前回までの動画で、水中カメラで写真や動画を撮影した場所とは少し離れた場所であるが、ここでは先ほどご紹介したような大きなチョウチョウウオ類やカワハギなどは少ない場所である。その代わりこのポイントではベラやブダイといった、やや小型の魚が多数群れている。このぶろぐの読者であれば、昨2023年の秋にカミナリベラを撮影した場所、といえば通りが早いだろうか。大きなツノダシやオヤビッチャが群れているが、これらの魚はこのあたりではどこにでもいる。
2021年にこの場所を訪れたときには、この場所はブダイ科アオブダイ属の幼魚がたくさんいた。まずは上の写真のニシキブダイの幼魚。黄色い吻端と白い尾柄が特徴である。成魚の雌相は褐色であるが、雄相はこの属のほかの種と同様に鮮やかなグリーンになる。余談であるがこの場所はカミナリベラが多い。この時もこのニシキブダイの後方にカミナリベラの雌相の姿が見える。なお筆者はカミナリベラは釣ったことがなく、当然幼魚以外は網にも水槽にも入れたことがない。なお、高知県からは本種によくにたイトヒキブダイの幼魚が柏島から出ている、というけど、本当かな?
中央はアミメブダイ、左の方でキンセンイシモチとにらみ合っているのはおそらくまた別のアオブダイ属の幼魚である。一番左は、先ほど紹介したニシキブダイの子。アミメブダイの幼魚は尾柄が青白く輝く。頭部には2本の金色の縦縞が輝く美しいブダイである。キンセンイシモチとにらみ合っている茶褐色のブダイは種不明であるが、アオブダイ属ではあるだろう。イチモンジブダイやヒブダイあたりの可能性もある。
高速遊泳しているアミメブダイの幼魚。尾柄付近の色がこれほど青いと、水中写真でもニシキブダイとの違いが分かりやすいといえる。
そして最後にブチブダイ(右上)。写真は酷いものになってしまっているが、尾鰭の基部に大きな二つの黒色点と白い横帯が特徴である。体側には青い点がならび、ベラ科のホクトベラを思わせる美しい色彩である。成魚はかつてこのぶろぐでご紹介したように、紫色の体にグリーンの点という色彩になる。下の「魚のぶろぐ」の文字の上あたりに写っているのはおそらく先ほどのアオブダイ属の幼魚と同一個体である。これら4種のブダイが、このあたりの浅いコケの生えた岩を更地にしていく。2023年に同じ場所でカメラを沈めたときは、残念ながらブダイの姿はなく、アカハタやヒメフエダイ、バラフエダイがたくさん見られた。これらの魚の餌になってしまったのかもしれない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます