戦後68年経ってようやく日本はまともになりつつある。大東亜戦争が何であったのか。全て日本が悪いのか。国際法に違反して日本に原爆を投下し、占領中に日本を骨抜きにする憲法を押し付けたことが許されるのか。それがようやく問題にされるようになってきたからだ。戦後の一時期、文壇からパージされた日本浪漫派の保田輿重郎は、すでに今日の日が来ることを予言していた。昭和25年に執筆した「明治維新とアジアの革命」において、日本人が日本人であることを取り戻す日の到来を信じていたのである。そして、その前兆を見逃さなかった。「近時やうやく、日本の歴史を知りたい、大東亜戦争の本当の話を知りたい、という青年の声が起こってきた。これは本の売れ方をみてもわかることだ。青少年が、大東亜戦争の本当の話を知りたいと言ひ出したことは、実に重大なことである」と書いている。保田は反近代の思想家である。日本の「農」では「所謂歴史といふものは殆どないのである。農といふものは永遠であり、無常ではない。流転しない。永遠とか天攘無窮という思想と観念は、農といふものの実体と信念と現実を表現したものと考へられる」からである。歴史を動かした人間にこそ目が向けられるべきなのだ。歴史の流れは未来に向かって流れているのではなく、刻々と変化する状況のなかで私たちに決断を強いるのである。保田はそこで善悪や正義が問われるのだという。そうした観点から見直すならば、大東亜戦争の見方も違ってくるのである。
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