草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

自らの命を投げ出した宮本警部や熊谷軍曹の行為は崇高だ!

2013年06月21日 | 思想家

 安倍首相が今日、警視庁板橋署常盤台交番を訪れ、駅前の踏切に入った女性を助けようとして電車にはねられ殉職した、宮本邦彦警部の記念碑に献花した。危機の時代にあって、今求められるのはその精神ではないだろうか。全ての人間にそれを強制しようというのではない。自ら命を投げ出した崇高な行為に対して、私たちは敬意を示すべきなのである。拓殖大学日本文化研究所が平成16年冬号として発行した『日本文化』に、竹本忠雄の「大空の捨身」が掲載されている。「針よりも細く、ひとすじの光が青空を突き刺すと見るや、閃光が走り、B29の巨体が真二つに割れ、高空から、ゆっくりと、回転しながら落下してくる」。高射砲が当たったと思って手を打って喜ぶ少年の日の竹本に、「体当たりだよ」と語った「父の声に「じんと来た」のであった。竹本は「あれから半世紀余、いまなお、閃光は鮮やかである。一人の若い生命が玉と散り、そのお陰で私は生き永らえている」と回想したのである。そして、体当たりしたのが陸軍軍曹熊谷兼一であることを調べ上げた。昭和19年12月29日、昼の12時半から1時半までの出来事であった。陸軍の少年飛行兵出身である熊谷は、B29に、逆さ落としに体当たり攻撃をしたのである。火だるまになりながらも、下町に墜落しないようにとの配慮から、愛機を操縦して亀戸の沼地に激突したのである。特攻隊員ではなく、とっさの判断であったとみられている。その点では宮本警部もまったく同じなのである。

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