創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

😜鴻風俳句教室六月句会

2020-06-07 10:43:20 | 俳句
兼題:
①季語:薄暑:風薫る
②漢字:草・・草のつく季語としても結構です
③課題:パン一切
④当季雑詠:
「六月句会」投句 池窪弘務
総理からマスクの届く薄暑かな
草むしり粟粒ほどの飛蝗跳ぶ
夏の空昭和のおやつパンの耳
夏立つや義母が手を振る窓遠し
①まだ届いてません。
絶対届いていると思っていたのに。
④義母は施設でお世話になっています。
コロナ禍で駐車場と三階の窓越しの面会です。
分からないですね。

😒連載小説「Q」第二部9

2020-06-07 06:16:00 | 小説
連載小説「Q」第二部9
「九人のうち誰かとやった?」
口元に卑猥な笑みを浮かべて元課長は言った。
「それは結婚をして、夫婦となったものが行う行為の事ですか?」
「君はまさか童貞」
「ええ、未婚ですから」
「つまらん人間だなあ」
「鈴木さんの後任はAIですよ」
「えっ? 人間じゃないの」
「今逢ってきました。美人ですよ」
「AIに男と女の区別があるの?」
まともに聞いていないのが分かった。
まともに聞いて貰える話でもなかった。
鈴木さんには関係のないことだから。
「これ食べなよ」
ティシューペーパーを広げて柿の種を一山作った。
「いただきます」
光一は一粒食べた。
ひとつかみ口に放り込みたかったのを我慢した。鈴木さんは、横目でパネルを見ながら一粒ずつ器用に口に入れる。
雀みたいだ。
雀も長い間見ない。
 ――そうだ、今度の休みには雀を見に行こう。
ピーと小さな音がして、車が入ってきた。
鈴木さんはパネルに向かい合った。
それが彼の仕事だから。
ただピーという音は、彼に知らせるためでなく、単なるシステムの音だ。
だが、鈴木さんは彼の仕事の音だと誤解している。
彼がいてもいなくても、何も変わらない。
システムは正確に動きつづける。
万が一システムが止まったとしても彼は何も出来ない。
故障報告なんて瞬時に行われる。
無意味な仕事を彼は否定する。
 ――仕事はとても大事だ。なくすと二度と貰えないかもしれない。
連載小説「Q」第一部をまとめました。