鹿児島県喜界島で採集されたテンジクダイ科のシボリFowleria variegata (Valenciennes)です。
テンジクダイ科ではありますが、ネンブツダイやオオスジイシモチなどと異なりかなりがっちりとした体型でむしろ淡水魚のパーチなどの雰囲気があります。
内湾域、岩礁域の潮だまりから河川の汽水域まで、塩分の濃い・薄いにもよく耐えるなど非常に飼いやすく丈夫な魚です。
シボリの仲間も何種類かいますが、色彩の変異は多少はあるものの、基本的には地味であることや、採集者の手があまり入らないような場所(潮だまりなど)にすむのが理由なのでしょうか、めったに流通ルートにはならないようです。
入手が難しいのは残念ですが、非常に愛らしく面白い表情を見せてくれます。
肉食性で小魚を食べるので小さな魚と一緒に飼うのはできないのですが、なれると人の手からも餌を食べるなど、ペット感覚で付き合えます。唯一注意したいのは低い水温と飛び出し。前者はヒーターで対処します。後者は蓋をきちんとすることで対処できるでしょう。
この個体は外かけの隔離ケース「サテライト」の中で飼っています。小さな魚や甲殻類を飼うのには非常にいいケースです。シボリは10cm程ですが、あまり広範囲に泳ぎまわるものではありませんのでこういうのの中で飼ってもよいです。むしろ大きな水槽ではどこへいったか確認しにくいということもあります。