魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ヌマガレイ

2017年01月23日 10時48分43秒 | 魚紹介

5年以上ぶりに登場。カレイ目・カレイ科・ヌマガレイ属のヌマガレイ。

ヌマガレイはカレイ科ではあるが(少なくとも日本近海産のものでは)眼が体の左側にあることがほとんど。カレイ科の魚では眼が体の右側にあるものが多いが、たまに眼が体の左側にある個体もいる。もっとも、それは「たまに」であり、ヌマガレイのようなケースは日本産のカレイ科魚類では珍しいといえそうだ。

ヌマガレイの体には骨質の小突起がある。1個1個が小さいもので、有眼側はもちろん、無眼側にもある。有眼側おものは薄い茶色っぽくわかりやすいが、無眼側のものは白くて写真では見にくい。でも確認できるであろう。そのほかの特徴としては背鰭や臀鰭の縞模様。本種のように明瞭な縞模様を有する日本産カレイ科魚類はほかにマツカワやトウガレイなどがいるが、これらの種類は鱗があるので区別は容易。このぶろぐでも以前にトウガレイについて書いているので参考にしてほしい。なお、ヌマガレイ属は分類学的にはイシガレイ属と近縁とされている。鱗がなく骨質の板があるのがイシガレイの特徴。この両種の間の交雑個体も知られている。

ヌマガレイは汽水域はもちろん、カレイの仲間では珍しく淡水域にも入ることが多い。同じように、先述のトウガレイも汽水域に入る。またヌマガレイもトウガレイも沿岸の海域に生息し、ヌマガレイと分類学的に近い仲間とされるイシガレイも温帯の浅海から河川の汽水域に生息している。ほかの沿岸性カレイ同様に投げ釣りで釣れる。ほか、刺し網などの漁法でも漁獲されている。ヌマガレイは口が小さく、甲殻類などの底生動物や小魚などを捕食していると考えられる。分布域は北海道から島根県までの日本海、千葉県までの太平洋岸で、茨城県以北に多い。海外では朝鮮半島の日本海沿岸からカリフォルニアまでの広い範囲に分布していて、北米産のものは眼か体の右側にあるのもいるそうだ。Fishbaseのサイトでも眼が体の右側にある個体が紹介されている。

ヌマガレイは意外なほど味についてよい評判を聞かないが、以前食べたものは臭みもなく美味であった。今回は煮つけにして食べてみた。皮はやはり小突起があるため皮ごと食べることがしにくい。皮は外して身を食したが美味。今回の個体は卵をもった「子持ち」の個体で卵も食したが美味であった。今回の個体も北海道産で坂口太一さんに送っていただいたもの。ありがとうございます。

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