最近ぶろぐを書いていましたらなぜかご好評!?頂いているイットウダイ属の魚たち。この間もテリエビスやニジエビス、それからホホベニイットウダイなど書いてきましたが、今回はこの仲間の代表的な「アヤメエビス」をご紹介。
アヤメエビスはかなり広い範囲に分布するイットウダイの仲間。日本では琉球列島に見られるほか、静岡県以南の太平洋岸にも見られます。海外ではインド‐西太平洋に分布するほか、紅海にも分布し、さらにスエズ運河経由で地中海にも進入しているようです。実際にトルコやギリシャの沿岸でも水中写真が撮影されています。
特徴としては背鰭・臀鰭・尾鰭の基部に黒色斑があることです。ただしこの特徴は小さい個体ではあらわれていないことも多いようです。また、この特徴からスミツキカノコという種類とも間違えられやすいのですが、頭部の形などがやや異なって見えます。あとスミツキカノコの色彩はもっと黄色っぽいようです。さらにスミツキカノコの水中写真で撮影された個体は黄金色に光っていて見事な色彩です。もっとも、ライトの影響などもあるのでしょうが。
もう一つの特徴は体側背部にある黒色の縦線。これが1本、または2本であることにより本種に極めてよく似た種類であるクロオビエビスと区別することができます。クロオビエビスにはこの黒色の縦線がさらに数本あるのが特徴です。また今度ご紹介したいと思います。
アヤメエビスも釣りや刺網、定置網などによって漁獲されますが、遊漁の釣りではテリエビスよりも少ないような感じがします。このアヤメエビスもホホベニイットウダイと同じくすくも湾中央市場に水揚げされたもの。ほかのイットウダイの仲間と同じように食用として知られています。