■ 今週の看猫
■ 今週の武相境斜面
■ 今週のメタセコイア
■ 今週の花実
■ 今週の履歴
臨時国会1日召集 参院議長に山東氏(google)
山東昭子は、太陽にほえろ!の第1話「マカロニ刑事登場」に出ている(1972年[昭和47年])。
今週前半にyoutubeで偶然見つけて、画像カット。今見たらそのyoutubeは削除されていた。
■ 今週の些細;先の大戦末期スペインは日本に宣戦布告したのか?
小谷野敦博士の『江藤淳と大江健三郎』に書いてあった;
(前略)日本の敗戦ぎりぎりのところで、連合軍の圧力で、それまで中立を保っていたエスパニアとラテンアメリカ諸国が、形だけ日本に宣戦布告していたのである。
ここで、エスパニアとはスペインのこと。スペインは先の大戦末期スペインは日本に宣戦布告したのか?もしそうであれば、おいらのこの記述は間違いということにある;
なぜ、そんなにスぺインに行くのであろう?逆に考えて、なぜそれだけ頻繁に行けるのか?という視点で考える。ひとつはスペインに王室があること。現在のスペイン王室は1975年に王政復古した。たった40年前だ。もうひとつは、1945年9月1日の東京湾上の戦艦ミズーリの上にスペイン代表がいなかったことだ (関連愚記事; 帰路東京湾中より富士見事に見ゆ。) 。つまりは、日本とスペインは交戦関係になかったのだ。(愚記事;東宮殿下、スペイン(西国)を南へ北へ;あるいは、マドリ―っ子は、みんな高踏派::東南西北揃ったょ)
先の大戦末期スペインは日本に宣戦布告したのか?
wikipediaによると1945年9月1日の東京湾上の戦艦ミズーリの上にいた国は下記;
連合国側からは、まず連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーが4連合国(米、英、ソ、中)を代表するとともに日本と戦争状態にある他の連合国のために署名を行った[2]。その後、アメリカ合衆国代表チェスター・ニミッツ、中華民国代表徐永昌、イギリス代表ブルース・フレーザー、ソビエト連邦代表クズマ・デレヴャーンコ (en) 、オーストラリア代表トーマス・ブレイミー (en) 、カナダ代表ムーア・ゴスグローブ (en) 、フランス代表フィリップ・ルクレール、オランダ代表コンラート・ヘルフリッヒ (en) 、ニュージーランド代表レナード・イシット (en) が署名した。
スペインは含まれていない。
一方、色摩力男、「フランコ スペイン現在史の迷路」には下記書いてある;
(1945年)四月十二日、フランコ政権は日本との間の外交関係を断絶した。理由は、二月十一日に、日本軍が在マニラ総領事館を破壊し館員その他五十余名を殺害したというのである。その事実関係には、実はよく分からないところがある。
(中略:ドイツの降伏の経緯などの説明)
フランコは、第二次世界大戦への参戦をついに回避することができた。(後略)
とあり、スペイン・フランコ政権は日本との国交は断絶したが、宣戦布告したとは書いていない。したがって、「形だけ日本に宣戦布告していた」というのは間違いであろう。中南米のある国々が宣戦布告したとしても、スペインはしていない。
なお、色摩力夫はコロンビア大使、チリ大使を務めたスペイン語外交官(wiki)。Amazonの『フランコ スペイン現在史の迷路』に小谷野敦博士の評があったように思うのだが。記憶違いか?
■ 今週の「今は昔」
日本、韓国の「ホワイト国」除外を閣議決定(google)
朴正熙が存命であること、岸信介の見た目の年齢から推して、1970年代中頃か?
後ろの中央に立っている海老茶色の服を着ている人は矢次一夫。
https://twitter.com/jomaruyan/status/1157307690156085249
ほんと、今は昔。
今のネトウヨさんは鹿内信隆って知らないだろう。おいらもよく知らんけど...。
■ 今週の訃報
https://twitter.com/iidukumanto/status/1157474024009523205
勝田吉太郎 死去 (google)
勝田吉太郎さんはアナーキズムの研究者としても知られている。その勝田さんの自らの「アナーキズム」体験がこれだ;
すでに名古屋の私の生家は空襲で全焼し、知多半島の海辺に一寸した別荘があったものですから、そこへ落ち着いたんです。(中略)ちょうど、伊勢湾を挟んで対岸にあるのが四日市、津、桑名の各市です。(中略)夜になりますとね、対岸の都市へB29の編隊から無数の焼夷弾が落ちていく。対岸から見ていますと、これがまるで花火のようなんですよ。(中略)そういう状況をね、海岸に出て眺めているひとたちが―それぞれ名古屋の自分の家から焼け出されて生命からがら別荘に落ちのび、そして、かつてのような純朴な顔を失って物欲の塊になったような農民たちに囲まれて、食うや食わずのひとたちがね、津や四日市や桑名の空襲を眺めてひそかに喜ぶのですよ。手を叩くまえは行きませんけどね。彼らも自分たちと同じ境遇に突き落とされるのだ、自分たちだけが苦しむにではないというのでしょうねえ。ドイツ語に「シャーデンフロイデ」という語がありますが、他人を傷つけて快感をうるというのですが、そういう暗い情念にとらえられるのです。対岸のひとたちを襲った不幸を眺めて、歓声をあげるといい過ぎかもしれませんが、明らかにそういう心理状態になるのです。むろん私もそういう一人として対岸の都市が燃えていくのを眺めていたのですから、自分の心を解剖して痛感したのは、ああ、これで祖国は負けた、敗戦だなとそのとき思ったのです。B29の編隊が、そういう小さな都市にまで焼夷弾を投下することではなく、むしろ我々の心のなかから、八月十五日の以前にはやくも日本という国家が音もなく崩壊していく、潰え去ってしまったことをどうしようもない実感として受け取ったのです。国家を一番深いところで成り立たせている運命共同体の精神というのでしょうか、そういう精神の絆が、もはや人々の心のなかでずたずたに切断されているのを感じないわけにいかなかったのです。これが私の、思い出すのもいやな敗戦体験です。(『対談 一つの時代に終わりに』村松剛+勝田吉太郎 Amazon)[強調、いか@]
勝田にせよ、福田恒存、あるいは、後続の江藤淳、西部邁が「保守的」であろうとするのは、実は、自らの横溢、突沸するアナーキズム的心情を制御するためであるに違いないとおいらは睨んでいる。炉心への制御棒みたいなものだ。
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