先日紹介した「ブダイの保育園」近辺で見られたチョウチョウウオ科・ハタタテダイ属のツノハタタテダイの幼魚を発見した。ツノハタタテダイはこの属の中では珍しいと思っているが、琉球列島ではそれなりに見られるし、高知はもちろん和歌山でも獲れる。もっと珍しいのはシマハタタテダイで、これだけはどこでも見たことはない。この近辺ではハタタテダイ科はハタタテダイ、ムレハタタテダイ、オニハタタテダイを確認しており、これで4種目、ということになるだろうか。
体は全体的にチョコレート色で、体側の2本の白色帯がオシャレである。食性は雑食性と思われ、この個体は岩に突いている付着生物を啄むように食していた。ソラスズメダイなど強そうな魚がやって来ると、棘をたてて防御のカマエをする。ツノハタタテダイの特徴である、眼上の棘はこのサイズではまだ顕著ではないのだろう。
このポイントは、この撮影場所付近ではチョウチョウウオ類の魚影が濃い。トゲチョウチョウウオやフウライチョウチョウウオなどはほぼ周年見られる。ただし1月ごろになるとかなり大きめのギンガメアジやカスミアジなどが回遊してくるのでこのチョウチョウウオの小さいのは食べられてしまう可能性もある。
奥からやって来るのがツノダシ。ハタタテダイ属とツノダシは、しばしば間違えられるのだが、本種に関しては色彩的にあまり間違えられることはないのかもしれない。ツノダシはこの港周辺であれば周年どこでもいる。
ツノハタタテダイは美味しい魚としても知られている。2021年の2月に石垣島からの大濱さんから届いたツノハタタテダイは刺身にして美味であった。観賞魚としても知られているが、ハタタテダイほど飼育しやすいものではなさそうである。
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