このままではウクライナと同じ運命を日本も辿るのではないだろうか。バイデンのアメリカは、いくら軍事同盟があっても、日本と韓国を防衛する気などないのではないか。
バイデンは韓国の尹錫悦との首脳会談で、日米韓による「拡大抑止」の方針を明らかにしたが、そこで目新しいのは、韓国への弾道ミサイル搭載可能な米原子力潜水艦の派遣だけであった
北朝鮮はアメリカ本土に到達するICBMの配備が近いとみられている。そうなれば、韓国のために、アメリカが核を使用することは難しくなる。韓国国内では核武装を求める世論が高まっているのは、当然の成り行きなのである。
バイデンはなぜ核の共有という決断ができないのだろう。中国や北朝鮮を「敵」と認定しているのは、あくまでも正面上のことなのだろうか。
アメリカは、イギリスやフランスの独自の核武装を容認し、ドイツとは核の共有をしている。しかし、日本や韓国に対しては、核拡散条約を楯にしてその道をふさごうとしている。
これは由々しき問題である。台湾有事が起きても、アメリカは正面で中国と対決することを避ける可能性もある。中国が核保有国であるために、台湾ばかりではなく、地政学的にみれば日本も、とんでもない犠牲を払うことになるだろう。
日本は、韓国以上に危機感を持たなければならない。しかし、非核三原則にこだわる岸田首相には、バイデンと交渉する勇気がないだろう。「核がない世界」とか口にしている時点で、日本国民のことなど考えていないのである。