
■中国とか、民主主義とか;
昨日の続きで、日本"保守派"の話。たとえば、西部邁さんや佐伯啓思さんは決して官僚批難をしません。この点小さい政府を目指す新自由主義の竹中平蔵さんは政府・官僚批判派です。佐伯啓思さんは、「日本の「保守」派はこういう新自由主義と一線を画すことができなかったから、今日の日本の混乱となった」という考えです。つまり、西部邁さんや佐伯啓思さんは公(おおやけ)たる政府や官僚が国の存続には最重要であると考えているようです。とってかえして、民や選挙をいかがわしいものとも考えているようです#1。中国共産党、それも保守派の顧問にふさわしいのではないでしょうか?
一方、フランス派(?)の人(日本の対米依存を減らそうとするゴーリスト [ド・ゴール主義者] らしい)のブログでは、中国の民主化の不可能性を指摘しています⇒中国に幸せな社会が出来れば世界はもっと幸せになる。
中央の統制を弱め、中国をバラバラにする簡単な方法は、明日から民主主義になることです。
おいらも、「民主化」は、実際的にはこういうことになりうるだろうと推定します。
さらに、そのフランス派(?)の人のブログで、"有名人気ブログ" My Life After MIT Sloanの 「世界第二の経済大国は、世界に嫌われた国のままでいるつもりか」が紹介されています。このMy Life After MIT Sloanさんは、もちろん、ネトウヨでもなく、上品なブログであるがゆえに、この中国憎悪には驚かされます。
しかし、「中国はいい国だ」「好きな国だ」「尊敬できる」などの言葉を聴いたことは、中国人以外では今まで一度も無い。
米国に何年も住んでいるとこういう経験になるのだろうか?でもおいらが今度行く米国のある大規模な学会には、<米中親睦分科会>が派手に予定されているけど。なにより、中国で開かれた国際学会に行ったら、うれしそうな欧米人はたくさんいたよ。
それにしても、民主主義とか自由とかの評価基準で他国を"査定"して、日本によい点を与える日本人というのは、次のような認識はないのであろうか?
戦後日本は実際は、1)内政は官僚・政府主導で政治が行われ、2)外交・軍事は米国の保護下、制限下であった。
そして、3)選挙はどうころんでも自民党が多数派であり、しかしながら、憲法改正の三分の二以上の議席が取れない。そして、自民党と社会党は裏で取引をしているという茶番であったこと。
つまりは、民主主義とか自由とかは無化されていたのだ。中国共産党が目指しているのはこれである。
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#1; 考えている「ふり」かもしれません。なぜなら、佐伯さんは、 佐伯は「ボクは何かに価値的にコミットなんかしないけどね」(p172)、「個人的には、国家なんてホントはドーなってもいいんだけどね(笑)」(p202)だそうです。⇒ここのレビュアーより。