香港での民主化を求めるデモは昨日も1万人が参加して行われ、警察との小競り合いが続いている。当初は中共への容疑者引き渡しをめぐる「逃亡犯条例」の改正をめぐる抗議であったが、今では「自由」を守り抜こうとするデモに変わってきている。習近平中共指導部は、香港の騒ぎが全土に飛び火することを恐れており、必ずや人民解放軍の戦車で蹴散らそうとするはずだ▼田中美知太郎は『直言、そして考察ー今日の政治的関心』において、昔のギリシャ人が理解した「自由」について言及している。「まず国全体が他の国に支配されていない自由独立の国であること、そして国内においては一党一派の直接支配ではなくて、法が支配していること」▼香港は一国二制度ということで、1997年に英国から中共に返還されたのである。その約束が履行されないから、香港の人々は怒っているのだ。また、中共に批判的な政党や個人は選挙に立候補できなくなっている。中国共産党による香港支配が強化され、「法の支配」も危うくなっているのだ。我が国ではあたりまえのことが、あたりまえでなくなりつつあるのだ。私たちも他人事ではない。今の香港、明日の台湾といわれているが、東アジアが全体主義国家の手中に落ちれば、それこそ日本は国家存亡の危機を迎えることになるからだ。私たちは香港の人々の後ろ盾にならなくてはならないのである。
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