いくら同盟国のアメリカであろうとも、日本の国柄を無視し、自分たちの考えを押し付けるのは間違っている。それはまさしく、日本を占領して置きながら、憲法を無理やり押し付けたときと同じではないか。
アメリカですら、LGBT法をめぐって、民主党と共和党では考え方に違いがある。にもかかわらず、日本国民が決めなくてはならない問題に、ラーム・エマニュエル駐日アメリカ大使が口を差し挟むのは、内政干渉以外の何物でもない。
聖書を絶対視してきた西欧にあっては、同性愛などは神に背くこととされてきた。ソドムとゴモラが天からの硫黄の火によって滅ぼされたという記述もあり、それに反すれば罰せられてきたのである。
しかし、我が国は事情を異にする。『葉隠』においては、衆道(しゅどう)についての心得が説かれており、西欧のようにタブー視されてきたわけではなかった。
さらに、LGBT法で問題視されているのがトランスジェンダーである。肉体は男であっても、心が女だと言われれば、女性として扱うしかないのである。
性的に抑圧された人間は、不幸な結果を招くから、そうした制度を壊すべきという主張は、それなりに理解はできるが、大枠において、男女というそれぞれの役割を否定してしまって、それで私たちは本当に幸福なのだろうか。
その役割を演じられない人たちに対して、国が救済策を講じることに関しては異論がないが、大筋を変えることには慎重でなければならない。
サミット前に法案を通すというゴリ押しは、日本の社会に混乱をもたらすだけだ。日本には日本の国柄があり、それに即して日本国民が判断すべきなのである。