魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

インスタへのリンク画像を貼ってばかりのサイトってどうよ?

2023年10月08日 14時12分18秒 | 魚類とインターネット
どうもこんにちは。栃木県某所の朝が寒くてたまらない椎名さんです。
 
さて、最近思うことがある。
サイトのコンテンツにインスタグラム(以下、インスタ)へのリンク画像をペタペタ貼り付けるようなサイトがやたらと目につくのである。具体的なサイトの名前をあげると「暮らしーの」などである。ただ、同じような、飼育していない魚などを飼育しているように見せかけているサイトも逝ってよし(何年ぶりに使ったんだろう)。
 
ニシシマドジョウ
 
暮らしーの」はインスタへのリンクで図鑑サイトとしての体を保っているようだが、サムネイルだけはインスタへのリンクを貼って誤魔化す手法は使うことができない仕様になっているらしい。したがってサムネイルだけは自分で撮影した画像、であるはずもなく、さまざまな図鑑サイトからの無断転載であふれている。もっともこのサイトはライターが多数おり、個々の記事は別人が書いている。おそらくサムネイル画像もライターが用意しているのだろう。あるライターは魚の記事をいくつか書いているが、そのサムネイル画像は某図鑑サイトからのパクリばかりである。以前一緒に和歌山県方面へ採集に行った某氏のシマドジョウ類(湖産ニシシマドジョウか、オオシマドジョウ)のサムネイルまで貼ってあり、うーん、あんたいったい彼のなんなのさ。
 
キタマクラ
 
しかし中身は完全なオリジナルである。この手のサイトの常として、おもにwikipediaからパクるということがあるが、流石にwikipediaでも、アマダイやイシダイはタイの仲間、と書いたりはしていないはずである。他にも意味不明な記述あり、同じ魚の記事が2〜3個もあったり、果てはキタマクラを食べたりするアブナイ記事を掲載するなど、サイト運営者がチェックしていないのが明らかである。キタマクラは筋肉に毒はないとされるが皮に毒があるため、(すくなくともふぐ条例のある県では)食用禁止ふぐに入れられているはずである。魚図鑑なんてYMYL(金や健康などのような生活に大きな影響を与える、記事作成については慎重にすべきサイト)ではないなんて言っている人たちは本当にそうか考えてみてほしいところ。
 
そしてそもそも、インスタの投稿をペタペタ貼って作ったコンテンツ、権利的に問題はないのだろうか。一応インスタから引っ張ってきたものであることが明らかにわかるため引用基準は満たしているのかもしれないが、オリジナルの要素がほとんどない。これでは「いつか来た道」、つまりNAVERまとめ、あるいは某プロ野球球団運営のキュレーションメディアと変わるところがない。そしてこれらはいずれも故人である(前者享年10歳、後者享年1歳くらい)。というか、このようなインスタや画像素材サイトから引っ張ってきた画像ばかりのサイトはそろそろすべて焼き払われるべきだろう。
 
なお、私はインスタはやっていないので画像を使用されることはない。したがってこういうので写真が勝手に使われるなんていうこともない。というか、私の撮影した写真や画像ならばこのぶろぐから勝手に引用()しているだけであろう。神奈川県の某水槽レンタルサービスみたいに。なお、魚の写真と内容は関係がない。
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「ダツ」と呼ばれる魚

2023年09月20日 08時01分11秒 | 魚類とインターネット

昨日、某Facebookでのコミュニティに掲載されていた魚。沖縄県の浜辺で、光に飛び込んできた魚だという。暗い画像であったが、ダツ科の魚であった。よく見てみると、確実ではないがテンジクダツ属のなんかのように見える。その魚について「ダツですね」と返答してきた方がいたが、ダツとは顔の形状など大きく異なり、テンジクダツ属のものであると返答したら、その人からブチ切れされ、レスバなんていうことがあった。しかし、昨今「図鑑」サイトを見てみたら、そういうことは起こって当然ではないかと考えた。なお、そのコミュニティは「釣り」のコミュではなく、生き物の同定をお願いするためのコミュであるということも記述しておかなければならない。

「図鑑」サイトにおいて「ダツ」で検索して出てくる魚は、どうもダツではないダツ科の魚の写真が多数出てきているのである。それらの写真のうち多くはオキザヨリであるように思える。こんな「図鑑」サイトを信用したら、オキザヨリを見て「ダツ」と同定してしまう人が多く出てくるのも不思議ではあるまい。なお「図鑑」サイト、とわざわざ鍵括弧付きで表記しているのは、「図鑑」サイトを標ぼうしている割にはお粗末なサイトが近年多いからである。Wordpressで誰でもサイトをつくることができるようになったのに、そのせいで逆に利用者には不便になってしまったといえるかもしれない。

オキザヨリ頭部

オキザヨリといえばこんなこともあった。かつてダツ科のオキザヨリの写真をアップした人がいて、その写真に「オキザヨリですね」と返答した人がいたが、別の人が「どう見てもサヨリじゃないと思いますが」なんてコメントしていたこともあった。もちろん、誤同定なんて誰でもあることだが、しかしその目の前の四角い物体を操作し、調べることができたはずだろう。もっとも、最近は先述したように「図鑑」サイトで紹介されている魚なんて、画像サイトから引っ張ってくるものだから同定が怪しいものなんてゴマンとあるのだ。

ダツ

ダツは北海道南部~九州に分布し、琉球列島にはほとんど分布しない。そんなダツの類は釣りでは「外道」として、まず釣りで狙われることもないし、食用にしてうまいことはうまいのであるが、ダツ科の魚はほぼ食卓に上ることはない(サンマをのぞけば)。したがって釣り人にとっては「関心が薄い生物」になってしまう。だからテンジクダツもタイワンダツもオキザヨリもヒメダツもほかなんちゃらダツもすべて「ダツ」とひとくくりにされてしまうのだ。同様のもので「ギンポ」もいる。この名前で呼ばれる魚は本来ニシキギンポ科の魚なのであるが、釣り人にとってはタウエガジ科のダイナンギンポ属も「ギンポ」と呼んでいる。

逆に注目が高くマスコミなどにも取り上げられるが、その近縁種についても同じような名前で呼んでしまい混同を招くものに、ヒメジ科のウミヒゴイ属の魚がいる。この属の魚としては「オジサン」がそのユニークな標準和名もあり知名度が高いが、それによりほかのウミヒゴイ属のほとんどが「オジサン」と呼ばれるようになり、果てはより小型でオジサンとは大して似ないヒメジ属の魚なども「オジサン」と呼称することが起こり、混同を招いている。

なお残念ではあるが、某コミュニティにおいて、私にこのダツのことであーだこーだ言ってきた方は、残念ながらブロックしてしまったようである。うーむ。

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ゆっくり動画の「収益剥奪対策済み」って?

2023年07月02日 14時57分19秒 | 魚類とインターネット
こんちは。昨日から7月です。
 
 
先日、ゆっくり動画の作り方を紹介するサイトを見ていたが、その中に気になる一部分を見つけてしまった。収益剥奪対策済み、って何よ。
このサイトではゆっくり動画を作成するのに必要なものの一つとして、解説するテーマの情報・知識を必要なもののひとつとしてあげているのだが、それの説明は省略されている。
 
で、どんな内容が書かれているのかというと、アクエストークの使い方やら、動画編集ソフトゆっくりムービーメーカー(YMM)の使い方やら、そのYMMを使うためのパソコンのスペックなどは紹介されているのだが、もっと別のものを紹介するべきではなかろうか。
 
収益剥奪対策というのは、どのような手段があるのか、と紹介されたが、それは、
 
背面にフリー画像を挿入する
立ち絵を動かす
 
というものである。またこのサイトの別のページには声にゆっくり動画で使用されているアクエストークではなく、買い切り版のvoiceroidを使って収益剥奪を防ぐというやり方も紹介されているのだが、これらのような小手先の収益剥奪対策を行っても、根本のコンテンツに問題があるならばどんな小手先の対策を行ったところで何も意味はない。何故ならば、youtubeで収益を得るためにはyoutubeから独自のコンテンツとして認められる必要があるからである。残念ながら今のyoutubeには、ゆっくり動画が溢れかえっている。そして同じものを紹介する動画を見ると、ほとんど同じ内容である。これでは独自コンテンツとはいえない。深海魚にしろ、危険な生物にしろ、紹介している内容はほぼ同じ、誇張も激しいクリックベイトというやつもある。
 
テーマについても、wikipediaなどから拾いの、画像も画像サイトから拾いの、であるため、作ろうと思えばYMMをダウンロードして(ただしWindowsのPCに限る)、誰でも作れると言っても過言ではないかもしれない。それは独自コンテンツとはいえないのではないだろうか。
 
結局、さまざまなサイトで語られるゆっくり動画の収益剥奪対策というのは、かつてさまざまなサイトで語られてきた小手先のSEO対策とほぼ同じである。これにより、有象無象の低品質サイトが跋扈することになってしまった。しかし今日、もはやそれらは意味がない。おそらくゆっくり動画は今後、キュレーションサイトや、トレンドブログ、wordpressで作られた有象無象サイトと同じ道を辿るだろう。なお、例によって画像は内容に一切関係がない。
 
●参照サイトーちゃすろぐ(https://chasksite.com)
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信用できる魚サイトとは

2023年03月31日 23時56分52秒 | 魚類とインターネット

インターネット上での魚図鑑や、魚を紹介しているサイトではいくつかの傾向が見られます。そしてその傾向により、そのサイトが信頼していいのか、そうでないのかを(ある程度)判断することができます。今回は信用できる魚サイトか、信用できない低品質なサイトか、見分けるための傾向をご紹介します。

信用できる魚サイトとは

猛毒を持つ魚もいるが恐怖をあおってはいけない

「信用できる魚サイト」というのは、はじめから信用できる魚サイトにはなりません。解説してある程度時間がたち、多くの人に見てもらう中で「信用」というのがついてくるのです。しかし、残念ながら開設されて時間がたっても信用されない魚サイトが多く、逆に解説されて時間がたっていないサイトで信頼を得ている魚サイトはまずありません。これは近年、とくに2010年代後半以降できたサイトではWordpressをベースとした「誰でも作れる低品質」魚サイトが乱立しているということにあります。

では、どのような魚サイトが信頼性を得ているのか、実際に魚の名前でGoogle検索を行うと、ほとんどの魚種でいくつかのサイトのみが上位にヒットします。具体的に言えば「市場魚介類図鑑」「WEB魚図鑑」「魚類写真資料データベース」、そしてあまり信頼はおけないが便利で使用している人も多い「Wikipedia」の4つです。これらのサイトはどれも20年以上運営されており、その分大きな信頼を得ているともいえます。実際に信頼性がなければこれほど長いことサイトは運営できません。

一方近年生まれたサイトも多少は出てきますが、それは「飼育」やら「釣り」など特定のワードを組み合わせた場合のみヒットされています。しかしこのようなサイトは検索からの流入者数を増やすために「猛毒」など「大げさなワード」を出したり、飼育したこともないのに生物飼育情報を出すなども多く、信用できるものではありません。そしてこれらのサイトの多くが開設して1~3年ほどで更新を終了してしまっています。

 

サイト作成の動機

獲れた魚の名前を知りたい人も多いはず

信用できる魚サイトはどのような目的で作成されているのでしょうか。色々ありますが、多くの場合「知」の情報提供があげられます。これは、ヒトに潜在している「知」の欲求、知的好奇心を満たしてもらうためです。たとえば、釣りやダイビングで見た魚の名前が知りたい。きれいで感動した。いつみられるのか、友達とこの感動を分かち合いたい、というものです。上記の「市場魚介類図鑑」や「WEB魚図鑑」では詳細な解説もあり、これを満たすことができるはずです。一方、低品質サイトでは断片的な情報やWikipediaにあげられた不正確な情報がメインとなっているので、なかなか知的好奇心を満たすことはできません。

この「魚のぶろぐ」ではいつもこのような低品質魚サイトを問題視してきましたが、彼らにとっては「誹謗中傷」とされているようです。ですがこれほど誹謗中傷されてきたのにいまだに続けられている理由は簡単で、低品質サイトの運営者にとってはこれが資金稼ぎになっているのです。魚のコンテンツでこんなことはやってほしくはないのですが、彼らがやってきている「トレンド追っかけサイト」などはもうすでにレッドオーシャンになっていて、ほかの記事、例えば車だの、ホビーだのさまざまなジャンルでもレッドオーシャンとなりつつあり、まだまだライバルが少ないこのジャンルに進出してきているのだと思われます。

広告を貼り付けて非常に簡単な資金稼ぎとなっていますが、このようなサイトは半永久的に残すべきとは正直思えません。実際低品質サイトの運営者も同様に思っている人が多く,ある程度運営に行き詰まったと判断すると、サイトを売却してしまうのです。全く更新されていないサイトは、おそらくサイトの更新をあきらめてやめてしまったからだと思われます。

 

文章コンテンツの出典

魚の記事を書くなら魚類検索は参考にしたい

信用できる魚サイトの文章コンテンツは主に書籍や論文からきています。しかし、それだけなら低品質サイトの運営者にも同じことができます。もっとも、低品質サイトの運営者は、魚の解説をかくために必要な書籍を購入したり、文献を入手したりするなんていうことはほとんどないのですが。

ですが信用できる魚サイトを作り、文章コンテンツを出している人たちは大体が魚のことが好きな人たちなので、実際に魚に触れ合ったという方が多いはずです。そのため文章コンテンツにおいても、概ねその触れ合いの中の経験というものが生かされてきています。一方低品質サイトの運営者は魚にあまり触れあったことがないという人も多く、サイトに掲載されている文章はほとんどが同じように書いている低品質サイト、もしくはWikipediaなどのもので、その分品質や信憑性はどうしても低くなってしまうのです。

 

画像コンテンツの出典

画像の無断使用問題は何らかの対策が急がれる

画像コンテンツも、信用できるサイト、信用できないサイトともに非常に多くあります。信用できるサイトは基本的にバナーなど一部の素材をのぞいて、サイトの運営者が用意します。画像を自ら用意するので、著作権法なども特に怖いことはありません。中には「魚類写真資料データベース」や「WEB魚図鑑」のように、他者からの画像やデータをお借りして図鑑をつくるというサイトも存在します。この場合、第三者の写真が使用されていないかどうか、注意する必要があるといえますが、これは例外的なものといえます。逆に低品質サイトや、しょうもないYoutubeチャンネルなどから狙われる可能性があることには気を付ける必要があります。

一方信用できない低品質サイトの画像はどこからきているのでしょうか。まず低品質サイトを象徴する外国人の写真素材など、フリー素材のサイトから借りてくるというケースが多いです。近年はほかにも写真素材を販売するサイトなどもありますが、フリー素材ではないものもあり、著作権に関する引用表示の必要性なども含めて使用には注意が必要です。さらにフリー素材は数も少なく、いくつかの全く同じ写真や画像が複数のサイトで見られるなんていうこともあります。

さらにひどいものになると、いくつかのサイトでは別のサイトからの写真を勝手に使っているなんていうケースもあります。特に「市場魚介類図鑑」などから引っ張ってきているものが多いです。こういう無断使用の画像は使用料を徴収するのが一番ではありますが、弁護士への相談など、使用料の徴収よりも高くつくケースが多く難しいこともあります。

 

記事を書く・出すタイミング

深場の魚は低水温で飼育したい

記事を書くタイミングも、信用できるサイトとそうではないサイトでは大きく異なります。信用できるサイトでは特に外部に左右されずに記事が出てきますが、信用できない低品質サイトでは、何か動きがあったらすぐに出てきます。「動き」というのは「テレビで紹介された」とか「ネットニュースで話題になった」などです。このような動きがあると、競い合うように記事が出てきます。もっとも出てくる記事は見るに堪えないレベルであり、あるイトヒキベラが新種記載されたときなど、いち早く飼育情報を作成した生物サイトがありますが、飼育されたことがないはずなのに飼育情報が掲載されていてお笑いものです。水深50mの深さの魚など28℃で飼育したらやばいとおもうのですが。このような早さを重視し信頼性は軽視というのは英国のある島の鉄道とか、以前よく見られたトレンドブログに通ずるものがあります。

最後に

信用できるサイトも、信頼できないサイトであっても、それは「結果」でしかない。本当は(動機がどうであれ)信用できていない魚サイトであっても、本当は信用できるサイトを作りたかったのかもしれない。しかし結果的には信用できないサイトになってしまったというケースが散見される。では、信用できない魚サイトになってしまった原因というのは何か。

答えのうち二つは「資金不足」と「経験不足」である。お金をかけないで良質なサイトをつくることはできないし、いいサイトをつくるのであれば情報源の入手が重要になってくる。一方「経験不足」というのは「文章コンテンツの出典」にも書いたとおりで、実際に「魚を探す」「魚を採集する」「魚を食べる」「魚を飼う」「魚を実際に同定してみる」など、一連の行動の経験がないと、どうしても本をだらだら模写しているだけになってしまいがちである。では、どうすればよい魚サイトをつくることができるのか。これはまたいつか考えてみたい。

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Youtubeのゆっくり動画問題

2023年01月07日 23時28分25秒 | 魚類とインターネット

最近はYoutubeの「ゆっくり動画」で収益が剥奪されるというケースが目立っている。多くのゆっくり系Youtuber(全角rではなく、rである)が「収益剥奪されました」なる動画をアップロードしている。このゆっくり動画の収益剥奪事件については、機械音声(俗にいう「ゆっくりボイス」、後述)が原因であるのではという推測をしているウェブログなどもあるのだが、私はほかの問題があるように思っている。

●「ゆっくり動画」とは

ゆっくり動画というのは一般的にAquestalkなどの音声合成ソフトにより制作した音声をキャラクターにしゃべらせる動画のことをいう。もともと「魔理紗」と「霊夢」という二人の顔だけの女の子のキャラクターが「ゆっくりしていってね!!」という吹き出しがついたイラストがアスキーアートで制作されたものが二次創作され今は亡き2chなどに貼り付けられたものがもとである。Youtubeよりはニコニコ動画の文化であり、2000年代末~2010年代初めごろに流行ったもの(詳しくはYoutubeで人気上昇のジャンル 「ゆっくり解説」の解説 —週プレニュース、を参照してください)。それがいつの間にかYoutubeでも増殖しているのである。しかし最近はそんな「ゆっくり動画」収益が剥奪されていることがあるということで話題になっている。

●大量生産されるコンテンツ

最近はゆっくり動画が大量生産されている。もともとはニコニコ動画などでの趣味的な文化であったはずのゆっくり動画であったが、Youtubeで収益化されるようになると状況は大きく変わり、今や大量のゆっくり動画が乱造される時代になっている。中には毎日、毎週のように新しい「ゆっくり動画」が投稿されていることもある。これは多くの場合、外注されているので可能となっている。たとえば「ココナラ」や「クラウドワークス」など求人系のサイトでも「ゆっくり動画作成依頼」の求人がある。

しかし最近はこのようなコンテンツの乱造、そしてその結果ほかのサイトとの見極めが困難になるという事態が発生しており、私も自分が権利をもつ画像が使われていないか探した(後述)結果、全く同じような動画、同じような画像を使用していたが運営元がまた別のサイトであった、というケースが散見された。これはおそらくYoutube的にはほかのチャンネルのコピーとしてみなしているのかもしれない。名前も「ゆっくり生き物」「ゆっくり生物」「生き物ゆっくり不思議発見」など、ちょっと変えただけの名前が多すぎる。

Youtube動画の収益化が許可されていない例をYoutubeヘルプから引用してみた。以下はYoutubeヘルプ「https://support.google.com/youtube/answer/1311392#cqg&zippy=%2Cadsense-%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0-%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%81%B5%E5%AE%88」より引用。黄色線は筆者。

繰り返しの多いコンテンツ

ウェブサイトやニュース フィードのテキストなど、自分で作成していない他の資料の内容を読み上げただけのコンテンツ
音程や速さを変えているが、それ以外はオリジナルと同じである曲
教育的な価値が低く解説や説明が少ない、繰り返しの多いコンテンツ、または漫然として意味のないコンテンツ
テンプレートに基づいたコンテンツ、大量生産されたコンテンツ、またはプログラムによって生成されたコンテンツ
説明、解説、教育的価値が最小限または皆無の画像スライドショーやスクロール テキスト

再利用されたコンテンツ

収益化が許可されないその他の例(これらに限定されません):

テレビ番組の一部が編集されているものの、説明がほとんどないか、まったくない
他のソーシャル メディアのウェブサイトのコンテンツを集めた短い動画
さまざまなアーティストの曲のコレクション(許可を得ている場合も含む)
他のクリエイターによって何度もアップロードされたコンテンツ
他者のコンテンツのプロモーション(許可を得ている場合も含む)

=====引用ここまで=====

この中でゆっくり動画のYoutubeが引っ掛かりそうなものは1.「教育的な価値が低く解説や説明が少ない、繰り返しの多いコンテンツ、または漫然として意味のないコンテンツ」2.「テンプレートに基づいたコンテンツ、大量生産されたコンテンツ、またはプログラムによって生成されたコンテンツ」3.「再利用されたコンテンツ」4.「他のクリエイターによって何度もアップロードされたコンテンツ」というものであろう。

1.はまさしく。Wikipediaに書いてあることと同じであることがほとんどなので、Wikipediaを見ればよくないか、と思った。2.についてはゆっくり動画自体がテンプレートにはまった形で作成されているし、コンテンツも外注で作成されることが多いため、大量生産に当てはまるだろう。3.は「再利用されたコンテンツ」というのはYoutubeヘルプによると「独自の解説や教育的な価値を十分に付加せずに他者のコンテンツを再利用しているチャンネルを指します」とのことであるが、同じような動画が多い「ゆっくり動画」もこれに当てはまるように思われる。4.も同様にほかの人の動画との差別化が困難なゆっくり動画の特徴であると思われる。よく「ゆっくり動画 収益剥奪」などとGoogleれば出てくるサイトの中には「ゆっくりボイスが原因」(https://chasksite.com/archives/2499)なんて言う意見もあるが、ゆっくり音声も原因の一つなのかもしれないが、そのほかにもゆっくり動画の収益剥奪されそうな理由は多々あるのだ。

●品質と権利の問題

「外注した結果大きな問題が起こる…」というのはいつか来た道である。かつて某プロ野球チーム運営企業のキュレーションサイト「DeNAパレット」で起こった問題を思い出す。この中のサイトでは慎重さが求められている医療情報などのサイトを素人に執筆させ、「肩こりは霊が原因」とかいう内容が医療情報を扱うサイトに掲載され問題となったことはあれから6年ちょい経った今でも覚えている方も多いだろう。ゆっくり動画の中身はほとんどがWikipediaなどからの解説を基にしているので、やはり質が低く、乱造している感が強く感じられる。

だが、DeNAパレットの問題はこれだけではない。記事のほとんど丸写し、さらに画像については問題がないように(?)、直リンクという方法をとっているのだが、この直リンクは確かに合法ではあるが倫理的には問題がある。さらにDeNAパレットをそのまま劣化させ野に放ったようなサイトは平気で画像をコピってサイトにペタッと貼り付け、それに若干申し訳程度に出典表記をして完成となるわけだが、この行為のどこに問題があるかは、このぶろぐの読者であれば、もう言うまでもないだろう。私のコンテンツを無断で使用しているYoutubeチャンネルが多数あるのだが、それはいずれもゆっくり動画のコンテンツである。

最近は「当動画の素材はすべて引用であり~」などと書かれているゆっくり動画チャンネルが存在しているが、実際にはほとんどのゆっくり動画は写真の引用元を明記しておらず、引用に当たらないし、動画の中のほとんどがその引用画像である場合はこれも引用とは認められないと思われる。もちろん使用料も一切支払われていない。

私や友人が撮影した画像が使用されていないか、調べた結果多数の無断使用動画が確認された。ゆっくり動画だけでなかったが、ほとんどがゆっくり動画のサイトであった。その中で画像の無断使用元として「大手」の一つである「市場魚介類図鑑」は「無断使用している場合は通常よりも高額の料金を請求させていただきます」と親切にも掲載されているが、もし市場魚介類図鑑が本気で動けばゆっくり動画チャンネルの運営者の一人や二人くらいは自己破産に追い込めるのではなかろうか。もしかしたらこの収益剥奪というのは、Youtube側の「優しさ」というのがあるのかもしれない。

というかこのトップに掲載されたツムギハゼ。このぶろぐにアップした覚えがないのにどこから引っ張ってきたのかわからなかったが、昨日魚の見分け方の解説をしていた時に出てきた某海水魚飼育サイトであったっぽい。しかもロゴマークが消されている。そのサイトから追い出されるという形なので、もうかかわっていないサイトだから画像をフリー素材に差し替えてほしいんだけどなー。なお概要のYoutube動画というのはこれである。どこかのサイトでお馴染みの画像もたくさん。一応Youtubeには通報している。

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