8月26日の産経新聞の社説;
■【主張】TX開通 IT技術の融合にも期待
開通したばかりの東京・秋葉原と茨城・つくば市を結ぶ「つくばエクスプレス」(TX)に乗った。これまでつくば市へは出張感覚だったが、今回は最短で四十五分と、通勤感覚に変身していた。このメリットを沿線自治体や企業、住民がどう生かすか、知恵を出し合うことが重要だ。
TXは首都圏で最後の大規模鉄道になるといわれ、沿線の東京都、埼玉、千葉、茨城の各県や市区町村などが出資する第三セクター会社だ。総事業費が一兆円弱の巨大プロジェクトだけに、赤字経営が心配される。
全国的にみても、鉄道を運営する第三セクターは赤字を抱えている会社が多い。大都市圏、過疎地を問わず巨額の負債を抱え、北海道北見市の「ふるさと銀河線」のように廃止に追い込まれる路線も出ている。
こうした反省から、国と沿線自治体がそれぞれTXに無利子貸し付けをして財務負担の軽減を図った。その結果、初乗り運賃は百六十円に抑えられた。これで利用者が増えれば、地域活性化の一助となろう。
ただ、財政難に苦しむ沿線自治体にとってはリスクを伴う。TXが単年度黒字を計上するまでに、十年以上もかかるといわれるからだ。しかも、全国の第三セクターの経営はとかく甘さが指摘されている。TXは新しい経営モデルを見せてほしい。
一方で沿線の開発が促進されるというメリットがある。沿線では鉄道と開発を一体で取り組む「宅地開発・鉄道整備一体化法」が初めて適用され、大規模宅地造成が開始されつつあるが、乱開発だけは厳しく監視すべきだ。
最大のメリットは、多くの研究機関やハイテク企業が集積し、一大研究学園都市を形成しながら“陸の孤島”だったつくば市と、電気街からIT(情報技術)の拠点となりつつある秋葉原が直結したことだ。
産経新聞社は大手町にあるのだろう。目の前の東京駅から、10-20分おきに出ている、高速バスに乗れば、TXの終着駅のつくばセンターまで1時間である。大手町から秋葉原に行って、TXに乗り換えてつくばに行くのと変わらない。ましてTXの快速は30分に1本である。待ち時間を入れればバスの方が早いだろう。つくば通ならバスは高速道路でstuckするかもしれないといわれかもしれないが、社説を書く新聞社の人間ならバスの遅れの平均時間などを関東鉄道バスに取材すればよろしい。おいらの経験では遅れはほとんどない。それで産経論説士の表現が、出張感覚から通勤感覚へ、である。もっとも、霞ヶ関の記者クラブで情報の配給でメシを食っているその日常感覚からすれば、つくば行きなど出張と思えるのかもしれないが。
最後の3パラグラフが全く意味不明である。まずIT技術の川上がつくばで、川下が秋葉原電気街という事実はない。秋葉原電気街で売っているものの何がつくばの研究機関やハイテク企業を起源とするものであるのか?具体的に示して欲しい。仮に、技術の川上を担当する機関がある地域と技術の川下を担当する機関のある地域が電車で結ばれたら、技術が融合するのであろうか?もし、川上の技術者が川下の技術者に用があったら勝手に行くだろう。今だって上記のようにバスで1時間だ。そもそも技術の融合が電車で通って面談する交流なんかより、インターネットでの交流のほうがよほど効果的である。
で、この産経の論説士のでたらめな論説のからくりをささえる認識(誤認識)はこうだ;
秋葉原とつくばという「なんとなく理系」っぽい街が電車で結ばれた。だから、この電車は技術の融合に役立つはずだ。 という幼稚で凡俗で事実に基づかない連想。
つくば研究学園都市で技術の基礎研究(川上)をやっている。←大間違い。こういう認識は研究開発の直線モデルという20世紀にすでに破綻している幻想に基づく。その幻想は研究は、大学→政府研究機関→民間企業への技術移転→産業化。そんな例は現代の技術開発の主流では全くないのである。大学発の例外技術インパクトは、大見忠弘のインテルに提供した半導体製造基礎技術。 彼は日本の税金で米国企業を世界No1にした。日本の半導体企業がどこも大見を受け止められなかったので現在の無残な敗残となっている。
つくばエクスプレス問題とずれるが、産経新聞は、かりそめにも産業経済新聞であるなら、産業の基幹である技術がどう開発されているかちゃんと調査報道したらどうだろう。例えば旧通産省はつくばに産業技術開発目的の国立研究所を持っていた(現在は省庁改変及び独立行政法人化で名目は変わっている。ただしtax eater組織であることは変わらない)。つまり、その産業技術開発目的の国立研究所群は税金を使う。目的は、税金を納める民間企業が利益をだせるように、技術を民間に提供するためである。したがって、原理としては、民間が利益を挙げ、その中から税金を払い、その税金を食税研究機関は使っているのである。実際はそれほど税収に貢献しているのだろうか?食税ばかりではないのか?そもそも、産業技術開発目的の国立研究所群があげた成果はどうなっているのか?その成果とは、提供した技術を利用した民間企業の産業化および納税額で計られるべきである。その統計はあるのだろうか?なければ新聞はなぜ指摘しない。
■【主張】TX開通 IT技術の融合にも期待
開通したばかりの東京・秋葉原と茨城・つくば市を結ぶ「つくばエクスプレス」(TX)に乗った。これまでつくば市へは出張感覚だったが、今回は最短で四十五分と、通勤感覚に変身していた。このメリットを沿線自治体や企業、住民がどう生かすか、知恵を出し合うことが重要だ。
TXは首都圏で最後の大規模鉄道になるといわれ、沿線の東京都、埼玉、千葉、茨城の各県や市区町村などが出資する第三セクター会社だ。総事業費が一兆円弱の巨大プロジェクトだけに、赤字経営が心配される。
全国的にみても、鉄道を運営する第三セクターは赤字を抱えている会社が多い。大都市圏、過疎地を問わず巨額の負債を抱え、北海道北見市の「ふるさと銀河線」のように廃止に追い込まれる路線も出ている。
こうした反省から、国と沿線自治体がそれぞれTXに無利子貸し付けをして財務負担の軽減を図った。その結果、初乗り運賃は百六十円に抑えられた。これで利用者が増えれば、地域活性化の一助となろう。
ただ、財政難に苦しむ沿線自治体にとってはリスクを伴う。TXが単年度黒字を計上するまでに、十年以上もかかるといわれるからだ。しかも、全国の第三セクターの経営はとかく甘さが指摘されている。TXは新しい経営モデルを見せてほしい。
一方で沿線の開発が促進されるというメリットがある。沿線では鉄道と開発を一体で取り組む「宅地開発・鉄道整備一体化法」が初めて適用され、大規模宅地造成が開始されつつあるが、乱開発だけは厳しく監視すべきだ。
最大のメリットは、多くの研究機関やハイテク企業が集積し、一大研究学園都市を形成しながら“陸の孤島”だったつくば市と、電気街からIT(情報技術)の拠点となりつつある秋葉原が直結したことだ。
産経新聞社は大手町にあるのだろう。目の前の東京駅から、10-20分おきに出ている、高速バスに乗れば、TXの終着駅のつくばセンターまで1時間である。大手町から秋葉原に行って、TXに乗り換えてつくばに行くのと変わらない。ましてTXの快速は30分に1本である。待ち時間を入れればバスの方が早いだろう。つくば通ならバスは高速道路でstuckするかもしれないといわれかもしれないが、社説を書く新聞社の人間ならバスの遅れの平均時間などを関東鉄道バスに取材すればよろしい。おいらの経験では遅れはほとんどない。それで産経論説士の表現が、出張感覚から通勤感覚へ、である。もっとも、霞ヶ関の記者クラブで情報の配給でメシを食っているその日常感覚からすれば、つくば行きなど出張と思えるのかもしれないが。
最後の3パラグラフが全く意味不明である。まずIT技術の川上がつくばで、川下が秋葉原電気街という事実はない。秋葉原電気街で売っているものの何がつくばの研究機関やハイテク企業を起源とするものであるのか?具体的に示して欲しい。仮に、技術の川上を担当する機関がある地域と技術の川下を担当する機関のある地域が電車で結ばれたら、技術が融合するのであろうか?もし、川上の技術者が川下の技術者に用があったら勝手に行くだろう。今だって上記のようにバスで1時間だ。そもそも技術の融合が電車で通って面談する交流なんかより、インターネットでの交流のほうがよほど効果的である。
で、この産経の論説士のでたらめな論説のからくりをささえる認識(誤認識)はこうだ;
秋葉原とつくばという「なんとなく理系」っぽい街が電車で結ばれた。だから、この電車は技術の融合に役立つはずだ。 という幼稚で凡俗で事実に基づかない連想。
つくば研究学園都市で技術の基礎研究(川上)をやっている。←大間違い。こういう認識は研究開発の直線モデルという20世紀にすでに破綻している幻想に基づく。その幻想は研究は、大学→政府研究機関→民間企業への技術移転→産業化。そんな例は現代の技術開発の主流では全くないのである。大学発の例外技術インパクトは、大見忠弘のインテルに提供した半導体製造基礎技術。 彼は日本の税金で米国企業を世界No1にした。日本の半導体企業がどこも大見を受け止められなかったので現在の無残な敗残となっている。
つくばエクスプレス問題とずれるが、産経新聞は、かりそめにも産業経済新聞であるなら、産業の基幹である技術がどう開発されているかちゃんと調査報道したらどうだろう。例えば旧通産省はつくばに産業技術開発目的の国立研究所を持っていた(現在は省庁改変及び独立行政法人化で名目は変わっている。ただしtax eater組織であることは変わらない)。つまり、その産業技術開発目的の国立研究所群は税金を使う。目的は、税金を納める民間企業が利益をだせるように、技術を民間に提供するためである。したがって、原理としては、民間が利益を挙げ、その中から税金を払い、その税金を食税研究機関は使っているのである。実際はそれほど税収に貢献しているのだろうか?食税ばかりではないのか?そもそも、産業技術開発目的の国立研究所群があげた成果はどうなっているのか?その成果とは、提供した技術を利用した民間企業の産業化および納税額で計られるべきである。その統計はあるのだろうか?なければ新聞はなぜ指摘しない。