草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

「平和」という言葉のまやかしを指摘した坂本多加雄!

2018年10月19日 | 思想家

戦後の日本を混乱させてきた元凶が「平和」という言葉である。「平和」憲法という一言で、大事な議論が行われなくしまった。坂本多加雄は「もっぱら日本国憲法とそれを取り巻く様々な言説の『コード』にのみ厳格に縛られており、そこから切り離しては、『意味』そのものが成立し難い言葉となっているかのようである」(『近代日本精神史論』)と書いていた▼それでは防衛力を高めて「平和」を守り抜くという結論にはならない。「平和」について異論を差しはさめない雰囲気があるのだ。坂本に言わせれば「話し合いによる平和」は、「正義」が「不正義」に屈することにもなりかねない。にもかかわらず、多くの日本人は思考を停止してしまっているのだ▼「平和」への固執があまりにも異常であることに、日本共産党も気付いているからこそ、自衛隊を憲法違反だとしながらも、東アジアの情勢を踏まえて、当面は存続させるのである。安倍自民党と同じではないだろうか。法治主義の観点からも、憲法を改正するのが筋である▼日本国憲法の「コード」に縛られた「平和」という言葉を、日本の歴史の中から再把握しなければならない。「平和」はタダでは手に入らないのであり、時には血も流さなくてはならない。戦後の歪んだ言論空間から解放されなければ、「平和」という言葉すら取り戻せないのである。

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