宇和島滞在期間中にマグロの胃の内容物も調査しました。珍しい、様々な魚が胃の中から現れました。デメエソ科魚類がもっとも多く、次いでムネエソ類が多く出現、このほかにハダカエソ科やイボダイの仲間も現れました。
そんな中、意外な魚も現れました。
ハコフグ科のウミスズメLactoria diaphana (Bloch and Schneider)です。
おなかが膨らみ見た目はフグそのものですが、体はかたい鱗に覆われています。ハコフグ科の特徴ですね。ウミスズメは小さいころ水を飲んで膨らむ習性が古くから知られており、この個体も飲んでいるようでした。このころはまだウミスズメの仲間の特徴である頭部などの突起は現れていません。
ウミスズメの分布はインド・太平洋の広域におよび、海洋島などにも見られるようです。この胃内容物も、量などから推測しますと、きっと海山や島の近海で漁獲されたものではないか、とも思うのですが。もっとも、カジキなどの胃の中からウミスズメは時々見つかっているようです。
これがウミスズメLactoria diaphana (Bloch and Schneider)の成魚。定置網で漁獲された個体です。成魚はごく浅い防波堤から、やや深い砂泥底まで様々な場所に出現しています。
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