マジック界のベテランマジシャンである松旭斎すみえ師が、老衰で亡くなりました。享年85歳。
松旭斎すみえ師は、長年マジック文化の発展に寄与してきた大御所であります。日本奇術協会8代目会長を経て、現在は日本奇術協会の名誉会長を務めていました。
ポール・モーリアの「オリーブの首飾り」を実演中にBGMとして使用したのは松旭斎すみえ師が初めてであります。これ以降多くのマジシャンがマジックで使うBGMの定番となった。カーラジオでたまたま聞いたこの曲が手品のクライマックスに合うと思い昭和50年頃から使い始めたという。
また従来見せるだけのマジックに軽妙なおしゃべりを交えながら披露し始めたのも松旭斎すみえ師であり、現在の奇術のスタイルを確立したパイオニアともいえるでしょう。
TAMCの例会のときにゲストとして来会した時と、白鳥勝彦さんが経営する箕輪ヘラ絞り製作所の記念式典に出演されたときに松旭斎すみえ師のマジックを目の前で拝見して、素晴らしい演技を堪能したときが思い出として残ります。
松旭斎すみえ師は、マジックは演じることも大切であるが、見ている人が楽しく感じることが一番であると話していました。マジックを見に来たときに、帰りの電車の中で子供が親に「あのマジックは面白かったね」と話題になったときそのマジックは成功であった。と言えるとコメントしておりました。
ご冥福をお祈り申し上げます。合掌