数年ぶりにCD紹介を書く。(そんなに書いてなかったことに愕然としつつ、、、)
蘇永康の北京語新譜「28」。タイトルの意味は、1985年に芸能界入りして満28年になったこと。2011年「和那誰的」以来3年ぶりの新譜リリースだ。
香港製作で7曲北京語・3曲広東語という構成になっている。私は彼の広東語の発音と響きが好きなので、北京語曲及びアルバムには少し点が辛くなってしまいがち さて、どうかな?
蘇永康の北京語は、この世代の香港人としては比較的上手いと言われている。数年間だがシンガポール華人と結婚していたので、北京語を日常的に話していた時期もあった。
1曲目を聴き始めたとき、「さすがにあの頃ほどの発音じゃないか…」という気もした。しかし、聴いているうちに耳になじんで、曲そのものに引き込まれていく。
ゆったりしたバラードは、丁寧に歌いつつ伸びやか。声が途切れる瞬間の息づかいも音楽の要素。蘇永康のバリトンを十分に引き出す音域とメロディ、いい曲を書いてもらってる
アコースティックギターに乗っていくフォーク調「有愁必抱」は方大同(カリル・フォン)の曲。2009年に「So I Say」を提供されたときは、方大同の世界を壊さないように頑張ってた感があったが、今回は蘇永康の世界との間で巧く折り合いがついた。ほどよく甘く響く声で大人の味わい。
自身の作曲「我的偶像」は林夕が詞を書いた。偶像=アイドルとは、つまり今年結婚する彼女のこと ライブなどで歌う欧米の曲のエッセンスが感じられる。自分の好きなメロディを書くとこうなるのね
もう1曲林夕が詞を書いた「分手天才」は雷頌徳(マーク・ロイ)の作曲。バラードだけど、端々に蘇永康独特のグルーヴ感が出る。
3曲の広東語曲の最初は、昨年没後20年だった陳百強(ダニー・チャン)の「有了你」をモチーフに、雷頌徳が新たなメロディを加えて作ったオマージュ。懐かしいフレーズと、蘇永康の堅実なボーカルが融合。
藍奕邦(ポン・ナン)提供の「潮流」は、エコーをかけたミキシングが清涼感を与えている。強い絆を信じる歌詞も印象に残って、チャートでは1位まで上がった。
最後を締めるのは先行オンエアでヒットした「某某」。語りかけるような広東語ボーカルは、蘇永康の真骨頂だ。
ミュージシャンクレジットに長年おなじみの名前を見ると、それもまた嬉しい。ギターには倪方來、Joey Tang(建明)、Soh Tak Wah(蘇徳華)、コーラスにPatrick Lui(雷有暉)等々。
YouTubeで東亞唱片オフィシャルチャンネルが発信するMVにも、有名人が続々。レーベル社長でもある任賢齊(リッチー・レン)、香港のベテラン女優・呉君如(サンドラ・ン)、映画「インファナル・アフェア」等の俳優・杜汶澤(チャプマン・トー)、台湾の人気タレント・陳建洲。芸歴の長さは人脈の広さにつながっている。
パッケージは黒地の紙製。モノクロ写真の表紙を開けると1曲目・2曲目の歌詞があり、左に開くと3曲目・4曲目、真ん中の5曲目・6曲目の次は右に開くとまた真ん中に7曲目・8曲目があり、最後は開いた右側の9曲目・10曲目。
さらに開いたところにCDがある。開いた紙には細い山道、大きなカーブ、平原の中の一本道など、様々な“道”。CDの下には十字路。こういう凝り方も、わりと蘇永康らしい。
そしてレポート用紙に書きなぐったような、長い謝辞。自筆原稿をそのまま印刷したらしい。。。ところどころ読めない(笑) その小汚い字にまた親しみが湧いたりして
発売記念の台北ライブが6月に行われたが、行けなかった・・・無理して行けばよかったな・・・
好きな歌を歌い続けられるのが、何よりの幸せ。続けることで、若い頃には出せなかった何かが、どこかに出てくる。それは声の深みだったり、豊かさだったり、包容力だったりする。
蘇永康が、やはり蘇永康であることを再確認した「28」。iTunesでも買えます
まる1年以上もCD紹介を書いてなかったことに気づき唖然・・・
あまり考え込まずに、さくっと書くことを今年の目標にしよう
というわけで、久々にご紹介するのは陳柏宇(ジェイソン・チャン)の5作目「PUT ON」。この人の公式サイトは常に新譜PRモードなので、今はこのアルバム仕様(デビュー作紹介はこちら)
1983年生まれ、もう27歳になった。顔に金箔を貼ったりして、ちょっと今回はワイルドなイメージのジャケット。しかしサウンドは丁寧かつ爽やか、後味すっきり。声の響きを生かす曲とアレンジだと思う。チャートに上がっている「多此一愛」や「別怕失去」などの香港ポップスらしいメロディに加えて、少しR&Bっぽい匂いもする「關注我」あたりもほどよい。
今回はJ-popカバーが2曲。Sony香港だからなのか、カバーしているのもSony系列から、いきものがかり「Yell」(「原諒我要高飛」)と平井堅「僕は君に恋をする」(「再見不再見」)。どちらも上手くこなしている。
一方で作曲に参加しているのは「没有吻的資格」。“唱作人”流行りの香港なので、挑戦してみたかな
全体を統括するプロデューサーは特にいないようで、曲ごとにいろいろな人が関わっている。逆に自分の解釈で歌う余地が大きくなったかもしれない。ミュージシャンではコーラスの謝浩文が相性いい感じ。
というわけで、PVでじっくりどうぞ。
再見不再見
多此一愛
別怕失去
今の香港で人気実力No.1といえば陳奕迅(イーソン・チャン)だろうけれど、ちょっと違うタイプの中堅どころも必要。アジアっぽいしっとり感と北米っぽいドライ感のバランスの良さが、この人の魅力かな。所属人数の少ないSony香港の“一哥”として、着実に頑張っていってほしい
自分で曲を書くアーチストがじわじわ増えてきている香港ポップス界。曲も詞も書けばダンスの振り付けもする、強烈な新人が出てきた。
86年生まれの23歳、アメリカのコーネル大学でダンスと心理学専攻。学生時代からアカペラグループLast Callのリーダーとして、全米各地で公演するなど、音楽活動に取り組んできた。香港に戻ってから、ミュージカルに出演したり、譚詠麟(アラン・タム)&李克勤(ハッケン・リー)のコンサート「左麟右李」に参加。莫文蔚(カレン・モク)と親交があり、そのつてでプロデューサー趙増熹、作詞家林夕の支持を得る。
デビューアルバムの曲はすべて自分で作曲・アレンジ・プロデュース。広東語詞は林夕門下生の林日曦、北京語詞は林夕が手がけた。作曲協力アレンジプロデュースに趙増熹、シンガポールの唐達。
8トラックまでが、3トラックの短いアカペラを含むメインの広東語曲。後半5トラックに広東語曲の北京語版や英語版を収録。英語詞は本人が書いた。
先行オンエアの「羅茲威爾」は英語版で「Rosewell」、アメリカでドラマにもなった、UFOが着陸したといわれる場所のこと。オルタナ系のラップに宇宙人をイメージした歌詞。2ndオンエアの「1+1」は漢字だと「一加一」、きれいなメロディのR&Bバラード。北京語版「幾米」は、本来の意味「何メートル」と、「向左走向右走」「地下鐵」などで知られる台湾の絵本作家・幾米をひっかけた、林夕らしい凝った歌詞。
リリース後には「模」「南北極」のダンスチューンもオンエア。MVではしっかりダンスを披露している。
複数バージョンある曲は、バージョンごとに少しずつメロディやアレンジが違い、“使いまわし”感より表現の幅を感じる。コーラスも全部自分で入れていて、一人ゴスペラーズ状態になってくる。アカペラグループを率いていただけあって音の重ね方がよくわかっていて、包み込まれる感じが心地よい。
若くて踊れて歌えて書けて、、、ルックスは写り方に気をつければ悪くない(笑)。会社は東亞。すでに実績のある人が多く、細々面倒はみない代わりアーチストの自由にやらせる会社からデビューするだけあって、もう自立しているというか^^; すでに公式サイト・ブログ・facebook・Twitterなども自分で完備、どこからでもかかってこい!状態だ。さすがにその辺は今の若い人
今まで香港になかったタイプの“唱作人”。さて、どんなふうに受け入れられるだろうか? こんなアーチストが認められていくようだと、香港ポップスも広がりが出てくると思う。
実家の母と映画を見たあと、紀伊国屋で本やDVDをチェック。母は韓流ドラマの新作を探すが、BOX1しかないので2が出てからにするという。
たまたま見つけた桑田圭祐の「ひとり紅白歌合戦」DVDを買ってみた。古い曲から最近の曲まで、次々出てきて飽きない。ところどころ、その歌手の雰囲気をたくみに真似するところがあって、知ってると笑える。
紅白だから、当然のことながら男性の曲も女性の曲もあるわけで、多少キーを変えてるにしても、どれもこれも歌いこなすのがすごい。新曲が出ない年はあっても、ライブはずっと続けている桑田、60曲歌っても声が出る。音域も思ってたより広く、実に安定している。
サザンオールスターズと桑田圭祐の人気は、楽曲の良さが大きいと思ってたけど、桑田圭祐の歌唱力も大きかったんだ~。
たっぷりDVDを楽しんで、次男にも見せてやりたいが、のんびり見てる暇がない次男。CDは、、、出てないか^^; 音源だけ取り出す方法ないかな
選んだのは「狂潮」。昨年、ドラマ主題歌をヒットさせたベテラン關菊英(スザンナ・クヮン)の往年のヒット曲で、同名ドラマの主題曲。作曲・顧嘉輝、作詞・黄霑は数々のヒット曲を送り出してきたコンビだ。
試聴はこちらとこちらで。ゆったりしたメロディーが美しい
カバーアルバムタイトルは「Timeless」。「可啦思刻」(ke3 la1 si1 ke4 クラシックの音訳?)というサブタイトルがついている。
スティービー・ワンダー、マイケル・ジャクソン、レイ・チャールズ、エリック・クラプトン、、、方大同が敬愛する音楽人たちの不滅の名曲がずらり。王菲(フェイ・ウォン)「紅豆」改め「Red Bean」は先行オンエア中。
方大同という才能が、香港の音楽界にいる。なんと幸せなことだろうか
昨年の春、ミニライブ&トークショーに行ったのがついこの間のようだが、約1年半ぶりの新譜が発売になる曹格(ゲイリー・チョウorツァオ)。こちらのブログで知りました
4枚目のアルバムなので4thがタイトルに入っているが、何て読むんだ? と思ったら、どうやら4=四≒市で、超級市場=supermarketという意味がかかってるらしい。1stアルバム「格格Blue」には「Superwoman」収録、2nd「Superman」、3rd「Super Sunshine」と“スーパー”で通しているわけだ
台湾での発売は6月19日。先行オンエアが始まっている。
昨年できちゃった婚で男の子が生まれ、プライベートでは幸せ状態のゲイリー。家族と過ごす時間を確保するために、新譜発売を延ばしていたそうだ。9ヶ月で12キロのJoeくん、すくすく育ってる おむつも替えればミルクも飲ませ、しっかりパパしてるとか。詳しくは→ Hitoradioインタビュー
ロックレコードジャパンから、早くも日本版発売が決まっている。詳しくはこちら。日本版のほうが音がいいのはわかってるけど、9月まで待って・・・られません
さて、どこでどうオーダーしようか(送料その他でお得になる組み合わせ考え中)
<追記>
YesAsia.comにも発売情報出ました
めっちゃカッコいい「さくらさくら」発見
「徹子の部屋」で原信夫がニューポートジャズフェスティバルによばれたときの話をしていた。「全部日本の曲を持っていったんですよ、『さくらさくら』とか『梅が枝の手水鉢』とか。みんな喜んでましたよ、そんなの聴いたことないから」
ライブDVDをチェックしてたら「Sharps & Flats In Newport」のリイシューがあった。試聴してみたら、、、カッコいい・・・
これを生で聴いた観客は一生忘れないだろう。初めて聴く日本の民謡や伝統音楽のメロディが、モダンでグルーブ感いっぱいの音に乗ってくるんだから。
オリジナルは1967年発売。日本のバンドがこんなにすごかったなんて、知らなかったなぁ
リイシュー盤がたくさん出てるけど、これは買いだな
久しぶりにHMV Hong Kongのサイトをのぞいたら、こんなものが~~~!
陳奐仁HANJIN TAN「RAW JAZZ」
試聴してみたら、マジでジャズだ めっちゃ上手い!
陳奐仁は、中華圏のポップス界で作曲・編曲・プロデュースをバリバリこなすほか、コーラスやラップで多くのアーティストと共演。「自分でももっと歌えばいいのに~」とファンに切望される。私は陳奕迅(イーソン・チャン)のコンサートで歌うのを生で聴いたが、上手かった!!
ソロで歌ったのがCDに収録されたのは、たぶん「自作自樂Demo Project Ⅱ」のみ。くわしくはこちら
バレンタインデーにインストアライブをやったらしい。。。上手い。。。そしてカワイイ。。。そのぽっちゃり具合が(爆)
声でコルネットの真似とか、上手すぎます
発売予定は3月20日ということでちょっと先だが、楽しみ
セットでお買い得?!な「優秀男聲」。1枚ずつのCDをくっつけてパックしてあるのかと思ったら、こうなってました。。。
扈佳榮の側の表紙「ALEX WU THE NEW MAN」
王凱駿の側の表紙「Who Knows Keith」
下のほうは帯で留められている。厚紙2枚張り合わせて3つ折にした構造。
扈佳榮の側から開いたところ。右側が王凱駿の側の表紙になる。
真ん中のリボンをかけた箱の写真が、歌詞カード。開くと・・・
こんな感じ。
王凱駿の側から開いたところ。右側が扈佳榮の側の表紙。
真ん中の黄緑色の人物の写真が歌詞カード。開くと・・・
こんな感じ。
こういうパッケージ、普通に1枚ずつプラスチックケースで作るより安上がりなんだろうか、、、?(あとでDVDなどのおまけを付けて、1枚ずつ売り出す予定はある?)
おっと、中身も紹介せねば(笑)まずは扈佳榮(アレックス・ウー)「THE NEW MAN」から。
いきなり「ゆっまんゆっそんさーむ」とよく知ってるフレーズが、、、98年の大ヒット曲、蘇永康(ウィリアム・ソー)の「越吻越傷心」のサビ。カバー?と思いきや、サビのフレーズだけいただいて新しいメロディをつけた新曲「越問越傷心」なのだ。作曲はシンガーソングライターとして最近活躍が目立つKenix Cheang。面白い手を考えついたものだ(あまり何度も使えないけど^^;)。Joey TangやPatrick Luiなど“オリジナル”のライブバンドメンバーが参加しているのも一興。
MVの白い犬が可愛い「個體戸」や「男人的故事」、K-popカバーの「4號影院」のようなフォーク調の曲は、クリアな声の天性の甘さを引き立てる。一方チャールストン風、ラップも入って今風な「我没有錢」(これもK-popカバー)もさくっとこなして芸達者。一昔前なら草[虫孟](グラスホッパー)が歌いそうなダンスチューン「WHAT'S UP」もいける。アップテンポの曲としては丁寧に歌いすぎかもしれないが^^;
声質の線は細いが、フレーズのまとまりをしっかり一息で歌えるので弱々しい感じはない。軽くファルセットになるくらいの音域が得意なようだ。アメリカ育ちのわりには広東語の発音の切れはよく、-nと-ng、短母音と長母音の区別がわかりやすい。
スタッフは最近活躍し始めた若手が中心。曲調が珍しいわけではないが、新鮮な印象はある。
続いて王凱駿(キース・ウォン)「Who Knows Keith」。こちらは自作曲「天知道」を含めてフォークロックが中心。バンド系の音に合う声だ。「大儍」や「天知道remix」のようなアコースティック系バラードも丁寧に聴かせる。
スタッフはけっこう大物がそろっていて、ギターにJoey TangやDanny Leung、ベースに何俊傑や細威、コーラスに音楽評論家としても活躍する柳重言や、自身も歌手だったUku Pangなど。ピアノにRubberBandの藝琛、作曲に徐繼宗、プロデューサーには劉志遠の名前もある。
しかし、ちょっと気になることが・・・。7トラックのうち4トラックは、かなり前の録音と思われるのだ。「天知道」は2006年10月7日の香港電台「中文歌曲龍虎榜」で18位に入っている。「紅雨」「縁崖」は2007年7月と9月にYouTubeにUPされ、「兵捉賊」にいたっては2005年12月21日のTVB「勁歌金曲」で、「下週挑戰歌」(来週のチャレンジソング)に入れられている。。。
新たに録音し直しているかもしれないが(remixは新録音だと思うが)、2004年に新秀歌唱大賽で優勝して契約後、この曲数しか録音に至ってないということは、、、上層部はこの人の売り出し方に迷いがあったのかな?という感じがする。
両方を聴いてからデュエット曲「拉鋸戰」(扈佳榮のアルバムに収録)をあらためて聴くと、、、ちょっと王凱駿が損してるかも。K-popカバーのメロディラインは扈佳榮の声の甘さや伸びのよさを目立たせてしまう。王凱駿も負けずに柔らかさを出そうとしていて、この組み合わせは彼の新しい側面を引き出そうという意図もあるんだろうが、比べると下手に聴こえてしまうような 王凱駿のアルバムに収録しなくて正解だった?!
ともかく、アルバムリリースという形で完全なデビューを果たした二人。大スターを抱える大所帯EEGの中で、自分のペースがつかめるか。扈佳榮はいろいろできそうなだけに器用貧乏になるおそれも^^; でも、プロデューサーだったらあれこれやらせてみたくなりそう♪ 王凱駿は逆にワンパターンになりがちかもしれないが、手作り感のあるサウンドをスタイルにしていく? どちらもあせらずに頑張ってほしい
昨年デビューCDリリース予定と聞いていたのに、結局発売されずに待ちぼうけだった扈佳榮(アレックス・ウー)が、ようやくリリースした。が、、、
先輩・王凱駿(キース・ウォン)のCDとセットになっている(商品名は「優秀男聲」)。扈佳榮のCDは王凱駿とのデュエット曲を含めて11曲、王凱駿のCDはリミックスを含めて7曲。7曲でもMVの2曲もつければ十分デビューCDとして通用するから、それぞれソロのCDとして出しても全然問題ないだろうに
勝手に推測すると、このへんは“会社の事情”かもしれない。2008年度にEEGが強力にプッシュした新人は陳偉霆(ウィリアム・チャン)(その甲斐あって新人賞をいくつも獲得)。扈佳榮たちは後回しになったわけだ。そして、一人ずつではちょっと弱いと判断されたのかも。デュエット曲を出して、そのプロモで何かと2人セットでイベントなどに出ていたのは、CDもセットで出すことをすでに決定していた?
実は、王凱駿が英皇新秀歌唱大賽(香港予選)で金咪大奬を獲得、香港代表として全球華人でも銅奬になったのは2004年。2005年出場の泳兒(ヴィンシー)や鍾舒漫(シャーマン・チョン)より先輩にあたる。今まで何曲かオンエアもあるのだが、なぜか正式なデビューに至っていなかった。
王凱駿は2005年の十一狂潮Cyber Liveにも出演していた。Acousticのコーナーで、いっしょに出ていたのは呉日言(ヤン・ン)や梁雨恩(キャシー・リョン)、劉日曦(アレックス・ラウ)。4人ともとりあえずちゃんと歌えてるという感じ^^; 王凱駿はちょっと肩に力が入ってるように見える。
次々後輩がデビューして売れていく中で、さすがに会社もなんとかしなくちゃと思った? 新秀は必ずしも優勝者が売れるとは限らないのがジンクスとはいえ・・・
後輩の扈佳榮のほうは、デュエット曲を歌ったり、一緒にプロモを回ったり、ついでにCDもセットにされたりすることに、どんな感情を持っているんだろう。会社の方針だし、CDデビューできることが何より大事だから、あまり考えずに従っているというところか。(実際、まだソロデビューさせてもらってない所属歌手は何人もいるわけで、自分のCDが出るということ自体、かなり幸運と思っているかも)
お値段的には2枚で1枚分くらいなのでお買い得といえる。はたしてこの作戦は成功するのか 仮にこれが売れたとして、次はうまく“ピン”で売り出せるか?
出来がどの程度なのか、早く聴きたい
来週の今頃は、「SO I SING 08 LIVE」を聴いているかな
李克勤(ハッケン・リー)や許志安(アンディ・ホイ)など、同世代の歌手仲間も相次いでリリースの模様(こちらとこちら)。
私が今気になってるのは梁靜茹(フィッシュ・リョンorジャスミン・リャン)の新譜。曹格(ゲイリー・ツァオorチョウ)とのデュエットがボーナスCDで付いてくるらしい。
クーポンが切れる前にまた注文することになるわ
今日のところは、昨日着いた方大同(カリウ・フォン)の「橙月」、聴こうっと(王力宏は後回し^^;)
「SO I SING 08 LIVE」コンサートレポが、こちらのファンサイトにUPされてますのでご参照くださいませ
こんな幸せが、千数百円で買えてしまっていいんだろうか、、、
2003年の「笑下去」以来、5年ぶりの広東語アルバム。昨年「金牌醇音樂」が出た頃、プロデューサーの雷頌徳(マーク・ロイ)が「今年、蘇永康は広東語ポップス史上最高のアルバムを出すよ」と言って期待させてくれたのだが、それが今、ここにある。(と言ってもいいと思う)
全体に、派手なつくりの音ではない。しかし選びぬかれた、磨きこまれた音に、蘇永康の声がゆったりと乗っていく。昔のほうが“熱唱”してたかもしれないが、今はあまり頑張りすぎずに自然に歌う。それでいて力強さがあり、ひとつひとつの音を大切に発していく繊細さを併せ持つ。
1曲目は今香港で最も売れているシンガーソングライターのひとり、方大同(カリウ・フォン)提供の「So I Say」。ほどよくファンキーなメロが軽やか。#2「Yes I Do」は大陸の歌手・羅中旭の同名曲のカバー。オリジナルは消えない失恋の痛みを歌うが、康仔は愛する人に誓いの歌。「結婚を考えているなら友達でいよう。結婚しなくていいならつきあって」と告白して交際が始まった彼女に、これ以上はない贈り物
#3も結婚に懐疑的になってる蘇永康の気持ちを代弁するような「婚戒」。先行オンエアの#4「紅顔知己」、紅顔=美しい人、知己=自分をよくわかってくれる人。ただの色恋じゃない、かけがえのない女性に出会えた喜びが林夕の詞で歌われる。李偲菘のメロディは、静かに始まってサビの転換が渋い。康仔ならではの曲になっている。
#5、#6はシンガポールのシンガー・作曲家・プロデューサーで、テレビ局幹部を務めたりファッション関係の仕事もするマルチタレント、Dick Leeの提供。日本の中華芸能ファンには張國榮(レスリー・チャン)の「追」を作曲した人として有名かな?
思わずステップを踏みたくなる「飛人生活」のグルーブ感、Dickも参加するコーラスがカッコいい。アウトロのセリフ“The place I love the most? Hong Kong”この一言を聞いた香港のファンは、“お帰り”と言っただろうか。「黑色禮服」はファッションが道楽の康仔にぴったり? グノーのアヴェ・マリア伴奏ことバッハの前奏曲をモチーフにしたイントロから、しっとりと聴かせてくれる。
#8「汗香」は雷頌徳のジャズ・サンバ。Eugene PaoのギターとTed Loのキーボードは大人の色気。#9「蒲界耶蘇」は側田(ジャスティン)作曲でコーラスにも参加。昔、夜遊びが好きなことで有名だった(?!)康仔が若い頃を振り返ってるみたいな黄偉文の詞はちょっと笑える
#10「普洱茶」は倫永亮(アンソニー・ロン)作曲で、今年6月に発売された北京語アルバム「擁抱」収録の「天大地大」のセルフカバー。年を経て味がよくなりビンテージとなる普洱茶(プーアール茶)に、故郷や家族の変わらない深い愛をなぞらえる。意外にも、倫永亮の曲は「生命色彩」(93年)収録の「戀愛實験」以来。
ミュージシャンには昔なじみの鄧建明(Joey Teng)や、ベテランのJohn Laudonの名前も。今年金牌からデビューした新星バンド・RubberBandのメンバー藝琛もアレンジとキーボードで参加している。
このアルバムをレビューしている香港人男性のブログがあった。
“スローな曲は最初に聴いたとき平淡に感じた。聴いたらすぐ口ずさみたくなるような、強い印象を残すタイプの曲ではない。中国茶を飲むときのように、時間をかけてじっくり聴くと、情感や成熟した味わいがわかってくる。”
たまに参加する中国茶会で飲むお茶。種類にもよるが、一煎目、二煎目と少しずつ味わいが変わっていくのが楽しめる。そのたとえはすごくよくわかる。
初めて聴いたときは、進級して新しいクラスの教室に初めて入ったときのような、これから知り合っていく級友たちに、少し遠慮しながら挨拶したような。何度目かに、あえてシャッフルモードで曲順ばらばらで聴いたときは、少し馴染んだ級友と街中でばったり会って、教室とは違う顔を見たような。聴くたびに、新しい発見をして、より親しくなっていけるような。そんな気持ちになる。
年齢を重ねて声が変わり、思うように歌えなくなる歌手もいるかもしれない。蘇永康は年齢を重ね、経験を積んで、より豊かでより深い声を自然に思うままに出し、自分の愛する音楽を体現できる歌手になっていた。
・・・千数百円でそれが好きなだけ味わえます 幸せ
<追記>
#7「伴變」について触れてなかった^^;
最初に聴いたときはあまり印象が残らなかったんだけど、何度か聴いたあと、ふとサビのメロディが浮かんできた。それがいい感じだった。
北京語新譜「擁抱」もDVD付の2ndバージョンが出ています。