一度手にした権力を手放したくないために、民主党内でまたもやゴタゴタが始まった。選挙互助団体なわけだから、菅直人首相を失脚させようというのは、当然の成り行きである。しかし、もう一つパッとしない。これまでも本気で喧嘩する気がなくて、単なるガス抜きで終わっているように、見せかけの可能性が強いからだ。最終的には野合するしかないので、一度や二度は大声を張り上げても、すぐにしぼんでしまうのである。嗤ってしまうのは、福島県選出の民主党国会議員である。福島市や郡山市が大変なことになっているのに、政府に文句一つ言えない。福島第一原発のトラブルによって、そこに住めなくなるかもしれないのに、よくぞ悠長に構えていられるものだ。そのなかでも老醜をさらしているのは、平成の黄門様を自称している渡部恒三代議士である。国民を騙した張本人である菅首相をかばって、居直っている始末だ。同じ会津人として恥ずかしい限りだ。このままでは、国民が実力行使をすることになるだろう。今のような無政府状態は看過できないからだ。薩長の野望を打ち砕こうとした雲井龍雄は「題客舎壁」という漢詩をつくってから、京都を離れ、戦乱の世に身を投じた。今こそその志を継ぐときではなかろうか。
斯の志を成さんと欲して あに 躬(み)を思わんや
骨を埋む 青山 碧海の中
酔うて宝刀を撫し また冷笑し
決然 馬を躍らして 関東に向う 『雲井龍雄』田宮友亀著より
その後藤の13億円(当時としては国家予算の約1年分)に猛反対、議会に承認された予算は5億7500万円。そうしたケチケチに走る勢力が民主党と結託したへっぴり腰である。