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第92回全日本フィギュアスケート選手権(2023)男子FS

2023年12月23日 22時09分56秒 | フィギュアスケート

 第92回全日本フィギュアスケート選手権(2023)男子フリージャッジスコア)。

<G1>
蛯原大弥 SP:61.85(24) FS:131.11(15) Total:192.96(19)
 「ミッションインポッシブル」♪ グレーと黒。3アクセルを決めるとガッツポーズ、3ルッツ+3トウはややこらえた。3ルッツ+2アクセル+2トウを決め、2アクセル+3トウは耐える。最後の3サルコウを下りてまたガッツポーズ、じっくりコレオを見せてから、ステップシークエンスもよく動いた。
 終わってまた大きくガッツポーズ シーズンベスト更新。

田内誠吾 SP:63.89(23) FS:126.12(20) Total:190.01(21)
 「ムーラン・ルージュ」♪ 紫系。安藤美姫コーチが送り出す。3アクセルは転倒したが、3フリップ抑え、3ルッツからフライングスピンの流れは良い。3ループ+2アクセル、2アクセル+オイラー+3サルコウなど頑張った。ハイドロブレーディングを織り込むコレオから、ステップの最後には大きなスライディングを入れてきた。最後のスピンでややふらついてしまったのは惜しい。
 SPの時より手足が長く見える

木科雄登 SP:64.52(22) FS:123.60(21) Total:188.12(23)
 「Primavera」♪ グレー系のグラデーション。冒頭の3アクセルは転倒したが、3ルッツ、2アクセル+3トウ、3サルコウ+2アクセル+2トウと決めていく。後半も3ループ+2トウ、3ループと入った。
 コレオシークエンスで見せるイーグルや小さな飾りジャンプ、スピンの腕の使い方などで見せる表現力がしみじみ良かった。

垣内珀琉 SP:64.58(21) FS:131.72(14) Total:196.30(18)
 「Wake Me Up」♪ 白に黒ベストを羽織って。4トウ、下りた!(qだけど)。 3ループ、3ルッツ+3トウ+2トウ、3フリップ+2アクセルと着実に決めていく。2アクセルで手をついたのが惜しいが、しっかりステップをした後、得意のダンスパート。ハイドロブレーディングやスパイラルを入れるコレオは楽しい。
 終始、歌いながら滑っていた

大島光翔 SP:66.89(20) FS:122.47(23) Total:189.36(22)
 「ムーラン・ルージュ」♪ 白シャツ黒ベスト。思いをのせるようなピボットから、予定した4ルッツは2回転になった。3アクセル、3アクセル+2トウをしっかり決める。ループでパンク 3ルッツ+3トウ、3フリップ+オイラー+3サルコウと頑張り、氷に手をついて体を滑らせる動きを入れたステップなど、“大人な”大島を随所に表現していた。
 スタァを自称するだけの表現力、存分に発揮 キス&クライで「長いですね~、怪しいのばっかりで」と苦笑い。

高橋星名 SP:68.28(19) FS:123.49(22) Total:191.77(20)
 「レ・ミゼラブル」♪ ベージュに茶系ベスト風。まだマリウスではなくガブローシュかな 3アクセル+2トウ、3ルッツ+2トウ+2アクセルと見事。2本目の3アクセルは惜しくも転倒。しかしその後の3サルコウ+3トウ、3ルッツ、3フリップなど問題なし。
 コレオシークエンスは伸び伸びと、スピンの途中で曲が「民衆の歌」に変わって元気よく滑っていく。ステップはさすがにまだエッジワークが浅いが、全体に基本に忠実なところがいい。

<G2>
片伊勢武アミン SP:70.41(18) FS:141.85(11) Total:212.26(12)
 「Tree of Life Suite」♪ 白ブラウス。ゆったりと3アクセル、柔らかな着氷。3ルッツ+2アクセル、3ループと丁寧に跳んでいく。3アクセル+2トウ、3サルコウ+3トウも入り、3フリップはややふらついたがミスはそれだけ。シットスピンをスライディングで出て、壮大なコレオは大きなイーグルで見せる。コンビネーションスピンの中で、ドーナツ姿勢やI字姿勢も美しい。
 ジャンプの回転不足があっても、芸術性の高さで魅了してくれる。

佐々木晴也 SP:70.88(17) FS:137.99(13) Total:208.87(13)
 「ロミオとジュリエット」♪ グレー。4トウ予定を変えて3アクセル、詰まって1トウをなんとか付けた。2本目の3アクセルは高さがある。後半3ルッツ+オイラー+3サルコウ、3ルッツ+2アクセルも頑張った。ジャンプを下りたときのチェック姿勢が、両腕をぐっと伸ばしてカッコいい。
 スピンの出のイリュージョン、つなぎの動きの中で腕の伸ばし方や表情、最後のスピンの入りのキャメルでややふらついたが、ロミオの苦悩を最後まで演じきった。

中田璃士 SP:71.45(16) FS:128.82(17) Total:200.27(17)
 映画「007」より♪ 黒にシルバーのライン。冒頭の4トウ予定が2回転に 3アクセル+2トウ入るが、2本めのアクセルが中途半端に2回転に 3フリップ+オイラー+3サルコウ、3ループ+2アクセルはきれい。007のテーマで踏んでいくステップがなかなか見せる。クリムキンイーグルやハイドロの得意のコレオ、滑らかに3トウを入れて、最後のスピンはキックで出てフィニッシュ。

杉山匠海 SP:71.68(15) FS:130.96(16) Total:202.64(16)
 バッハ「G線上のアリア」/「Mechanisms」♪ 黒にストーンでライン。冒頭のアクセルでパンクしたが、両手上げ3フリップ+2トウを下りて落ち着き、3ループ、両手上げ2アクセルと決める。キャメル姿勢でキャッチした足を高く上げる姿勢で歓声、イリュージョンできれいに出る。Y字スパイラルやイナバウアーのコレオ、後半は両手上げで3フリップ+オイラー+3サルコウ、3ルッツ+3トウと決めてきた。最後のスピンもY字姿勢が見事、柔軟性を活かしている。

本田ルーカス剛史 SP:73.58(14) FS:144.04(10) Total:217.62(10)
 「エクソジェネシス交響曲第3番」ミューズ♪ ブルーの左肩に赤。3アクセルを下り、4トウはフリーフットがついてしまった。3フリップの着氷が柔らかい。3ループ+2アクセル+2トウ、後半3ルッツ+3トウ、最後の3ループに2トウまで付けた。
 大きなバレエジャンプから入るコレオシークエンス、スピンで見せるY字姿勢、ジャッジ前でのポーズを入れながら思いを込めて踏んでいったステップ。
 来季からペアに専念するので、シングルとしては最後の全日本でシーズンベスト。キス&クライで涙した。

周藤集 SP:74.61(13)
 右足首の怪我のため棄権

<G3>
櫛田一樹 SP:75.54(12) FS:128.73(18) Total:204.27(15)
 「Land of All」♪ 黒で斜めにストーン。膝をついたポジションから動き出す。4トウ、跳んだ! 3アクセルはなんとかオイラー+3サルコウに繋げる。3フリップで転倒したが、3アクセル、3ルッツ+3トウを後半に。ループが1回転になっても2アクセルをつける。曲が強くなってくる終盤、力強い動きで表現するコレオ、スピンをスライディングで出て、びしっと振付を決めてフィニッシュ。
 キス&クライでは「KUSSY」のタオルをコーチが見せる。最後の全日本でいい演技。

島田高志郎 SP:76.57(11) FS:139.40(12) Total:215.97(11)
 サン‐サーンス「死の舞踏」♪ 黒。振付はステファン・ランビエール。ピアノだけのアレンジで、音に合わせる動きの面白さ。冒頭の4サルコウが抜けて1回転になってしまった。4トウはなんとか、3アクセル+3トウでバランスを崩し手をつく。3フリップ+オイラー+3サルコウ、3ルッツ+2アクセルと微妙な乱れが続いてしまい、、、
 ぴんと足が伸びたキャメルスピンの姿勢、随所に見せる独特の動き、特にコレオの直線的な動きがユニーク。少しだけ音に遅れてスピンで終わった。

三宅星南 SP:77.16(10) FS:148.96(9) Total:226.12(9)
 「A Question of Honour(Radio Mix)」♪ ブルーの胸に金の薔薇。冒頭の4サルコウ、両手をついたが立つ。3アクセル+2トウ、3アクセル+オイラー+2サルコウと頑張る。フライングキャメルスピンの回転が速い! イナバウアーからのコレオ、後半も3ルッツ+2トウ、3ルッツ、最後に3フリップまで跳びきった。
 女性ボーカルのアリアで大きく一歩を伸ばしながらステップ、終わって両腕を突き上げた。

中村俊介 SP:80.16(9) FS:127.54(19) Total:207.70(14)
 「ナザレの子」♪ グレーにゴールドのストーン。4トウ、こらえて立った。3アクセル転倒、3ルッツ+オイラー+3サルコウを決める。3ループ、3フリップあたりは安定。スライディングやイーグルのコレオ、ここで3アクセルに再挑戦したがまた転倒で+REPになってしまった。その後3ルッツ+3トウを決めたのは偉い。
 さすがにステップシークエンスと最後のスピンは疲れが見えたような

吉岡希 SP:85.27(8) FS:164.11(8) Total:249.38(8)
 「パイレーツ・オブ・カリビアン」♪ シャツに茶色系ベスト、ブーツ。昨季からのプログラムで、4トウ+3トウを見事に決める。単独4トウ決まり、3アクセルはややこらえたか。3ループでちょっとステップアウトしたが、3アクセル+オイラー+2サルコウなども入る。
 スケートが以前より伸びるようになって、安定感が大きくアップ。

壷井達也 SP:85.85(7) FS:166.49(7) Total:252.34(7)
 「High Strung」♪ 黒。振付はマッシモ・スカリ。4サルコウ、ややステップアウトで立つ。次の4サルコウに2トウを続けた。3アクセル+オイラー+3サルコウも入る。ややゆったりしたパートで丁寧にステップ、後半も3アクセル、3ルッツ+3トウが見事。
 勢いをつけてスライディングやイーグル連続のコレオ、しっかり盛り上げてフィニッシュ。いい笑顔 シーズンベスト更新でコーチたちも大喜び。

<G4>
友野一希 SP:86.88(6) FS:184.64(5) Total:271.52(6)
 「Halston」♪ 黒。ピアノの静かな音の中で、4トウ+2トウ、決まった!2本目の4トウは片手つきでなんとか。4サルコウ、くるくるターンからの3ループと順調。3アクセル+オイラー+3サルコウ、単独3アクセル、しっかり決めた
 スピンの姿勢がさらに美しくなっている。音を一つ一つ拾っていくステップ、ぐっと感情を前に出すコレオが真骨頂。
 シーズンベスト更新に、キス&クライで振付のミーシャ・ジーも満足げ。

佐藤駿 SP:89.80(5) FS:183.24(6) Total:273.04(5)
 ヴィヴァルディ「四季」♪ 紫に模様。振付はギョーム・シゼロン。4ルッツ、鮮やか 3アクセル+オイラー+3サルコウ、少しふらつく。4トウ+3トウ、2本目の4トウの見事さ。スピンの始まりに小鳥の声で夏が始まる。3アクセル、やや傾いたが大丈夫。3ループ+2トウはほぼステップ並みに軽く、最後の3ルッツはなんとか抑えた。
 シットスピンをスライディングで出て、ステップからコレオへの流れ、短いイーグルを繋げていく。終わって拳を突き出した。

三浦佳生 SP:93.91(4) FS:186.17(4) Total:280.08(4)
 「進撃の巨人」♪ 白に黒ライン。振付はシェイ=リーン・ボーン。3アクセル+オイラー+3サルコウから入り、4トウ下り、4サルコウはステップアウトで耐える。スローパートで3アクセル、悲しみの感情を表しながらステップ。また強い曲調で4トウ+3トウ 3ループ+2アクセル、3フリップと跳びきる。
 シットスピンをキックで出ると、疾走していくコレオは大きなイーグルから空中キック、最後のスピンまで迫力満点。怒りの表情でジャッジに迫ってフィニッシュ。
 得点に声を上げて喜ぶ

鍵山優真 SP:93.94(3) FS:198.16(1) Total:292.10(2)
 「Rain, In Your Black Eyes」♪ 濃紺。静かに滑り出し、浮き上がるような4サルコウ。4トウ+オイラー+3サルコウ、3ループとさりげないほど。フライング足替えシットスピンはやる人があまりいないような。
 3アクセル+2アクセルは下りてイーグルに。単独3アクセルを決め、3ルッツ+3トウも入る。大きくカーブを描くイナバウアーの美しいこと 3フリップを下りてホップからじわじわと激しさを増すステップ、その動きに目を瞠る。感動のプログラムに、フィギュアスケートの未来が輝く
 コストナーさんが大きなハグで出迎えた。ここでトップに立ち、表彰台確定。

山本草太 SP:94.58(2) FS:192.42(3) Total:287.00(3)
 「エクソジェネシス交響曲第3番」♪ ブルーのVネック。ゆったりと滑り出し、4サルコウ、4トウ+3トウ、4トウと危なげなく決める 3アクセル+オイラー+3サルコウも入る。後半3アクセルを下りてガッツポーズ、イナバウアーからイーグルの雄大なコレオ。さらに3フリップ+2アクセル、3ルッツを下りるとまたガッツポーズが出た。
 イリュージョンで入るシットスピンの回転が速い。力強くステップ、スピンでフィニッシュ。
 技術点はトップ、2位につけて初めての表彰台確定

宇野昌磨 SP:104.69(1) FS:193.35(2) Total:298.04(1)
 「Timelapse」「Spiegel im Spiegel」♪ 黒にカラーストーン。4ループはステップアウトしたが、4フリップ、3アクセル+2アクセルと入った。3アクセル単独は下りてイーグルに。ステップシークエンスはやはり一見の価値がある。
 後半4トウ+2トウ、単独4トウは右手くるりで巧く抑え、最後の3サルコウもきっちり。シットスピンをジャンプで出て、静かな曲調で胸に迫るコレオ。もう見慣れているが、スピンも本当に上手くなった。
 終わって「セーフ」の身振りに笑い 得点はループとトウのqで少し伸びきれなかったが、トップを守った。

 結果、優勝は本田武史・羽生結弦と並ぶ6度目となった宇野昌磨、2位鍵山優真、3位山本草太。4位三浦佳生、5位佐藤駿、6位友野一希。フリー最終グループの6人は全員6位以内を守った形だ。
 7位壷井達也、8位吉岡希、9位三宅星南、10位本田ルーカス剛史。11位島田高志郎、12位片伊勢武アミン。
 ジュニア勢で最高順位は中村俊介の14位、次は中田璃士の17位だった。

 どの選手も非常にいい演技をしてくれて、ものすごく見ごたえがある男子フリーだった。多少のミスがあっても、グダグダになる選手がいなかったので、ずっといい流れが続いたのだと思う。
 選手の皆さん、コーチたちも、お疲れ様。ありがとう
 


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