山椒がいい。

飲み物を酎ハイに切り替え、ねぎま、皮カレー焼きを追加。



こちらもなかなかいい。1軒目はこのくらいで切り上げて、JRで蒲田に向かう。


春の東京(17)時間あまった

2016年02月13日 16時15分03秒 | ART
今日も予定としては2展覧会しか考えていなかったのだが、大幅に時間が余ってしまった。明日は天気が悪くなるらしいので、明日の午前中に行く予定だった展覧会を繰り上げておくか。ということで、恵比寿から浜松町に移動。増上寺の「狩野一信の五百羅漢図展」を見に行く。

狩野一信の五百羅漢図であるが、江戸東京博物館で100幅が一挙公開され、ちょっとその異様な世界観に注目が集まったのである。増上寺の展示会場はあまり広くないため、20点ずつの展示となり、今展示されているのは41幅から60幅までであった。

まずは五百羅漢図以外から。
「和漢阿蘭陀美行寫集」:魚介図鑑のような部分だったのだが、カジキマグロ、シュモクザメ、マツカサダイ?、トクビレ(いわゆる八角)と珍しい魚のオンパレード。

続いて五百羅漢図。
「第45幅」:かがり火で無理やりな明暗画。逆カラヴァッジョという感じか。
「第49幅」:暗い墓で修行する羅漢という大胆な絵。自分の頭から出たイメージの中に死体が登場。
「第51幅」:頭からピューと水が噴き出て魚が現れ、飢えていた動物たちがそれにありつく図。

「第52幅」:顔の真ん中を割くとそこから不動明王のお顔。仏教はこのパターン多いね。
「第55幅」:羅漢が顔を剥ぐと、そこには観音様。
「第56幅」:観音様の画よりレーザービームが出てきた。得意げな羅漢の顔。

「第57幅」:鏡にお釈迦様の顔が浮き上がる。

 

「第60幅」:ここにきて悪鬼軍もついに降参。きれいな満月も出た。



感想であるが、一度に百幅見なくてよかったという感じである。とにかくど迫力、かつ異様な世界観からはなかなか目が離せず、20枚見た私はへとへとになってしまった。一度見るべき価値のある作品ではあったと思う。

今日の日程はこれで終了。まだ夕方まで時間があるので、新橋までぶらりと歩いてみるか。

春の東京(16)若冲

2016年02月13日 13時37分31秒 | ART
次は山種美術館の「ゆかいな若冲・めでたい大観-HAPPYな日本美術-」展へ。展覧会名に若冲とあると、見に行きたくなるではないか。

川端龍子「鶴鼎図」:鶴の首の曲線、足の爪、切れ味鋭い描写。
伊藤若冲「亀図」:甲羅の文様を薄墨で上手く描いている。
横山大観「竹」:漆黒の笹の葉、薄墨で描いた竹。スタイリッシュな作品。

狩野常信「七福神図」:七福神は普通の人よりも大きく描かれている。やはり特別な存在ということか。
狩野一信「七福神図」:この人の作品はいろいろ見てみたい気になる。鶴や松などの吉祥のシンボルが多数描かれた、おめでたい作品。
小林古径「不尽」:縦に長く伸びた青富士は、ぬるりとした青磁のようでもある。

田崎草雲「瑞夢(富士・鷹・茄子)」:手前の茄子、中景の鷹、そして遠くに富士があり、風景画として納得してしまう。
川端龍子「鯉」:水が流れ、揺蕩う描写は素晴らしい。
伊藤若冲「群鶏図」:鶏を観察しつづけた若冲ならではの「俺はこんなポーズを見たことある」自慢画。

橋本雅邦「平安長春図」:墨をスーッと流した崖がいい。
小林古径「猿曳」:ひもでつながれているのを忘れたかのように、浮かれ歩く猿がかわいい。
伊藤若冲「伏見人形図」:淡々とした人形だが、後ろの2体、目が笑ってないか。

伊藤若冲「河豚と蛙の相撲図」:よりによってなぜ河豚なのだ。蛙は河豚を組み止めようとしているのだが、河豚はノターと寄りかかっているだけなのだ。案外これで強いのかもしれないが。
歌川国芳「きん魚づくし ぼんぼん」:オタマジャクシキャラもなぜか登場。
柴田是真「墨林筆哥」:蛙の琵琶法師が「あ~ん、やんなっちゃった」と歌っている雰囲気。

最初からわかってはいたのだが、若冲のど派手な彩色作品はなく、ほのぼの・穏やか系統の作品が多かった。しかし、他に狩野一信、柴田是真など興味深い作品を見ることができた。今年の干支にちなんで「猿」作品を8点ほど集めたコーナーも面白かった。



しかし、今年の4月~5月にかけて、東京都美術館で「伊藤若冲展」が開催され、「釈迦三尊像」3幅と「動植綵絵」30幅が勢ぞろいするのだが、これはどうしようかなあ…。この勢ぞろいは私は京都で見たのだが(自慢)、また「動植綵絵」30幅も東博で見たのだが(自慢)、どちらも信じがたいほどの混雑だったしなあ。さすがにパスだろうか。

春の東京(15)十割蕎麦

2016年02月13日 11時58分00秒 | 食べ歩き
恵比寿に到着したところで、12時ちょっと前。ここで何か食べておくかと、山種美術館に向かう途中で発見した蕎麦屋さん「S」へ。メニューを眺めるのも程々に、もり蕎麦と特製いなり寿しを注文。注文してからゆでているのか、やや少し時間がかかる。

5分ほどで番号を呼ばれ、とってきた蕎麦は見た目は私好み。色はやや白いが、田舎蕎麦らしい太さがある。



食べてみると、かなりの噛みごたえで、するする食べるというよりは、しっかりかみしめる感じだ。いなり寿しはそれほど特製感はないが、蕎麦だけでは少し物足りないので食べておきたいところだ。

残念だったのは、蕎麦湯が少々ぬるかったことで、これが熱々であれば文句のつけようがなかった。また、小さいサイズではあるが、酒・ビールが150円で飲めるようだ。ちょっと気を引かれたが、今回は昼酒を慎むことにしよう。



そうそう、食べ終わる頃にものすごく化粧臭い女(OLに見えたが…)が近くの席に座ったのだが、あれは何なのだろう。「暴力」という言葉が頭に浮かばないでもない、においなのであった。危ないタイミングだった。

春の東京(14)ラファエル

2016年02月13日 11時49分26秒 | ART
今回の旅の日程を考えるときに、もっとも考慮したのはBunkamuraで開催される「ラファエル前派展」である。この展覧会が来た以上、やはり見なくてはなるまい。勢い込んで、昨日より早めにJR蒲田駅を出発。



品川で乗り換えて、開場の少し前に渋谷に到着。頑張ったせいか、入場を待つ行列に並んだ順番はなんと3番目。東京でも展覧会によっては、そこまで込まないよね。

ということで、切符を購入し、トイレや荷物を置くロッカーに立ち寄ったものの、かなり早い順番で入場。ほぼストレスなしで最初から最後まで展示作品を見ることができた。

ジョン・エヴァレット・ミレイ「いにしえの夢-浅瀬を渡るイサンブラス卿」:表情、色、ロマン、そしてストーリー性が感じられるところは、この展覧会のトップバッターにふさわしい。



ジョン・エヴァレット・ミレイ「ブラック・ブランズウィッカーズの兵士」:壁の落ち着いた緑色、ドレスの質感がいい。



ダニエル・マクリース「祈りの後のマデライン」:明暗の表現が素敵な美女。
ジョージ・ジョン・ピンウェル「ギルバート・ア・ベケットの誠実-夕暮れ時にロンドンへ入るサラセン人の乙女」:どこかひなびた味わいがいい。
ローレンス・アルマ=タデマ「打ち明け話」:衣装、家具、周りの植物まで、密度のある描写。

フレデリック・レイトン「ダフネフォリアのための習作」:顔のパーツを描いておらず、色の使い方は有島武郎の作品を思い出した。
フレデリック・レイトン「ペルセウスとアンドロメダ」:苦しく曲がったアンドロメダの姿勢。竜にも相当迫力がある。
チャールズ・エドワード・ペルジーニ「シャクヤクの花」:まさに立てばシャクヤク、と言いたくなる美人画である。

エドワード・ジョン・ポインター「テラスにて」:薄物を着て海辺のテラスに横たわる女性。これはちょっとエロい。
アーサー・ハッカー「ペラジアとフィラモン」:アレクサンドル・カバネルのアフロディーテを荒野に横たえたような作品。
ウィリアム・ヘンリー・ハント「卵のあるツグミの巣とプリムラの籠」:さすがに「鳥の巣のハント」と言われた、細かい描写。

ジェイムズ・ハミルトン・ヘイ「流れ星」:雪原に立つ家々。冬の夜空に冷たく青い星が光る、雰囲気ある作品。
エドワード・バーン=ジョーンズ「フラジオレットを吹く天使」:この繊細な感じ。これこそバーン=ジョーンズ。
エドワード・バーン=ジョーンズ「スポンサ・デ・リバノ(レバノンの花嫁)」:登場人物の衣が風で巻く浮遊感。巨大にして精密な作品。

ジョン・メリッシュ・ストラドウィック「おお燕よ、燕」:服の文様の細かさではピカイチ。
トーマス・ミリー・ダウ「エヴァ/炎の中でシンバルを持つ天使/竪琴を持つ天使」:エヴァがリンゴに手を伸ばしている瞬間を描いた作品。周りの天使も止めてやれよ。
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス「エコーとナルキッソス」:もう周りが目に入らないナルキッソスを、心配そうに見やるエコーちゃんの視線がいいのだ。

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス「デカメロン」:何をしているのだかわからない人々なのだが、傑作だと思う。



全体的な感想としては、ミレイ、バーン=ジョーンズ、ウォーターハウスの結構な大作が見れたので満足である。迷わず図録も購入。Bunkamuraギャラリーでやっている「ノルウェー絵織物展」を見て、重くなったリュックを抱えて、恵比寿へと向かう。


春の東京(13)朝定食2

2016年02月13日 07時36分19秒 | 食べ歩き
昨日は早く寝たために、今朝も好調だ。昨日と同じくサービスの新聞を取りに行き、そのまま牛丼屋さんの「Y」へ朝食を取りに行く。店に入り、ここは食券制度ではないので、店の人に納豆定食を注文する。

やってきた定食はご飯、味噌汁、納豆、玉子、海苔(写真に写ってない)、ネギのセット。まあ、オーソドックスではあるのだが、昨日はついてきた牛小皿が欲しくなったりする。ま、文句は言いますまい。



ちゃんとした朝食が食べられるということでは、ありがたい限りである。しかし、納豆と卵はどちらもご飯に跡が残るので、どういう順番で食べるか悩むのは私だけだろうか? (1)玉子が先、納豆が後、(2)納豆が先、玉子が後、(3)同時にかけまわす、(4)その他(例えば納豆も玉子も単独で食べ、ご飯は白いままにするとか、玉子は味噌汁に入れるとか…)と考えられるのだが、結局、まず玉子ご飯にして途中まで食べ、途中から納豆を投入することにした。一般的にはどう食べる人が多いのだろうか。


春の東京(12)活気ある店

2016年02月12日 21時27分13秒 | 飲み歩き・東京
神田から蒲田へは、京浜東北線で1本。それほど時間もかからない。移動中も「もう一軒行けるよな」とずっと思っていたのだが、ホテルのそばの名前にインパクトのある店、「BS”」に行ってみることにした。

すでに宴会まっさかりといった店内だが、カウンターは空いていて無事に座ることができた。一番安いラ・カンパーニュ・メルロという赤ワインを注文し、やっぱりここはパテ・ド・カンパーニュだな。



割とあっさりとしたパテで食べやすい。次にタペーニャ・テンプラリーニョ(赤ワイン)と、コンビーフとチーズ入りオムレツを注文。



これも程よい塩気で食べやすい。パンがついてきたので、とろとろのオムレツをのせて食べる。ちょうど私の夕食替わりである。結構飲んだから、まあ今日はこれで仕上げということにしよう。



帰りにコンビニに立ち寄り、水と仕上げのデザートを購入。これを食べて、本日も22時頃に就寝。

 

春の東京(11)神田の名店

2016年02月12日 18時52分28秒 | 飲み歩き・東京
今日、神田に来たのは、この店に来るためだったといっても過言ではない、バー「H」である。今日は金曜日だったので、込み具合はどうかなと思ったが、先客はおらず無事に入店。奥の方の席に座る。

1杯目はシュワッと刺激のあるモスコミュールからスタート。



2杯目は昨年来の課題で、フェルネットブランカにペルノーを入れたカクテルを注文。出てきたのは、フェルネットブランカ+ペルノー+コアントロー+いよかんのピールをしたカクテルである。これは相性のよさそうなオレンジ系統の風味でまとめ、程よくペルノーの香りを効かせたカクテル。なかなかの味である。



3杯目は「今年のテーマは実はミントリキュールになっていまして」とミントリキュール入りのカクテルを注文。すると、カルヴァドス+GET27+ベルモットのカクテルが登場。これはミントリキュールのくどさ(まあ、すごく甘い歯磨きみたいな味ではある)にカルヴァドスの深みが対抗する、よくできたカクテルだ。



しかも、途中でピンクペッパーを振りかけてみてください、ということだったので試してみると、全体に甘い味わいを引き締める効果があり、2度楽しめる仕掛けになっていた。


→ちなみに黒い粒はジュニパーベリー。ジンの香りの主役になっている杜松の実だが、乾燥したものとはいえ、初めて食べてみた。

せっかくなので、この楽しい時間をもう少し味わいたい。このまま強力なカクテルを飲むのは危険なので、最後にJock Scottのハイボールを頂くことにした。それほど高価なものではないらしいが、「特級」表示とあって、ボトルを見たこともないし、もちろん飲んだこともない。この少し甘めでコクのあるハイボールを飲み干して、満足感とともに店を出た。



と言いながら、神田でもう一軒とさまようも店を決めきれず。蒲田に移動することにした。

 

春の東京(10)独自ルール

2016年02月12日 17時17分55秒 | 飲み歩き・東京
夕方になり、今日は神田へと向かう。まだ明るいので、JR神田駅周辺をぶらぶら歩き、今日の1軒目を検討する。その結果、銀座・新橋・蒲田など、あちこちに支店のある居酒屋「S」に入ってみることにした。

まだ17時前だが、カウンターや座敷席にもすでに飲みだしている人たちが結構いる。カウンター隅の席に腰を下ろし、燗酒を注文。通しにはしらすおろしポン酢かけがやってきた。酸味で食欲が増す感じだ。



さあ、ここでつまみを注文しようと思ったのだが、店のおばちゃんが時間が早いせいか一人しかおらずてんてこ舞い状態。なかなか注文を取りに来てくれない。やっと来てくれたところで、たたき盛り合わせ、鯛あら煮、せりからし和えと一気に注文しておいた。

17時頃となったので、この辺から客が多くなってくる。しかし、おばちゃんは注文した順番に対応し、飲み物・通しを出してから注文を聞くなどのルールに沿っているようで、なかなか新手の客のところまでたどり着かないのだ。

カウンターにいると、大体の動きがわかってくるのだが、団体で座敷に上がってしまっている人たちにはそれが分からず、「すみませ~ん!!」の声もどんどん大きくなる。徐々に新手のおばちゃんたちも出勤してくるのだが、これがまた、自分の体制が整うまでは全く客の言うことを聞こうとしない。独自ルールも程々にしてほしい気もするのだが…。

しかし、やってきた料理は実に美味い。まずはたたき盛り合わせ。魚はカツオ、鯵、もう一種類何かだと思うが、いい味である。



そしてせりからし和え。せりは歯ごたえのいいゆで加減で、からし和えというよりはからし醤油で食べるスタイル。スッキリとした味わいに、酒もつい進んでしまう。



今日のメインは鯛あら煮だ。鯛と言っても皮が赤かったので、金目鯛であろう。以前、鯛豆腐というのを別の支店で注文した時も、確か金目鯛だったような気がする。骨付きの部分を甘辛く煮つけた味は、日本人に生まれてよかった、酒にもご飯にも合うに違いないという味だ。



しかし、酒の追加注文が通らんのだよね。他のすべての客を含めて、「すみません」という言葉に対して、その場で「はい」と聞いてくれるケースを全くと言っていいほど見かけなかった。必ず「ちょっと待って」と言われるのである。

ついにタイミングを逸して、酒の追加注文をあきらめた私は、「すいません、勘定して下さい」というのであった。そして、その時に初めて「はい、分かりました」と即答されたのである。


春の東京(9)恒例、東博傑作選

2016年02月12日 15時55分49秒 | ART
今日は当初からゆとりを持ったスケジュールにしていたので、少々時間が余った。上野で時間が余ったのであれば、やはり東京国立博物館に行っておくべきではあるまいか。「兵馬俑展」は規模が違うだろうが以前に見たことがあるので、今回は常設展のみ急ぎ回っておいた。

「毘沙門天立像」2連発。

 

「印仏毘沙門天像」。平安時代のスタンプの一種。



伊藤若冲「松梅孤鶴図」。タコの足のような松の枝がスゴイ。



「十二神将立像 戌神 申神 巳神」。ちょっと剽軽。



水滴5種+1種。

 

横山大観「松竹梅」。

 

これでも相当飛ばして見てるのだが、時間がかかる。それから「展示ケースのガラス面に触るの禁止委員会」「撮影可能だからと言って変なシャッター音禁止委員会」「巻物を左から見るのは禁止委員会」は活動継続中(何もしてないけど)。


春の東京(8)ボッティチェリ

2016年02月12日 14時39分24秒 | ART
さて、昼食を食べ終えて、東京都美術館「ボッティチェリ展」へと向かう。ざっくり感想を書くと、何しろボッティチェリが20点以上(さらに、下絵がボッティチェリと思われる作品や、工房作品もあったが、それだって悪くないものも多かった)来ているのは、素晴らしい。しかし、もう一つ印象的な作品があればなあ、という気がしたのは事実である(何しろ昨年見た「パラスとケンタウロス」は素晴らしかった)。

但し、それ以外にもフィリッポ・リッピ、フィリッピーノ・リッピの作品がかなりあり、これらも予想以上の見ものであったのは間違いない。やはり見るべき展覧会であったといって、間違いではないだろう。

ピエトロ・トッリジャーノ「ロレンツォ・イル・マニーフィコの胸像」:威厳のある実物大以上の胸像。
アントニオ・デル・ポッライオーロ「竜と戦う大天使ミカエル」:ミカエルの目つきが悪く、歯並びも悪く、妙な悪人顔。
アンドレア・デル・ヴェロッキオ「聖ヒエロニムスの頭部のための習作」:写実的でものすごく上手い。

フィリッポ・リッピ「セルキオ川の流れを変える聖フレディアヌス、聖母の死の告知、聖アウグスティヌスの幻視」:現実感のない不思議作品。
フィリッポ・リッピ「聖母子」:イエスが布でぐるぐる巻きにされており驚くが、よく育つようにという風習らしい。
サンドロ・ボッティチェリ「バラ園の聖母」:これは私にはフィリッポ・リッピ調に見える。

サンドロ・ボッティチェリ「ノリ・メ・タンゲレ(されに降れるな)」:後方の青い風景は空気遠近法なのだろう。
サンドロ・ボッティチェリ「ラーマ家の東方三博士の礼拝」:実は展覧会のスタートがこの作品。ボッティチェリの自画像と言われる人物が描かれている、有名な作品だ。
サンドロ・ボッティチェリと工房「聖母子、洗礼者聖ヨハネ、大天使ミカエルと大天使ガブリエル」:この作品がボッティチェリの”目”の表現としては一番イメージ通りであった。静脈が見えるような肌の色の描写は素晴らしい。

サンドロ・ボッティチェリ「美しきシモネッタの肖像」:まあ、好みからするとそんなに美女には見えないのだが(真横向いているのも難しいところ)、レースの描写は流石と言える。
サンドロ・ボッティチェリ「アペレスの誹謗(ラ・カルンニア)」:人間ばなれした3人娘、欺瞞・嫉妬・誹謗がいい。どちらかというと、ボッティチェリの女性像は、ある種の人間味を欠くところがいいと思うのだ。
サンドロ・ボッティチェリと工房「玉座の聖母子と聖セバスティアヌス、聖ラウレンティウス、福音書記者聖ヨハネ、聖クロス」:これもマリアの表情や、老人の髪の毛の描き方など、人物描写に優れている。

フィリッピーノ・リッピ「幼児キリストを礼拝する聖母」:聖母が現代に通じる美人だ。
フィリッピーノ・リッピ「聖母子、洗礼者聖ヨハネと天使たち」:ボッティチェリ風味+ラファエル前派風味。


春の東京(7)や、安い

2016年02月12日 12時30分50秒 | 食べ歩き
上野に到着し、まずは腹が減ってきたので昼食をとる。上野から御徒町方面まで壮大な迷走劇を繰り広げてしまったが、結果的に「定食400円から」の店に吸い込まれるように入る。



ブリ煮付け、サバ塩焼き、サンマ塩焼き、初カツオたたきか…、悩むなあ(後で他の人が注文したら、カツオたたきは品切れだった)。店内に入るとさらにメニューがあったので、そこからメンチカツ定食を注文。魚じゃないじゃないか、という気もするが、腹が減っていたのだ。

さほど時間がかからず、メンチカツが到着。ご飯、味噌汁(わかめ、もやし)、メンチカツ+キャベツ、冷奴の定食が注文。値段から想像するよりはいい感じかな。



食べてみても、まあ普通。400円で文句を言っては罰が当たる。


春の東京(6)1点づつ

2016年02月12日 11時48分48秒 | ART
今回の展覧会めぐり、1発目は「フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展」である。京急蒲田から大門で乗り換え、六本木へ移動。森アーツセンターギャラリーへと向かう。まずは切符を購入するのだが、この入口の行列がめちゃくちゃに分かりにくい。

前売り券を持っている人も、券の引き換えのために並ばなければならないようなのだ。私はどうせここで券を買わなければいけないのだが、前売り券を持っている人たちはブーブー行っていた。また、途中から行列が窓口ごとの固定列になるのだが、その列の前のほうにマヌケ(失礼)がいて手間取ると、ずいぶん進みが遅くなり、さらにイライラは増すのであった。

約30分間並び、エレベーターで52階へ。ここでも「五百羅漢展は53階なのに、止まらないの?」とか悩む人もいて、案内が実にわかりにくい(エレベーターは52階までで、53階にはエスカレーターで昇るのだ)。初めて行く人にもわかるように、少しは工夫したらどうだろうか。私も以前は52階のロッカーが使えないということで、ちょっと腹が立ったのだが、今回は改善されたもよう。ずいぶん沢山のロッカーが用意されていた。

焦ったものの、入場してみるとそれほどの混雑ではなく、見物スタート。

サロモン・ファン・ライスダール「水飲み場」:自然に満ち溢れた作品。ライスダールは今回の見ものの一つである。
エマニュエル・デ・ウィッテ「ゴシック様式のプロテスタント教会」:ゴシック建築の特徴がよく出た作品。
コルネリス・クラースゾーン・ファン・ウィーリンゲン「港町の近くにて」:船が集まる港の活気がある。

シモン・デ・フリーヘル「海上のニシン船」:地味なセピア色の作品。ヨーロッパでもニシンは結構食べるよね。
ウィレム・カルフ「貝類と杯のある静物」:貝の殻のつやや、赤サンゴの細かい描写が素晴らしい。
アブラハム・ファン・ベイエレン「果物とエビ、ワイングラスのある静物」:エビの頭部を描く際に、エビ味噌を表現しているのか青色が入っているのが生々しい。

ウィレム・ファン・アールスト「狩りの静物」:これは鳥の毛並みが素晴らしい。
フランス・ハルス「男性の肖像(聖職者)」:温和な人柄が伝わってくる、肖像画の傑作。
イサーク・リュティックハイス「女性の肖像(エリザベート・ファン・ドッペン)」:人間臭さを排し、シャープでモダンに描いた肖像画。

ルドルフ・デ・ヨング「ヴァージナルを弾く女性」:これは隅々まで描写の細かさが行きわたっている。
ヘラルト・デル・ポルフ(2世)「好奇心」:手紙をのぞき込む女性の表現、シルクのスカートの質感が見事に描写された作品。
ヨハネス・フェルメール「水差しを持つ女」:布地のテーブルとその上にある金属の質感表現はやはりフェルメールらしい素晴らしさ。明暗が強調されているというよりは、意外なほど画面全体が明るい印象だ。



ホットフリート・スハルケン「さまざまな嗜好」:タバコらしきものを吸っている人の画なのだが、ちょっとドラッグをやっているようにも見える。当時はタバコが貴重品で、そういう扱いだったのか?
レンブラント・ファン・レイン「ベローナ」:近づくと二重あごのおばちゃんにも見えるのだが、遠目に見た時の銀の鎧は素晴らしい。
レンブラントに帰属「マルハレータ・デ・ヘールの肖像」:かなり早い筆で描かれ、本格的な肖像画の参考にされた作品らしい。首周りのレースの表現は相当素晴らしい。

ヘラルト・ダウ「窓際でランプを持つ少女(好奇心の寓意)」:ランプの光と背景の闇の対照的な表現。
サミュエル・ファン・ホーホストラーテン「貧血症の女」:なぜこんなタイトルなのという気もするが、顔色が真っ白の女性。足元には足を温めるのであろう火鉢のような器具がある。

さて、この展覧会の感想だが、まずは展覧会名を「17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展 フェルメールとレンブラントは1展づつ」としてほしいものである。まあ、フェルメールは1点しか来ていないことがどう考えてもわかるのだが、レンブラントも1点とは思わなかった(他に帰属作品が1点)。しかし、それ以外の「巨匠たち」の作品も、なかなか良かったことは間違いない。展覧会名の羊頭狗肉さがなければ、素直にもっと感心できたと思う。


→52階からの眺め。

六本木から上野に移動。

春の東京(5)朝定食

2016年02月12日 07時09分42秒 | 食べ歩き
昨日は早く寝たせいか、酒のダメージもほぼなく、6時頃起床。ホテルは素泊まりにしたため、ロビーにあるサービスの新聞を取りがてら、歩いて1分くらいのところにある「M屋」に朝食を取りに行く。今日も天気は実にいい。



朝定食の中から、定番朝定食というのを注文。ご飯、味噌汁、玉子、海苔、漬物の他に、小鉢(とろろ、納豆、牛小皿、冷奴)から1品選べるのである。腹の減っている私はもちろん牛小皿を注文した。



ありきたりの定番セットといえばそうなのだが、ちょっとだけ牛皿が付くのが嬉しい。また4種類から選択の余地があるところも嬉しいではないか。しっかりとご飯を食べて、今日の展覧会めぐりに向かう力もわいてきた。



そういえば、私の泊まっているホテルは満室のようだった。確かに海外の人、多く見かけたな。