魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ツマジロがやってきた

2018年01月13日 22時48分43秒 | 魚紹介

今週は我が家に魚が色々届きました。まずはこちら。

メジロザメ目・メジロザメ科・メジロザメ属のツマジロ。

ツマジロはメジロザメ科のサメで、全長3mにもなる大型種。日本沿岸にもメジロザメの仲間は多くの種が生息しているが、このツマジロは暖かい海を好むためか、日本においての生息域は主に琉球列島のサンゴ礁域に限られるようだ。海外では東アフリカ~中央太平洋の熱帯海域に分布する。

メジロザメ属なので鋭くて強い歯をもち、大きいものは潜在的な危険性があるため注意が必要、とされているが、近づきすぎなければ危険はないようだ。本種はダイバーにもお馴染みのサメだというが、なかなか日本ではお目に罹れないのではなかろうか。「魚類写真資料データベース」にも掲載されていない。今回の個体は喜界島産で、全長1mもない幼魚。釣りにより漁獲されたものを「がほー」さんに送っていただいた。ありがとうございました。

ツマジロの特徴は背鰭などの鰭の先端や縁が白くなること。よく似た名前のツマグロは英語でBlacktip reef sharkなどと呼ばれており、観賞魚の世界でもこの名前で呼ばれ、標準和名で呼ばれることは多くない。ツマグロは日本では稀な種であることも一因だろうか。ツマグロはBlacktipだから、ツマジロはWhitetipなのだろう...と思ってしまいがちだが、Whitetipは主にネムリブカのことを指し、本種は英語名ではSilvertipという。「シルバーチップ」というと、昔むかし、熱帯魚にはまっていたときに飼育していたカラシンの一種ハセマニアのことを思い出す。ハセマニアもツマジロ同様に鰭の先端が白っぽくなるのが特徴だ。

メジロザメの仲間はフライなどの料理やかまぼこの原料としても利用されるのだが、残念なことにこの個体は若干鮮度が落ちてしまっており、食用にはできない。現在冷凍しており、どこへ送ろうか思案中である。ツマジロはそれほど同定は難しくないのだが、メジロザメの仲間などの大型サメ類は標本がないと同定が難しいことが多い。同定のためにはどうしても個体を残しておく必要があるのだ。そのため標本をのこして、同定に必要な部位がチェックできるようにしてほしい。とくに小ぶりのものは標本として残しておくことを強く勧めたい。

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昆虫採集

2018年01月08日 18時57分27秒 | 魚介類飼育(淡水)

昨日は県北まで昆虫採集へ行ってきました。狙いの昆虫は、これ。

水棲の昆虫、とくにカゲロウやカワゲラの仲間の昆虫を狙って採集に行ってきました.この昆虫はカゲロウ目の昆虫の幼虫と思われるのですが、詳細な種名は不明です。平たい体つきなので、ヒラタカゲロウの幼虫かなと思うのですが。

で、この昆虫を採集していったいどうするのかといいますと・・・。

年末に採集してきて拒食が続いているムサシノジュズカケハゼ(たぶん)の水槽に入れるのです。この子は採集してきたはよいのですが、なかなか配合餌を食べずに困っていたのでした。

そして

あーらふしぎ。カーニバルなどの配合餌をろくに食べなかったムサシノジュズカケハゼがカゲロウの幼虫を入れたところ活発に追いかけまわしていたのでした。

少しだけおなかがふっくらしてきたように思います。淡水ハゼがなかなか餌を食わなくて困っているというときは、水棲昆虫などの生き餌を与えるのが良いようです。しかし以前に飼育していたウキゴリはすぐに配合飼料に餌付いたのですがね・・・。ただし水棲昆虫はストックしにくく、また頻繁に採集に行くこともできない(高速道路をつかっても1時間以上かかる)ため、なるべく早く配合飼料に餌付かせたいものです。

魚はオイカワやヌマチチブなどが採集できましたがリリース。魚の動きは鈍く、いまは耐え忍ぶシーズンとなりそうです。

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クサウオ

2018年01月03日 10時03分46秒 | 魚紹介

今日は昔好きだったミハエル・シューマッハさんの49回目の誕生日です。生存報告すらなくきびしい状況なのは間違いないのですが、頑張ってほしいところです。世界のティフォシたちも祈るような気持ちで待っているでしょう。

年末にいただいた魚をご紹介。クサウオ科・クサウオ属のクサウオ。

クサウオを手に取るのは今回が初めてではなく、これが2回目なのであるが、この個体は全長50cm近くの大型個体。これほど大きい個体は初めて見た。クサウオ属の魚は疑問種のオーストンクサウオをのぞき10種が日本近海に分布している。スナビクニンなど分布域が広い魚が多いが、基本的には冷水性の魚の仲間である。クサウオの分布域は北海道から鹿児島県までであり、この科の魚としてはかなり広い範囲に分布する魚といえそうである・また東シナ海や台湾にも分布するなど、高水温に対する耐性もあるらしい。

クサウオの尾鰭・尾柄

エゾクサウオ

クサウオによく似たものにエゾクサウオという種がいる。エゾクサウオはクサウオに極めてよく似た姿をしているのだが、クサウオは尾鰭の基底付近に白色斑があるので、エゾクサウオと区別することができる。エゾクサウオにはこれがない。

ダンゴウオなどと同様にクサウオにも吸盤がついている。吸盤の使い道はダンゴウオや小型種のスナビクニンなどとほとんど同様で、岩などにはりつくのである。

クサウオは水族館でもおなじみの魚である。対して食に対してはあまり芳しい評価をきかない。しかしこれほど大きい個体であれば骨はあまり気になることもなく、身の離れもよい。味はほとんどないのだが、臭みもない。今回の個体はTwitterのフォロワーさん、大栗靖彦さんに送っていただいたもの。ありがとうございました。

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ヒガシシマドジョウ

2018年01月02日 23時09分43秒 | 魚介類飼育(淡水)

今年初めて紹介する魚は、昨年の終わりに初めて採集することができたドジョウ科・シマドジョウ属のヒガシシマドジョウ。

ヒガシシマドジョウは山梨県や新潟県以東の本州や佐渡に生息する種。これもいくつかのグループに分けられている。写真の個体は関東地方で採集された幼魚ではあるが、関東地方のものは東北地方のものと比べ成熟サイズが明らかに小さいのが特徴。尾鰭の斑紋はほかの地域のものと比べて細かく数が多いように見えるが、3列ほどのものもいるようだ。

丈夫で飼育しやすいが、やせやすい種ともいわれており、特に幼魚はこまめな給餌が望ましいと思われる。これだけ小さいと他種に捕食されてしまう可能性もあり、本種を食べてしまう危険性尾あるナマズの仲間やドンコなどはもちろんのこと、コイの仲間のものも避けるべきかもしれない。水槽で大きく育てたいと思う。強いエアレーションをすると外に飛び出て死んでしまうおそれもあるためフタも確実にしめなければならない。小型のドジョウの仲間は意外と飼育には気をつかう種類なのである。このくらいのドジョウ科魚類を飼育するのは久しぶりなのでまずはやせてしまわないように注意しながら飼育したいと思う。

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新年の予想と採集予定

2018年01月01日 02時11分53秒 | 環境問題

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。今年最初の記事は魚というよりは願望を込めて、今年の展望を。

●放流禁止法の制定

最近の観賞魚業界は多くの困難に直面している。「ハワイ産の魚の入荷がなくなる」「フィジーサンゴの採集禁止」「ガー類の特定外来生物入り」などである。前二つは日本のことだけではないのでどうすることもできなかったのだが、最後のひとつは日本の観賞魚業界界隈が何もできないなんてことはなかったはずである。ガーを特定外来入りさせるのは環境省が観賞魚業界に圧力をかけるためであると考えている。なぜならばこの省はほかの外来生物については何もしていないように見えるからだ。たとえば某所ではニジマスを冬に放流しようとしていたが、ニジマスはガー以上に生態系破壊を行うおそれがあるからだ。しかしながら産業上重要であり、特定外来生物にはなっておらず、また別の枠組みである。

だったらもう放流は禁止するしかない。飼育した生物を別の場所に放流することを禁止すれば、日本の淡水魚の四大脅威である「開発」「外来集団の流入」「外来魚による捕食」「インターネット販売網の充実による小遣い目当ての乱獲」のうちふたつを解決することができるのだから。もしこのような法律ができるのであれば、「外来生物法」などは魚類にかんしては、完全に無用の長物になるはずだ。

●魚採集の予定

今年はいくつかの場所に淡水魚採集へ行く予定である。まずは今月中に昨年ヤリタナゴやシマヨシノボリなどを採集したポイントにまた行ってみる必要があるし、4月には九州で久しぶりに採集したい。沖縄の河川にも行きたいし、アカザやギバチなども探しにいきたいのだ。海水魚は熱帯の島へいってみたいところだが、例年とことなる8月ごろに行ってみたいと考えている。

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