
ヒウチダイ科のハシキンメGephyroberyx japonicus (Döderlein, 1883)です。ハシキンメは2度ほどブログの記事に登場していましたが今回は初めて手のひらサイズのものが手に入りました。以前ご紹介した東シナ海産の個体の頭部と同じくらいの大きさかと思いきや、今回のは体長で16cmほど、前回の東シナ海のは頭長19cmで、前回の個体の頭にも及ばない可愛いサイズでした。もっとも本州のと東シナ海のは別物であるという説もあるのですが。
前にハシキンメをご紹介した際は刺身でいただいたのですが、今回は小さなサイズだったので塩焼きで食べてみることにしました。ハシキンメは強い魚で、水族館や、深海魚も扱う観賞魚店などで見る機会も多く、生きてたらこの個体も飼育に向いているサイズだと思われます。

静岡県沼津などでは本種を「ごそ」とよび食用とします。最近の深海魚ブームの中で、今では本種の名も全国区となりました。皮は硬いのですが、肉は白身で脂がのりかなり美味でした。
同科で南半球に分布するヒウチダイ属の種類オレンジラフィ Hoplostethus atlanticus Collett, 1889(和名をオレンジラフィーとしていることもあるが、今回は清水(1990)に従う) は皮下にワックスの層を有しており、そのままでは食用に適さないほどだそうです。ワックスの層を分厚く切り落としてフィレにするようです。
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