アメリカがどこまでやるかは最初から疑問であった。予想した通りでトランプは中共を徹底的に追い詰めることはしなかった。アメリカと中共は去る13日、貿易協議で「第一段階の合意に達した」と発表した。これによってアメリカは対中制裁関税の新規発動を取りやめたばかりか、発動済みの関税も一部緩和することになった▼どうして中途半端な妥協をトランプがしたかは分からないが、産経新聞が15日付の「主張」で述べているように、中共にとっては最悪の事態を避けることができた。「覇権を支える製造強国となるためにも、国営企業中心に産業を手厚く保護する路線の転換は認められない、そこに脇に置いて一部制裁を緩和できたからだ」というのは、的を射た論評である▼今回のことをきっかけにして、アメリカと中共が和解の方向に向かうとは思われないが、ここにきてトランプが弱腰になったのは、アメリアの産業界の意向を無視できなかったからだろう。今アジアが問われているのは、全体主義にどう対抗するかなのである。ウイグルやチベットばかりではなく、今香港で起きていることは、それに抵抗する人々の叫びである。台湾の総統選挙がどうなるかも、日本人の私たちには他人事ではない▼日本は欧米と同じような価値観を持っている。だからこそ、アメリカとの同盟関係を維持しているのだ。自由アジアを守り抜くためにも、全体主義の中共を甘く見てはならないのである。
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