龍馬精神 如意吉祥
生意興隆 学業進歩
青春常駐 出入平安
皆さんはCDをどこで購入するだろうか。家の近くや通勤・通学で通る駅前のCD屋? DVDを借りるついでにT○○TAY○で? 大型チェーン店まで出かける? もっぱらネットで? どこで買うにしても、日本のレコード会社から発売された同じCD(新品で発売から一定期間以内)なら、原則として値段は同じだ(ネットの場合は少し違うこともあるが、2割も3割も違うわけではない)。どこで買うかを決める基準は、便利だからとか、その店のポイントを貯めているからとか、品揃えがいいとか、たくさん試聴できるとか、、、じゃないだろうか。どこで買っても価格が同じであることを、日本では普通のこととして受け入れている。
ところが、香港ではCDの価格は店の路線価(?!)に比例する。目抜き通りの大型店より、雑居ビルの小さな店は間違いなく2割は安い(日本における喫茶店のコーヒーの値段のようなものだ)。CD屋が集まる地域は特に安く、旺角と湾仔はその代表。有名なオタクビル、旺角の信和中心と湾仔の東方188商場は新品CD屋も中古CD屋も集まっていてすご~く便利。そういう安い店ではクレジットカードが使えなかったり、使えても手数料を取られるとか一定金額以上の買い物が必要だったりするが、大型店で120ドルのものが85ドルなんてことはざらにある。
「そんなに安いんじゃ、海賊盤なんじゃないの?」と心配される方もあるかもしれないが、音楽CDだけを売っている店ならほぼ100%大丈夫。大型店との違いがあるとしたら、大型店はパッケージの上にもう1枚ビニール袋に入れてあって商品がきれい。あとはポスターが無料でもらえるかな?(ポスターがもらえる商品を大型店で買ったことがないのでわからないが^^;) 激安店ではポスター+3ドルとか5ドルというところが多い(商品によっては無料でくれる。もらっても困ることもある^^;)。
ごくまれに大型店と激安店で同じ価格になるのは、メーカーが指定した価格で売るように印刷したりシールを貼ったりして出荷してくる商品(宣伝費をしっかり使って大型店に損をさせないようにしているものと思われる)。また、大型店ではときどき在庫一掃セールをやるが、セール価格になった商品は激安店の半額程度のこともあるので要チェック。何を買っても激安店が得とは限らないのだ。
北京でも店によって価格は違い、やはり外国人も来るような友誼商店やデパートは高め、書店やスーパーはいくらか安かった。街中の“音像店”だと正規盤を見つけるのに苦労するが、見つかればお得。海賊盤対策として20元程度で発売される正規盤(たいていは売れ筋の大陸歌手、帯に定価が印刷されている)もあった。当たり前だけど、香港などからの直輸入盤はものすごく高くて、150元くらいだった・・・(うちに来てたハウスキーパーさんの月給が1000元もしないのに)
日本だと、再販制度適用期間(2年くらい)を過ぎた商品は安くなることが多いと思うが、香港だと需給関係がそのまま価格に反映されるので、逆に発売時より高く売っていることも珍しくない。
以上、「CD価格がどこでも同じなのは日本だけかも」という話でした。
「梁山泊與祝英台」という中国伝統の物語がある。東晋(317年~420年、今の南京に都をおいた王朝)の浙江に祝英台という娘がいた。女性が学校に入ることを許されなかったため、男装して杭州の学校へ。会稽から来た学生、梁山泊と親しくなる。3年間共に学ぶが、梁山泊は祝英台が女だと気づかない。学業半ばで故郷に帰った祝英台を2年後に訪ねて初めて女だと知り、梁山泊は結婚を申し込むが、すでに嫁ぎ先が決まっていた。(この時代、もちろん親の意向で決められたことだろう。)悲しみのあまり死んでしまった梁山泊の墓のそばを祝英台の花嫁行列が通りかかかったとき、突然大風が吹き、墓が割れた。祝英台は自ら墓の中にとびこみ、梁山泊と共に葬られることを選ぶ。やがて墓の中から2匹のの蝶が出てきて、いっしょに飛んで行きましたとさ・・・
中国人なら誰でも知っている有名な話で、越劇(浙江・紹興あたり)・川劇(四川)・粤劇(広東)などの伝統演劇の演目にも入っている。映画にもなっていて、63年にショウ・ブラザースが黄梅調(歌あり踊りありの伝統演劇をそのまま映画にする手法)映画で制作。最近では94年の徐克(ツィ・ハーク)監督、呉奇隆、楊采[女尼]主演の「梁祝」がよく知られている。03年にはアニメも作られ、蕭亞軒、劉若英、呉宗憲が声を担当したそうだ。(以上は維基百科を参考にしました)
昨年、この題材を現代に置き換えたロック調のミュージカル「梁祝下世傳奇」が上演され、その主役を何韻詩(デニス・ホー)と周國賢(エンディ・チャウ)が演じた(でも何韻詩の役は祝英台じゃないらしい)。このアルバムは、そのミュージカルをコンセプトに作られている。それでイントロが「蛹(さなぎ)」アウトロが「蝴蝶結(蝶結び)」と、各曲のタイトルもストーリーを踏まえたものになっている。ピアノだけでドラマチックに物語の幕を開ける「化蝶」、歌謡曲調の曲で色っぽく迫る「不是吟詩的時候」、力強いロックの「長不大」、ヒットした「汽水樽裡的珈琲(ソーダ瓶の中のコーヒー)」はどこかトランスジェンダーを仄めかす歌詞だ。「十八相送」は伝統演劇「梁祝」の名場面の一つで、梁山泊が祝英台を送ってゆくシーン。歌詞の内容もそれに合わせて、家まで送っても別れがたい二人の話。「勞斯・莱斯」は男同士の恋愛を示唆する歌詞(黄偉文作詞)だが、TVBのMVではさすがにそのままの内容では放送に問題があると思われたのか、男の子とボーイッシュな女の子の話になっていた。伝統楽器の笛を使った、メロディの美しいこの曲は、2005年度十大勁歌金曲の一つに選ばれた。ちなみに勞斯莱斯はRolls-Royceの音訳。
ロックのサウンドにオーケストラやストリングスをからませたテンポの速い曲があるかと思えば、ピアノ一台のバラードや軽いジャズ風と、いろいろなタイプの曲調をしっかり歌いこなしている。新人の頃から独特の風格がある子だったけど、ますます貫禄が出てきて、安心して聴いていられる。96年の新秀で優勝したところは見てないが、梅艶芳に可愛がられていたようだ(ちょっとボーイッシュなところ―イメージも性格も―アニタに似てるかも)。梅艶芳の最後のコンサートでは、草[虫孟]や許志安たちと一緒にゲストで出て、ステージ狭しと走り回っていた。2004年の7月から約半年間、それまでずっと録画だったのを全て生放送することにして話題になったTVB勁歌金曲の司会を務めた。
一昨年、EMIから東亞に移籍後、制作に自身が深く関わるようになって、より彼女らしさを出せるようになった気がする。これからもっと人気が出てもいいと思う。
梁祝下世傳奇 @YesAsia.com
李崗霖(アレックス・リー)のデビューアルバム。試聴もせずに買ったがジャケ買いではない(そんなにイケメンでもない^^;)。淡水の古跡でのイベントで蘇永康といっしょになった時、「憧れの蘇永康を目の前で聴けて嬉しい」とコメントしたのを読んで、蘇永康に憧れる子がどんな歌を歌うのか、聴いてみなくちゃ!と思って、買ってみた。
1曲目の最初の一声から、蘇永康が好きというのがわかる気がした。なんか、息づかいが似ているような・・・。やや濁りが入ってる声だがそれが却って魅力。韓国ポップスのカバーが6曲。自作曲3曲、ロック系女性アーチスト趙之璧の名前もある(懐かしい・・・元気かしら)。メインのプロデューサーは中華系でアレンジは韓国人、ソウルと台北で録音。全体にK-POPっぽい雰囲気があるが、韓国人が韓国語で歌ったらくどくなりそうな曲も、すっきりと気持ちよく聴ける。聞きとりやすい北京語の発音がすんなりと歌詞の世界をイメージさせてくれる。歌い方は案外、日本のバンドのリードボーカルにありそうな感じかも。(それでなんとなく親しみが持てるのかな?)
最後にアルバムタイトル曲のピアノ演奏(カラオケではない)が入っている。なんと演奏しているのは、韓国の有名なプロデューサー、キム・ヒョンソク。私がK-POPで一番好きなソン・シギョンのプロデューサーだ。より良い音を求めて、音楽人はひょいひょい国境を越えていく。これからもこういったコラボレーションは増えていくだろう。
次もこんな雰囲気でいくのか、また違うイメージを出していくのか。順調に伸びて欲しいと思う新人がまた出てきた。
祈祷 @YesAsia.com