いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

固定のために; 巻き髭(まきひげ)

2010年10月14日 06時30分48秒 | 草花野菜


きゅうりの花と巻き髭。 巻き髭は自分の体を固定するために出すらしい。

 

ぶどうのつる・巻き髭

wiki;つる植物

■コイルやスプリングを自作するときは、固い芯棒にメタルのワイヤーを巻き付けて成型する。人類として、いつに時代に誰が始めたのだろうか?植物のつるを見て、思いついたのかな?


試料採取目的惑星探査機『はやぶさ』の残念について

2010年10月10日 11時09分38秒 | 日本事情
【001】前振り1: ― 太陽系開闢以来一度も溶けたことない物を求めて ―

我々は一度溶けた物に囲まれている。海。その主構成物質である水が現に溶けている。

今、手元で溶けてない物。石。

でも、溶けたものが固まった物だ。溶岩・マグマが固まった火山。

例えば、富士山。マグマが噴出し、地表で形成された。

我らが筑波山は火山ではない。でもマグマからできた岩の塊だ。地中深いところで冷えて固まった。

畑の土、田んぼの泥。今は粒となっているが、元もとはマグマが固まった岩が削れてできたものだ。

【002】前振り2:太陽系は45億年前にできた。塵からできた。

地球も塵からできた。今、我らが百姓が、ぢかに触っている、土も泥も水も、そして、植物を構成する水の、炭素も、窒素もみんなこの塵の中にあった。

【003】失われた塵: しかしながら、この塵は我々の周りにない。

我々の周りに、母源材料物質であるこの塵がない。

なぜか? すべて、溶けてしまったからだ。

なぜ溶けたか? 我々のこの地球が塵の融点より高温になったからだ。

溶鉱炉としての惑星地球。

溶鉱炉といっても、あの溶鉱炉とちょっと違うだろう。

なぜなら、塵の成分である水などの融点は低いからだ。0℃だ。

あるいは、石も鉄も水があると融点は低くなる。1000℃もあれば溶ける。

言い忘れたが、塵の主成分は金属と石だ。

【004】塵が集積した地球:

塵と地球の話に戻すと、地球はこの太陽系をつくった母源物質である塵が集積してできた。

集積のエネルギーで地球は溶けた。

地球全体が溶けなくとも高温高圧の状態で塵は変成した。

なお、外核は今も溶けている。

失われた母源物質の塵。

人類は手元に母源物質たる塵がない。

【005】母源物質たる塵を採りに行こう;

無い物は採りに行こう。母源物質たる塵がある。

惑星になりそこなった母源物質たる塵が残っている。

太陽系のある地域にはある。

惑星になりそこなった理由は、大きな集塊に集積しなかったからだ。

集りそこねたのだ。

45億年前の原料がそのまま、

あるいは、程度の低い集積物質として残されている可能性。

程度の低い集積のメリットは何か? 溶けないことだ。

溶けてしまえば、すべては変質してしまう。

金属と石は分離する。

水はとんでいく。

しかしながら、原初的な、あるいは程度の低い集積の塵がある。小惑星。

母源物質たる塵が少しだけ固まった物質がある。

そのひとつが、イトカワだ。

【006】『はやぶさ』の使命

『はやぶさ』の使命は、そのイトカワの構成物質、つまりは、程度の低い集積物質を地球に採って帰ることである。

目的は?

太陽系の起源とその後の惑星進化を明らかにする試料を採取することである。

その目的のために必要な重量は?

何グラムなのか? 何ミリグラムなのか?

おいらが調べた限り、この目標値を見つけることができなかった。

たぶん、おいらの調査不足と信じる。

当局にはきちんと、目標採取試料Xグラムとあるに違いない。

さもなければ1000億円以上の予算を発動できるはずがないからだ。

そして、何より、採取試料重量を予め決めないと、装置設計ができないはずだ。

【007】『はやぶさ』の使命2

『はやぶさ』の使命は、ただ、行って還ってくることではない。

『はやぶさ』の使命は、ただ、カプセルを持っていて、還ってくることではない。

これらは必要条件ではあっても、決して、十分条件ではない。

『はやぶさ』の使命は、目標採取試料Xグラムのイトカワの物質を持って還ってくることである。

そして、その目標採取試料Xグラムが分析されて、

太陽系の起源とその後の惑星進化を明らかにすることである。

【008】ソラ恐ろしい当局(JAXA)の情報操作といたいけな庶民の祭り

おいらは、どうみても、

目標採取試料Xグラムが分析されて、太陽系の起源とその後の惑星進化を明らかにされるという目標に対し、

残念であった、としか思えない。

それが、どういうわけだろう?

マスコミを中心に世間では、『はやぶさ』成功、という認識である。

唖然とする。

報道において、試料採取のための「弾丸」が発射されませんでした、と書いてあるのを見たことがない。

おいらの見落としだと信じたい。

カプセル回収! カプセル回収!  イトカワの物質が入っている可能性のあるカプセル回収! の大合唱。

唖然とする。

【009】平成の大本営発表と無辜たち

目標採取試料Xグラムが分析されて、太陽系の起源とその後の惑星進化を明らかにされるという目標なぞなかったかのように、還ってきたカプセルに数万の人が見物に訪れたそうだ。

これも、基本的には当局の情報操作である。

かわいそうな、当局を疑うことなぞ思いもしない、善男善女の日本庶民たち!

残念! 残念! 残念! 残念! 残念! 残念! 残念! 残念! 

【010】 目標未達成

目標採取試料Xグラムが分析されて、太陽系の起源とその後の惑星進化を明らかにされるという目標に対し、今回は残念なことに、わずかの物質しか採取できませんでした。

至りませんでした。

至らなかった技術的理由は、これこれこうです。

もし、機会をいただけるのであれば、この至らなかった技術的課題を、こうこうこういうふうに善処して、再挑戦したいです、というわけでもない。

あたかも、成功したしたような振る舞いだ。

誠に残念である。 イトカワの物質が十分採取できなったという目標未達成より、

傍から見ていて、当事者であるプロジェクト・マニジャーの「どうしてこんなに自己満足しているのだろう!」という態度や、

NHKをはじめ大手新聞社などを情報操作で"大本営発表"を垂れ流しさせる当局、

そして、ご同伴の幇間"ジャーナリズム"が、である。

そして何より、日本人の主流派?が、科学や技術を当事者のエピソードなど"浪花節"という枠組みでしか認識できないことが残念だ。

今回の『はやぶさ』をNHKのプロジェクトXのごときに物語化して報道していた。

あげくのはてが、根性!だ。

唖然とする。

【011】残念だ。

まずは、目標に対して至らなかったことという認識を共有できていないことが残念だ。

google; はやぶさの成功 ←JAXAの情報操作の大成功事例、あるいは、成功した"大本営発表"
















 


 

毎週、コーンサラダの画像を撮っています; 1週目

2010年10月09日 08時47分34秒 | 筑波山麓


ロシアかぼちゃが枯れて空いたプランターに、コーンサラダの種を蒔きました。
さて、どうなることでしょう?



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変わり果てた姿

2010年10月07日 06時30分51秒 | 草花野菜


3か月前の姿;


日本には私を受け入れる余地は全くありませんでした[#0](Google) 

ノーベル賞の根岸英一さんのお言葉。 すごいお言葉ですね。でも今の日本はいい社会になりましたよ。無職博士にはたくさん職がまってます。深夜のコンビニバイトとか。

鈴木章さんと根岸英一さんは、同じ師の兄弟弟子同士らしい。その師匠が、ハーバート・ブラウウン。調べたら、アシュケナージだった[#1]。つまり東欧系ユダヤ人。今のウクライナ、当時のロシア帝国の出自。親の代にウクライナを出たらしい。ウクライナには私を受け入れる余地は全くありませんでした!。ハーバート・ブラウウンは通名=English name。本名は、ハーバート・ブロヴァルニク(Herbert Brovarnik)。

根岸英一さんは満州生まれらしい[#2]。つまりは引き揚げ者だ。こどものころから私を受け入れる余地は全くありませんでした!。でも、根岸少年を、受験地獄が引きうけてくれたというのだから人生はわからない。地獄が仏!(とはこのことか?!)

鈴木章さんは道産子なので元来移民。うわさによると砺波の出自らしい[#3]。砺波には私を受け入れる余地は全くありませんでした!つまりは故郷喪失者子弟トリオなのだ。そして、邂逅したのは、あの"偉大なる"アメリカに他ならない。

ところで、日本には私を受け入れる余地は全くありませんでしたと言ってアメリカに去ったのは丑松を嚆矢とする。しかしながら、"啓蒙"により差別が減ったので、そして日本社会が"進歩"したので、はたまた日本社会が"豊か"になったので、日本人の若者は、日本の若者も、日本で暮らすフランス人の若者も、どこかの国の王様のような快適な生活に慣れ切っているそうだ[#4]。別に、移民する必要がないのだ。つまり、「若者よ海外に出よ」は時代錯誤的言説なのだ。でも、"おち"があるのだ;外国に出れば、「ジャングル」が待ち受けているのだ。だからあえて言うが、若者はどうか世界に飛び出してほしい。ジャングルでのサバイバル法を学ばなければ、日本はますます世界から浮いて孤立することになる。「素晴らしくて孤独な国」という道を選ぶというのであれば別だが。[#4]

[#0] 今般朝政一新の時に膺(あた)り 天下億兆一人も其処を得ざる時は、 皆朕が罪なれば、今日の事、朕自ら 骨身を労し心志を苦しめ 艱難の先に立云々  ⇒関連愚記事: おそるべしひろひとさんを見た、デリーの一日

[#1] wiki:ハーバート・ブラウン。 アシュケナージとしては、シャガールと同じ。参照愚記事:屠(ほふ)られる獣(けもの)の声を聞くシャガール、あるいは、Daseinは獣も含みうる

[#2] 中国メディア注目、ノーベル化学賞受賞の根岸氏「長春生まれ」

[#3] くちさがないネット情報

[#4] 日本の良さが若者をダメにする

「科学技術」、「・」中黒問題、あるいは、周(あまね)の蹉跌

2010年10月05日 19時56分32秒 | その他

―キンモクセイの香りを嗅ぎながら仰いだ空―

■科学か?技術か?

「科学技術」ということばがある。以前は「科学・技術」と真ん中の「・」(中黒)が入っていたとのこと。村山内閣の"科学技術基本法"のときから「・」(中黒)がなくなったらしい。この問題は後述。

さて、山中センセ、残念でした。ご本人はどうとも思っていなかったのかも。でも、体外受精屋さんがノーベル賞を授かったのを見て、やっぱり"臨床における実績"だよなと思ったのかもしれない。ところで、ロバート・エドワーズは科学者か?技術者か?のどちらなんだろうか。愚問であるが、冒頭の科学技術問題の前ふりとして考える。まず、愚問である理由の第一は、科学と技術が二分できるか?ということ。科学と技術はどういう関係にあるのか考えなければならない。

「科学技術」という用語は科学と技術を混同している、あるいは科学を技術に従属させているからよくないという意見がある。さらに、科学と技術を分けろという意見もある;

「科学技術」と「科学・技術」の違い 元村有希子 pdfで1.8M、重い!注意

評価に不可欠な科学と技術の区別

まずはあえて科学と技術を区別する。すると体外受精のロバート・エドワーズさんや、そしてiPS細胞の山中さんは、技術の方に大きく傾くのではないだろうか。なぜなら、彼らは知っていること以上のことを実現したから。『技術とは,「(社会から)解決を要請された問題に対し,解決に至る方法を与える」こと』という基準にも彼らは合致する。山中センセだって、生物発生の原理を知ることよりは「患者さんのため」と強くおしゃっているし、ロバート・エドワーズさんだって不妊"患者"のためにがんばったのだろう。ロバート・エドワーズさんの「科学」的な業績はなんだろう?wikiを覗くと、彼の業績は"体外受精の技術の完成"と書かれている。技術だよ、技術。

■上記リンクの毎日新聞記者元村有希子による「「科学技術」と「科学・技術」の違い」に書いてある;

基礎科学の成果から技術が生まれたことは歴史の事 実だ。そのおかげで私たちは文化的な生活を送っている。

本当だろうか?例えば今熱力学は物理化学ともいって物質の状態変化を把握する上で欠かせない基礎科学である。この熱力学は、蒸気機関という技術が出現し、その技術によって実現される現象を理論化するため成立・発達した。別にエントロピーという基礎科学の成果から蒸気機関が生まれたわけではない。

今後、基礎生物学者は山中カクテルの因子が細胞のリセットをどういうメカニズムで可能にするか研究するだろう。しかしながら、お医者さんという"医療技術者"が経験的に細胞をリセットさせる前に、遺伝子やタンパク質に詳しいはずの基礎生物学者がこの因子が細胞リセットに効きますよと指摘したわけではない。このリセットメカニズムには遺伝子やタンパクが主役にも関わらずである。どうした!? 科学者!

もちろん、基礎科学から生まれた技術はある。古典物理学に基づくロケットなどはそうだろう。でも、常に基礎科学が先だっているわけはない。むしろ、人間が自然をいじくりまわして(技術的行為!)出てきた驚愕の事実を解明するために科学が出動、面目躍起という例が多いのではないだろうか?

一方、人間が自然をいじくりまわして(技術的行為!)出てきた驚愕の事実に頼らずとも、純粋な自然の驚愕の事実を解明するために科学もある。自然誌系科学。たぶん、この筋の研究者が、科学と技術を分けろと主張している気配がある。もちろん悪いことではない。

■科学と技術を分けろと主張している人たちは、マスコミなど世人を批判している。マスコミや世人が科学と技術を混同していると。それも日本のマスコミと世人が混同している、という口ぶりである。科学は応用なぞ考慮しなくていい文化的いとなみであると、科学と技術を分けろと主張している人たちは主張する。それはそれでいいだろう。でも、もし彼らがノーベル賞が好きならば、ノーベル賞の選考基準は、彼らの嗜好とは異なるだろう。

なぜなら、特に最近、応用という社会での実績を重視していると思わざるをえないからだ。医学・生理学賞だから応用重視なのだろうという反論は次の再反論を受ける。すなわち、最近の日本人の化学賞だって、野依センセ、白川センセ、田中サンとみんな受賞対象は商品化している。皮肉なことに、この中で売上げが最も低いのがメーカーの田中サンの質量分析計だろう。すんげぇー売れなかったらしいね。下村センセだって蛍光が使いでがあったからノーベル賞もらったのだろう。この点、一番の"浮世離れ"の理論家が、30年前の受賞の福井センセということになる。この手の理論系の受賞は減っているのではないだろうか?

▼周(あまね)の蹉跌(さてつ)

日本語の「科学・技術」の由来はscience and technologyの訳とのこと。ここで錯乱している。technologyはロゴスのlogyがついているのだから、「学」のカテゴリーに入る言葉のはずである。technologyに技術という訳語、これは和製漢語である、をあてたのは西周(にしあまね)らしい。せめて、工学にすればよかったのに。

(λογοσを含まない philo-sophyを哲と訳した周は、学=ロゴス=logyという連想がなかったと推定できる。ギリシア語まで手(アタマ)が回らなかったかわいそうなアマネ!)

もっとも手元の和英辞典を引くとtechnologyの項の筆頭に"工学"がある。science and technology =理工学、にすればよかったのにね。そうすれば両方とも学問。「科学・技術」じゃ、<目的・手段>みたいなちぐはくな感じがする。さらに、「・」中黒がとれたら、scientific technologyのように受け取れる。もっとも、繰り返すと、ノーベル賞選考委員会はscientific technology、つまりは科学に裏付けられた、社会に寄与する技術を評価しているのではないかと、おいらは、睨んでいる。

▼「科学技術」癒着の現実;

科学研究に技術、この場合は実験技術、は必須である。紙と鉛筆でできる理論研究でないかぎり。さらに言うと実験科学は技術が命である。研究者の命運は実験技術の習得と実験技術開発能力と実験の遂行にかかっている、といってもいいのではないだろうか。実験技術開発能力が重要だ。他人と同じルーチン実験ばっかしていては、抜きんでることはできない。多少アタマ悪くたって、新しい実験系で手足を的確に動かせばなんとかなる。逆に、小賢しくても、不器用なら終わりだ。違うかな?

●今日のユーレカ! 周(しゅう)の遊学、あるいは物見遊山!

周恩来が若き時日本に留学していたことは有名。そんで、筑波山にも遊びにきたんだとさ! 遊学する周恩来! Google; 周恩来 筑波山

大陸、すなわち山がない地域、から来た周恩来が筑波山登山の最中につまづいたのかという問題は現在調査中ではある。







あなたは発破師でもあります、あるいは、花火師は絵コンテを予め描くのだろうか?

2010年10月03日 09時08分46秒 | 筑波山麓
―言いわけめくが、訳語について一言だけ付言しておきたい。本書の標題にも出てくる Wissenshaft を拙訳ではその場に応じて「学」「学問」「科学」と訳し分けた。こうした基本的用語には同じ一つの訳語を当てるのが望ましいのであるが、ドイツ語の Wissenshaft が豊かな含蓄をもっているのに対して、日本語のこれらの言葉はそれぞれにかなり限られた意味とニュアンスをもっており、そのいずれかですべての場合を蔽うことがむずかしかったからである。―
フッサール、『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』の訳者・木田元による"解説"より



-思いっきりブレています。昨晩の土浦花火大会-

昨晩は土浦の花火大会。正確には「土浦全国花火競技大会」。夏場に全国で行わる普通の花火大会との違い、花火業者が作品を披露するのが目的らしい。特に、創造花火というのがあるらしい。⇒主催者サイト

おいらは、筑波山麓に来て10年ちょっとになるが、おとなりの土浦のこの花火大会を、見に行ったことがなかった。混雑がすごくて、近づけないんだよ、という言葉を真に受けていたためかもしれない。昨晩は土浦郊外の高台に展望ポイントを発見。はじめて、見た。

↓昨日の今日で、YouTubeに映像があった。昨晩のものらしい。

ワイドスターマイン「土浦花火づくし」2010土浦全国花火競技大会


花火師は絵コンテを予め描くのだろうか?

闇夜に輝く色彩と光輝は上のYouTubeでどうぞ。ところで、花火のあの多彩強輝は、スイカのような玉に込められた金属だの酸化物だのそして火薬が構造的に仕込まれたものが発現する結果だ。本質は現象する!。だから花火職人の仕事とは、端的にはこの炎燃材料と火薬の構造体をつくりこむこと。でも、どうやって創り込むのだろう?

花火師は、薬剤と火薬の玉における配置で、空で発現する花火を制御するのです。すごいですね。これには、当然、設計方法があるんでしょう。花火設計法。そして設計するならば、お空に現象する花火の描像をあらかじめ想定して、その描像実現のために薬剤と火薬の玉における配置を設計する。そしてその設計に従って薬剤と火薬を実装する。つまり、花火師は絵コンテを予め描いているに違いありません。でも、見たことないぞ、花火師の絵コンテ。

■『わたしは花火師です』

 
―インタビュアー―それではあなたを哲学者とお呼びすべきでしょうか?
 それも違いますね。わたしがやっているのは、いかなる意味でも哲学ではありません。科学でもありません。科学であるとすれば、その根拠と証明を要求することができるでしょう。誰もが科学に、それを求める権利があるのです。

―それではどうお呼びすればよいのでしょうか。
 わたしはいわば花火師(アルティシフィエ)です。訳注*1 わたしが作りだしているものは、結局のところは占領と、戦争と、破壊に役立つものです。わたしは破壊することが好ましいとは考えていません。それでも私は通り抜けること、前に進めること、壁を倒せることは好ましいと思っています。

ミッシェル・フーコー、『わたしは花火師です』(中山元・訳、Amazon

フランス語のartificerが覆う意味内容の範囲は、花火師から戦場で爆薬を仕掛け爆破させる技術者までと広いらしい。上記の部分の文脈で考えると、軍事発破師の意味だろう。訳者は書いている;

訳注*1
フーコーが以下で掘削と攻城について語っているところからみて、ここで花火師と訳したアルティフィシエという語は、あるいは軍隊の「爆破技師」と訳すべきかもしれない。ただしどちらも基本的に仕事の内容は変わらないし、本書の一七ページでフーコーは自分の書く書物が「爆弾のように効果的で、花火のように楽しい爆発物となること」を夢見ると語っているので、あえて花火師という訳語を採用した。

「どちらも基本的に仕事の内容は変わらない」かは理解できないが、翻訳の難しさがよくわかる事例だ。訳者はフーコーのきらびやかな業績に目を奪われていたので、花火師として表象することに駆られた。一方、フーコーの業績は思想史業界でのブレイクスルーであるから、発破師という訳がいいだろうと思うかもしれない。つまりは、これまで誰も掘削することができなかった切り通しを、発破(wiki)によって、作り上げたのだ。蛇足ながら;ところで、一段メタレベルがあがって、なぜ、フーコーがこの発破が出来たかというと、それはハイデガーの発破があったからに違いない。ハイデガーに 狂じていたフーコー!。同様に、ハイデガー⇒ニーチェ。

でも訳さなければそれでいいのだ、artificer !

たまに電車に乗ると、高校生が単語帳で英単語をバカ暗記しているのを見る。つまり、ひとつの英単語にひとつの日本語の意味を対応づけて暗記しているのだ。この方法は文法訳読法に不可欠な要素的方法だ。

この方法の根源的危うさは外国語学習初心者に、言葉というのは、異なる言語の間で、例えば日本語と英語の間で、対応しているのだ無意識に思い込んでいることだ。ある言葉が網羅する範囲・しない範囲は、その言語によって違う。上記の Wissenshaft や artificierのように。すべての単語がそうである。そして、その言葉の網羅する範囲・しない範囲は、その言語の"イデオロギー性"・"文明的背景"に依存する。あるいはもっと即物的にその言語を使う人たちの生活環境に左右される。エスキモー・イヌイットが雪に関する言葉をたくさんもっていることや、日本人がワカメだのコンブだのノリだの、あとヒジキ、モズク、テングサなど、海藻に関する言葉をたくさんもっていることはよく指摘される。英語じゃ日常語ではseaweedの一語らしいよ。

したがって、「どちらも基本的に仕事の内容は変わらない」と感ずる上記訳者は相当フランス語分節化作用にいかれているということだ。だって、大勢が集まって集ってうれしく見る色彩火薬燃焼現象を実現させる仕事と、地形や施設やあまつさえ人間をも瞬間的な火薬の燃焼で吹き飛ばす事象を実現する仕事が「どちらも基本的に仕事の内容は変わらない」のかねぇ~?。

ところで、一対一対応の英単語の覚え方をしていると、いつまでたっても実際の英語が使えない。頭のいい人は日本語で作文して、脳内で日本分⇒英文の翻訳変換を行う。それではよっぽど変換効率のよい頭でないと処理できないと思う。だから、英語を英語として学んで、英語の運用を習得しないといけないという考えが生じる。そういう考えに基づく学習法が"非文法訳読法"らしい。

一方、文法訳読法は非常に便利なのである。そのおかげで、多種の外国語の膨大な翻訳を日本語人は読むことができるから。でも、翻訳ってすごく難しい。


毎週、ロシアかぼちゃの画像を撮っています; 18週目・最終回

2010年10月02日 06時59分57秒 | 筑波山麓


先週に三輪咲いていたのに、ここ1週間で劇的に枯れて行きました。

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