保守派ネット民が自分たちの味方だと思っていた自民党関係者は、今起きていることに戸惑っているのではないか。矛先が自分たちに向いてきたのが許せないというので、「ネトウヨ」という言葉まで口にしている。
もともと保守派ネット民は政治的なイデオロギーに染まって物事を判断していたわけではない。安倍元首相に加勢していたのは、あまりにもマスコミの報道が異常であったからだ。それに対して自然発生的に声を上げたのである。
岸田首相や自民党幹部を批判しているのは、リベラル色を鮮明にし増税しか頭にない政治が常軌を逸しているからだ。自民党の別動隊であるわけがないのである。
自民党から資金提供など受けておらず、利権とも無縁な市井の名も無き者たちが大半なのである。風向きが変わったというので、とやかく言う方が間違っているのだ。
吉本隆明は「安保闘争(60年)のなかでもっとも貴重だったのはいかなる既成の指導部をものりこえてしまい、いかなる指導部をも波濤のなかに埋めてしまうような学生と大衆の自然成長的な大衆行動の渦であった」(『擬制の終焉』)と書いていた。
それと同じようなことが今ネットの世界が起きており、いかなる組織もコントロールすることができない、マグマがたまり、いつ爆発しても不思議ではない状況になってきているのだ。
高を括っていた岸田自民党も慌て始めている。今後保守派ネット民がどこに向かうかは予測が付かないが、日本を貶めるような政治勢力とは違って、日本人が生き残っていくためには何を為すべきかを、保守派ネット民は真剣に考えている。それが日本にとっての微かな希望であり、国家としての日本を守り抜くことになるのである。