この間は長崎以外からも稀少な魚が我が家にやってきていました。ウツボ科・ウツボ属のミナミミゾレウツボ。ミナミミゾレウツボは南方性のウツボで稀な種、紀伊半島から琉球列島、小笠原諸島に分布し、海外では西太平洋に広く分布しているという。
生きているときや新鮮なときは体中を黄色い粘液で覆っているものの、この粘液は脱落したり、あるいは標本にすると落っこちてしまうようである。同じようにやや深場に生息するウツボ科のアセウツボなどは皮膚に毒があり、ほかの魚を殺すことがあるというが、本種についてはどうだろうか。いずれにせよ、生時は全身が黄色く白っぽい斑点がめだつミナミミゾレウツボであるが、粘液が消えると微妙なまだら模様になってしまい、ちょっと残念なところである。水深200m前後にすむ深海性のウツボ科魚類であり、水中での色彩や生き様などはよく知られていないが、ほかのウツボ科魚類の多くの種と同様に、小魚やタコなどを捕食する動物食性の強い魚であることは確実であろう。
頭部だけ見るとドクウツボあたりにも似ている。本種については当初、「オキナワノコギリウツボ」かと思われたが、鰓孔付近には黒色斑がなく、ミナミミゾレウツボということになった。いずれにせよこのミゾレウツボの仲間と近いグループは同定が難しいといえるかもしれない。この仲間は歯の切縁に鋸歯があるのが特徴とされている。だから「オキナワノコギリウツボ」という名前なのだろうな、とも思った。歯の写真については撮影していないが、頭は撮影用に残してあるので、近いうち撮影してこのぶろぐでもアップしたいと思っている。
毒があるかもしれないというミナミミゾレウツボだが、唐揚げは無難に美味しかった。皮膚に毒があるとされるアデウツボも琉球列島では食用になり、市場にも出るという。また目的の耳石も無事に採取できた。今回のミナミミゾレウツボはTwitter(現・X)においてHN「魚のゲボ」さんより購入させていただきました。ありがとうございました。
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