魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

トビイトギンポ

2023年01月21日 21時19分14秒 | 魚紹介

今日はいつもほど疲れていないのでじっくり魚をご紹介。この間このぶろぐでも紹介したコモンイトギンポの近縁種。スズキ目・タウエガジ科・カズナギ属のトビイトギンポ。

トビイトギンポは同じカズナギ属のコモンイトギンポに似ているが、背・臀鰭に三角形のような模様が入るので見分けることができる。コモンイトギンポでは背鰭と臀鰭に、2本でひと組となった暗色の線が入っているので見分けることができるが、慣れないと難しい。標準和名ギンポは、ニシキギンポ科と呼ばれる本種とはまた異なる科の魚である。尾鰭の形状が本種と異なり、見た目から見分けるのは難しくはない(ただ、ギンポとタケギンポなど、属内での見分けが難しいことはある)。

口は大きく、この仲間は口を大きく広げて威嚇をすることがある。ウツボの仲間と間違えられることもあるが、ウツボの仲間と異なり胸鰭があることや、ウツボの仲間では見られない背鰭の鰭条が明瞭であることが特徴。なおこの属は背鰭棘条がほかの一般的な魚と比べると多く、「日本産魚類検索 第三版」によれば28~37棘、さらにその後方に78~89軟条がある。

ちなみにこのトビイトギンポと、よく似たコモンイトギンポを合わせたこの類を「イトギンポ」とまとめて呼ぶこともあるが、この標準和名をもつものは別の属であるため注意が必要とされる。種の標準和名イトギンポは駿河湾などのやや深海から得られている稀種である。イトギンポ属の魚はカズナギ属よりも体高が低く、また背鰭棘数も著しく多くその数は100棘を超えるとされる。カズナギ属の場合40棘以下なので、明らかに数が桁違いである。なお、Fishbaseではこの属はEulophiidaeとされる。カズナギ属およびヒメイトギンポ属からなるものはNeozoarcidaeという別属とされている。ただ分子分類学的なものなのであまり信用していない。おそらくこの2属は科として分けられないのでは、とも思っている。なお、Eulophiidaeはイトギンポ属の3種と北海道にすむオビギンポ、千島列島から記録されているAzygopterus属(1種)の合計5種からなる。

トビイトギンポは冬~春、まだ海藻が多い時期に浅い潮だまりで採集することができるが、5月の大型連休を過ぎると浅瀬から姿を消してしまう。一体どこへ行くのかはわからない。ライフサイクルを終えてしまうのか、それとも深場へ移るのだろうか。潮だまりで採集されたものはアクアリストにより飼育されることもあるが、低めの水温が必要なので長期飼育が難しく、一般的な海水魚の飼育に適した25℃では長生きさせられない。なお、トビイトギンポの分布域はコモンイトギンポと比べると少し広いようで、千葉県~和歌山県の太平洋岸、瀬戸内海に分布している。コモンイトギンポは千葉県から三浦半島までとされている。両種ともに日本固有種である。

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オヤビッチャ

2023年01月20日 21時26分19秒 | 水中写真

恒例となっている「忙しいとき、もしくは疲れているときの水中写真」シリーズ。今回はスズメダイ科のオヤビッチャ。2021年の10月、この間ご紹介したアカササノハベラなどを撮影した防波堤にて、Goproの動画より切り抜き。

やはり湾内で撮影された写真であり、透明度はイマイチ。この防波堤ではスズメダイは少なめではあるものの、オヤビッチャ、テンジクスズメダイ、ロクセンスズメダイ、ソラスズメダイといった「定番スズメダイ」は毎年見られ、おそらく越冬している。明日はもっと忙しくなる予定なので、もう寝ます。おやすみなさい。

 

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ギンガメアジ

2023年01月19日 22時34分36秒 | 水中写真

今日も疲れたので、手抜きで。

ギンガメアジの若魚。水中写真。水中で見ると金色に輝いていて綺麗である。オニヒラアジに似ているが、稜鱗が黒くなるので見分けることができる。高知県の河川が流れ込む場所で撮影したもので透明度は高くないが、魚種は豊富である。ギンガメアジといえば、成魚は潮通しのよいサンゴ礁で渦をつくる、というイメージが(特にダイバーの方は)強いだろうが、幼魚は河川の河口などで見られる。釣り人には「メッキ」の名前でお馴染みだろう。お馴染みの釣り魚ではあるが、水中で見ると改めて美しさに気づく。

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コモンイトギンポ

2023年01月18日 15時48分15秒 | 魚紹介

今日は冬から春の磯で見られる魚の紹介。スズキ目・ゲンゲ亜目・タウエガジ科のコモンイトギンポ。

コモンイトギンポをふくむカズナギ属の魚はニョロニョロしていて、ウツボの仲間と間違えられやすいが、小さいながらも胸鰭があり、背鰭前部にしっかりとした棘条も確認できるためウツボの仲間と見分けられる。ウツボの仲間は胸鰭がなく、鰭条も退化している。食用魚として知られるギンポとは、尾部の形で見分けられそうだ。ギンポでは尾鰭が丸いが、カズナギ属ではとんがっている。なお、カズナギ属はギンポとは異なり、一般的にはほとんど食用になっていない。ただ、薄い側扁した体であるため、ギンポ同様天ぷらにして食べると美味しいかもしれない。ただし、季節を外すと出会えないし、あまり多い魚でもない。本種は従来はゲンゲ科とされていたが、近年はタウエガジ科の中に入れられているようだ。ただし、タウエガジ科についてはいくつかの亜科に分かれていてそれぞれ別の科とされることもある。FishbaseではNeozoarcidaeとされ、ヒメイトギンポ属2種、カズナギ属8種の計10種が知られている。日本産は7種が知られており、日本に産しない3種もサハリンやオホーツク海、極東ロシア、朝鮮半島などの分布で、東アジアにのみ分布するものと考えてよさそうである。

カズナギ属ではいずれも背鰭や臀鰭に模様が入る。本種では背鰭と臀鰭に、2本でひと組となった暗色の線が入っている。関東沿岸ではこのほかにトビイトギンポという種もいるのだが、この種は三角形状の暗色斑が並んでいるので見分けることができる。

コモンイトギンポは分布域が狭く、千葉県~神奈川県までの沿岸に生息する。それ以外の地域ではノトカズナギ(能登半島羽咋)、オオカズナギ(三重県、和歌山県、京都府以南日本海岸、瀬戸内海、九州北岸および東シナ海岸など)に置き換わる。また本種は冬~春にかけて浅いタイドプールに姿を現すも、やがて消えてしまう。どこに行くのかわからないが、ギンポ同様に夏季は深場に行くのか、それとも高水温にも耐えられる卵を残して一生を終えるのかは定かではない。よく見るときれいな色をしていて、かわいいので持ち帰って水槽で飼育してみたくなるが、高水温に弱いためカクレクマノミなどの熱帯性の海水魚とは混泳させられないので注意が必要。ダンゴウオなどと飼育してもよいかもしれないが、いずれにせよ一般の水槽用クーラーを使用した飼育では夏季を乗り切るのは難しいだろう。

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疲労

2023年01月17日 21時48分08秒 | お知らせ

今日は元SKE48松村香織さんの17歳(17回目)の誕生日でしたが疲れてしまいました。ぶろぐの更新はお休みです。

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