創作日記&作品集

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😊連載小説「Q」第二部5

2020-06-03 06:17:24 | 小説
連載小説「Q」第二部5
次に企画室長になるのは、Qと呼ばれる女性だった。
彼女は人工頭脳だ。
Queen。
六十階に住んでいる。
彼女はCEOでもある。
分散型AIである。
今や家庭にも入り込んでいる。
愛慕にもいる。
光一はQに呼ばれていた。
企画室のある三階から、十六階までエレベーターで上がる。
そこで、個人認証システムを通る。
文字通り、駅の改札口を通るみたいに。
十六階で個人認証で確認され、一人用のエレベーターに乗る。
地上三百メートルの六十階まで四十五秒で着く。光一が六十階に来るのは初めてだった。
 ――誰がいるのだろう
「大谷光一君」
女性の優しい声がする。
「真っ直ぐ歩いて。どこでも好きなドアを開けて。待っているわ」
廊下に沿っていくつもドアが並んでいる。
突き当たりまで走ろうと思ったが、
「廊下は走っちゃダメ」
と、叱られた。
連載小説「Q」第一部をまとめました。