いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

微嗤ましい(ほほえましい)愚痴・嘆き、あるいは、武士の乞食根性

2010年11月16日 20時10分34秒 | 日本事情
いかにも「釣りネタ」ふんぷんなんだけど、おもしろい。



発言小町; 高学歴なのに報われない

創作にしても、グチの力こぶの入りどころが、ただの創りものとは思えない。ましてや、女子アナ等と結婚出来るはずもなく、あまりにも、世の理不尽さに納得できないでいます。のくだりは何度読んでもわらえる。おねぇちゃんはテレビで見るだけってことかぁ。ちなみに、三四郎さま、もし1億円稼ぎなさったら、美人局アナにはお気をつけあそばせ。 (それにしても、この女子アナは何なんだろう?やっぱ、霞が関文学系なんだろうか?)

でも、この「痛い東大生」の愚痴にはオリジナルのプライオーリティはない。この「痛い東大生」の"文学"的嚆矢は小谷野敦さんにほかならない。

 ああ、妬ましい。悔しい。どいつもこいつもいちゃいちゃしやがって。爆弾でも投げてやろうか。なんで俺ばっかりこんな孤独なんだ。だいたい俺は東大出ているんだぞ。こんなに女にもてなくて振られてばっかりいるんなら、なんで苦労してあんなに勉強したんだ。あいつら、頭はからっぽのくせしやがって。少おしばっかり背が高くてしゃっ面がいいだけで、下手すっと日本がアメリカと戦争したことも知らねえで、アメリカの首都はニューヨークだと思ってんじゃねぇか。
小谷野敦、「法界悋気」とルサンチマン、『もてない男』


もちろん、発言小町の投稿者と小谷野さんは、両者ともフィクションとしても、自意識の射程がちがう。小谷野さんはちゃんとこれは「法界悋気」であり、ルサンチマンであると言及している。だからこそ小谷野さんお文章はつくりものくさいのである。一方の発言小町の投稿者の「ましてや女子アナ等と結婚できるはずもなく」のくだりは、そのあまりの幼稚性と臆面のなさの真実味には舌をまく。まさに、”リアリズムの擁護”は大切だということだ。

この「おバカ東大生」は小谷野さんの"文学"に源を発したとはいえ、創りものくさい。しかし、2008年には東大卒業生が文部科学省の局長を殺害する予告をしたとして逮捕される事件が現実に起きた。動機は「理想を持って勉強してきたが、教科書の内容と違う現実があることを知り、文科省にだまされたと感じた」というもの。このニュースを聞いたときの驚愕と爆笑は忘れられない。

さて、これら、発言小町の投稿者、爆弾を投げたいもてない東大生、文科省局長殺害予告東大生などの意識は、傍からみていて、バカバカしいの一言につきる。でも、これは東大に固有のビョーキなのだろう。このビョーキだと世俗で生きるには頭(ず)が高すぎる。鴨居にアタマぶつけまくりである。

■でも、この手のビョーキは、東大に限らず、ある。そして、このビョーキだと、とても世俗では生きにくい。

ポスト・ポスドク問題を静かに考える当ブログの、 なぜ、博士は産業界から忌避されるのか? 序説以前のデータ収集 に続く、第2弾; 

■事例1;
::なぜ、博士は産業界から忌避されるのか? 序説以前のデータ収集2::


「海洋科学の大学院教育は企業の即戦力たりえるか?」 より。(赤線byおいら。)

こういう意識でさぁ、企業に就職って、そりゃ無理でしょうに。もっとも、"「博士は使えない」との認識を持つ企業すらあるようである。博士ほど、新しい分野を見つけて自力で切り開く才能に長けている人財は無いはずなのに"という認識ならば、自分で起業でもすればよい。なんだったら、新国家樹立もどうぞ。頑迷な新卒採用をしない企業があふれるユートピア国家を!

■事例2; 東大に戻ります。下の方はちょうど1年前の蓮舫議員(当時)らの事業仕分けの科学技術予算メッタ切りに対してのコメントです;


↑様より(東大らしいです); 直接リンクはしないょ。検索して行ってね。なお、"お花畑"は荒らさないようにお願いします。 
なぜなら、こんな奇花の乱れ咲く"お花畑"は稀有です。天然記念物です。まったり、観察しませう。


↑すごいです。自ら恃む所頗る厚くです。大学がなくなると日本は死ぬんです。名古屋大学の浜口道成学長と同じ意見です。(一昔前までは、日本の外交官は高卒が主流じゃないかな。今でも学部卒。)

↓文章は前後しますが、科学技術予算をメッタ切りにする人たちの動機を憎悪に見ます。 自分たちは絶対に正しく、これに刃向かう者は、憎悪などネガティブな動機に基づくものに違いないという判断です。



でも、アタマがいいんだか、悪いんだか....


この文章を丹念に読むと、G8とか、さらには国連常任理事国入りにスーパーコンピューターが必要らしい。そして、日本が衰退したとしたら、それはスーパーコンピューターの予算を切ったことを望んだ国民に責任があるのだから、甘んじろと御宣託なされているわけだ。

ん~、どんだけえらいんだか。でも、なぜ、スパコンがないと、G8を抜けないといけないんだ!?

それにしても嗤えるのが、文章を丹念によむと現在の日本は二流でないという認識らしい。でもさ、絶対額としてこれだけの大学予算や科学技術予算(数[5-7]兆円)を使って、独仏英に比べ学術の生産性は低い。

ノーベル賞の鈴木さんは、「もっと、研究費を!」と主張していた。でもさぁ、鈴木さんが現役の20年前とくらべ日本政府が支出する科学技術関連予算は数倍になっているよ。それでも、まだカネくれ!かよ。学者さんっていうのはアタマひねるのが本義じゃないのかなぁ~。

いずれにせよこの事例1,2の御仁たちは一生庶民から隔絶した世界で、庶民からの徴税で賄われて生きるしかないのでしょう。なぜなら、こういう異常に頭が高い"お武家さま意識"では世俗は生きていけないから。いつも憎悪に囲まれている気分になるでしょう。御自愛ください。


―ノーべル賞とったのに報われない。もっとカネだせ!―

と、いつものごとく、ねたみ・ひがみ・そねみに基づく、憎悪をぶちまけてしました。ゆるしてください。

●べたに書くと、なぜポスドクの転職がうまくいかないかというと、それは受け入れ側、すなわち産業界の「"偏見"」にある。その"偏見"の最大のものが、「大学に長くいたポスドク・博士は、あけすけに書くと、"意識が変!"」というものではないかと、おいらは睨んでいる。幼稚、傲慢、世間知らず、他人の金で生きている自覚がない、俺さまたちがいないとこの国は亡びる、などなど...。

上記の諸例に共通する痛い人たちは、自分がこれまでいかに努力してきたか、どれだけ育成に資金が投じられてきたかということばかり主張する。不良債権化する人々! そして、微嗤ましい(ほほえましい)愚痴・嘆き!  お武家さまの意識と乞食のようなカネくれ!だけじゃ世俗は無理だ。

肝心なのは自分が社会に対し何を貢献できるか、何をするべきかを考えることである。