いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

我ら原爆受益者

2005年08月06日 14時22分36秒 | 日本事情
第二次世界大戦における米国の日本への核攻撃の正当化「理論」の最も単純なものは、原爆が戦争終結を早め、原爆が無ければ起きたであろう本土決戦での、米国兵士ばかりか日本兵士および一般市民の死者が原爆被害者数より大きくなったであろう、と考えるものである。

これは、実際には起きなかった本土決戦を想定しているので、なんとも判断がつかない。

ただし、米国の日本核攻撃が戦争を早めたのは事実であると言わざるを得ない。なぜなら、当事者の大日本帝国の皇帝がそう言っているからである。

敵ハ新ニ残虐ナル爆彈ヲ使用シテ頻ニ無辜ヲ殺傷シ慘害ノ及フ所真ニ測ルヘカラサルニ至ル而モ尚交戰ヲ繼續セムカ終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招來スルノミナラス延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ斯クノ如クムハ朕何ヲ似テカ億兆ノ赤子ヲ保シ皇祖皇宗ノ?~霊ニ謝セムヤ是レ朕カ帝國政府ヲシテ共同宣言ニ應セシムニ至レル所以ナリ


つまり、敵は新たに残虐な兵器を使って無辜を大量殺戮している。このままでは日本民族ばかりでなく人類の文明も滅びてしまうだろう。国民の命を保持するため停戦の宣言に同意した。

これは、驚くべきことではないか!? 敵が残虐だからこそ降参すると言っているのである。ここで、原爆を使うような敵は人類文明をも滅ぼしかねもの、と認識している。のに、降参するのである。人類文明をも滅ぼしかねない敵と、人類を守るために、徹底交戦するのではないのである。
たとえ日本民族が滅びようとも人類の文明を滅ぼしかねない敵を人類の名のもとに徹底排除する!と言っていないのである。果たして本土決戦なく帝国陸海軍は無条件降伏。だから、戦後日本人は命を長らえ、おいらはクーラーさ浴びてネット三昧ができるのだ。ありがとう!

残虐に屈したことこそが、戦後日本の対米従属の原点に他ならない。さらには対米従属ばかりでく、世界に対し「日本なんてのは一発かませばおとなしくドレイになるんだ。」というメッセージを発したことにもなる。

だからこそ、北朝鮮は核武装するのである。自分たちも1発かませば、ドレイ根性の日本人なんか、おゆるしください/にどとまちがいはくりかえしませんから、と土下座すると思って。


みことのりライター