魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

マホロバハタ

2025年03月13日 19時17分48秒 | 魚紹介

つい先日我が家にやって来た沖縄の魚。ハタ科・アカハタ属のマホロバハタ。昔はEpinephelusの標準和名はマハタ属とされたが、マハタは別属Hyporthodusに含められたため、Hyporthodus属の標準和名がマハタ属。一方Epinephelusの標準和名はアカハタ属とされたのだった。このマホロバハタは2021年に新種記載されたハタである。ホウセキハタやオオモンハタなどと誤同定されていたものであるが、そのへんが2021年に分類学的再検討が行われ、その結果本種は新種記載された。一方ホウセキハタについてはEpinephelus chlorostigmaとされてきたが、この種はインド洋にのみ生息する種とされ、ホウセキハタの学名はEpinephelus japonicusとされた。

マホロバハタは日本においてはおもに琉球列島に生息しているが、九州南部からの記録もあり、ホウセキハタとは分布だけでは識別することはできない。結構この2種は同定が難しいのである。しかし慣れてしまえばそれほど見分けに難儀するような種でもないだろう。

マホロバハタの腹部

ホウセキハタの腹部

この2種の見分けでもっともわかりやすいのは腹部の斑点の有無であろう。マホロバハタでは腹部にも瞳より細かい斑点が多数入るが、ホウセキハタでは腹部にはそのような斑点がほとんどないので見分けることができる。

マホロバハタの胸鰭

ホウセキハタの胸鰭

この2種については胸鰭の斑紋によっても識別することができる。マホロバハタの胸鰭には細かい明瞭な斑点が多数みられるが、ホウセキハタの胸鰭は赤みを帯びた色彩で、胸鰭に斑紋はないかあっても不明瞭であった。また胸鰭基部にも斑紋は少ないようである。この胸鰭の斑点の有無というのは、体に斑点があるハタ科魚類を見分けるのに重要な形質となりうるので、しっかりとチェックしてみてほしい。

さて、マホロバハタの同定&観察を行ったあとは食する。

マホロバハタのおさしみ。手前(腹部側)は普通に皮をひいた刺身。奥(背部側)は皮をひかず鱗だけ落としたあと、皮をあぶった刺身。こうすると皮下にうまみがあるハタ科魚類の特徴を生かすことができる。今回のマホロバハタは長崎 マルホウ水産 「魚喰民族」石田拓治さんより。いつもありがとうございます。ちなみに最初私はオオモンハタと誤同定をしていた。そんなオオモンハタとの見分けについてはまた別媒体で書こうと思っている。

なお例の「魚釣り」という中国人による盗用コンテンツオンリーのサイトであったが、これについては「美渚ちゃんの釣り日和」という名称にかわり、ページレビューもいつのまにか消滅しているため中国人がやっているとなかなか分からなくなってしまった。しかしながらやっていることは変わらない。さらに調査した結果、「WEB魚図鑑の部屋」においてもこのページについて警告を出していたことが判明した。ちゃんと、そういう対策はしていたようで少し安心。


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