いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

こじきの眼差し。

2004年08月08日 08時10分36秒 | インド
いか@ インドを思い出す。


 インド旅行記には必ず「こじき」の記述がある。ただし、なぜか「こじき」とは言わず、物乞いなどという。それらの旅行記の落ちはたいてい「こじきのあげるもあげないも本人の意思」となっていることが多い。「私はこじきに求められると、幸い外国ぢ・インドに来るような恵まれた境遇なので、必ずなにがしかを差し上げることにしています」というのは見たことがない。中にはインド政府の貧民政策はどうなっているんだ!という極めて安易な持っていき方をしている文章もweb siteで見たことがある。

 さて、この写真の女性、おいらが、日曜日の人影少ないコンノートプレースを歩いていると、ずーっとつきまとい物乞いをしてきた人である。まあ、最後は何かあげなきゃずーっとつきまとわれるだろうと根負けしてコインをあげることにした。ついては写真を撮らせてもらうこととして彼女の目の前にデジカメを出して、間近でシャッターを切らせてもらった。

 今改めて画像を見ると、伝統的な服装であり、伝統文化的には貧困とは言えない。この点、半端なwestern styleで伝統的風俗を失った「近代国家」の貧しさから免れていると言える。さらに、おでこにインドでよく見る「印」をつけている。これは、既婚者の印と聞いたが。確かめてはいないが。(誰か教えて)。もしそうなら、彼女は既婚者ということになる。