魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

空飛ぶ剣

2010年10月19日 23時07分16秒 | Fish news

本日のYahoo!ニュースより、米フロリダ沖の事故。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101019-00000302-reu-int

はねたオニカマスSphyraena barracuda (Walbaum)が女性に襲いかかったのだそうです。

オニカマスはカマス科の魚では世界最大で、全長1.5mを優に超えます。体は銀色で、成魚は体側下方に黒色斑を出します。

この魚は2つの理由で危険な魚としてしられています。まず、先ほどのニュースでもありましたように、ほかの生物を襲う非常に獰猛な魚です。古い記録では人を襲って死亡させた例もあり、熱帯地方、とくにバハマや西アフリカでは恐れられています。

世界中の暖海に分布し、日本でも南日本では成魚が時々獲れます。西部大西洋では結構数が多いようで、バハマ沖ではスポーツフィッシングの対象とされています。ルアー釣りの対象魚なのです。しかしその際も針からはずしてリリースするためには鋭い剣のような歯に注意しないといけません。

この魚はきらきら光るものにも反応を示すとのこと。時計やアクセサリーなどをつけて潜ったら彼らに襲われる危険性が出てくる、ということです。よっていかない限り危うくないメジロザメ類などよりも危険な生物かもしれません。今回もアクセサリー、もしくは光の反射によって発生したケースかもしれません。

また、本種を含む大型カマスは食物連鎖の上位に位置し、熱帯域でしばしば食中毒を引き起こします。そのため「ドクカマス」の異名があります。

「光るアクセサリーを身につけない」「熱帯域の大型カマスを食する時は、種を確認する」

オニカマス対策を万全にしましょう。

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深海魚のもと

2010年10月19日 00時37分45秒 | 魚介類を食べる

これは、「とある深海性魚類」を包丁でたたき(すぎ?)つくったものなのですが、いったい何かおわかりでしょうか。

これは非常に美味でした。ただし、脂も多く、なかなか多量は食えないかもしれません。マダラなど、深海魚の胃の中からはこれがよく出てくるのです。なるほど、美味なわけです。

正解はこの魚です。ニギスGlossanodon semifasciatus (Kishinouye)。地方によっては沖ウルメとか沖ギスなどと呼ばれる、深海性の小魚です。

写真からはなかなか伝わりにくいのですが、ひかりの加減で七色に輝く美しい魚です。

先ほども述べました通り、日本海にすむタラやフサカサゴの仲間の胃内容物としてしばしば見られます。日本海側の資源となりうる底魚はタラ、フサカサゴ類などで、これらの胃の中からはしばしばこの魚が見つかります。そして日本海側ではなく、太平洋側でもこれらの魚は重要な餌資源・食糧資源です。

日本産のニギス科魚類は4種が知られています。うち本種とカゴシマニギスの2種がポピュラー。イチモンジイワシは希な種で、コタカニギスは今年に新種記載されたばかりの「新顔」です。

では、このニギスは何を食べているのか。胃の中からは小さなエビなどが見られましたが・・・魚も出てきました。

キュウリエソMaurolicus japonicus Ishikawa

これこそが、タラからニギスまで、全ての日本海産肉食性深海魚の餌、つまり深海魚のもと、となる魚です。以前ご紹介しました、デメエソダマシとか、そのあたりと同じ生態系の位置にいるといえそうです。

 

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