銀幕に甦れ!黒澤&三船
池袋の新文芸坐の正月公演は「銀幕に甦れ!黒澤&三船」特別上映です。黒澤明監督と三船敏郎主演の映画が盛りだくさん。日本映画の最高のコンビ特集です。その中で「天国と地獄」(1963年)を鑑賞しました。以前にも何回も観ておりましたが、再度映像の確認をしたく映画館へ行きました。
エド・マクベインの原作(キングの身代金)を巨匠・黒澤明監督が映画化した傑作サスペンス。優秀な知能犯に刑事たちが挑む。ナショナル・シューズの権藤専務(三船敏郎)は、自分の息子と間違えられて運転手の息子が誘拐され、身代金3千万円を要求される。苦悩の末、権藤は運転手のために全財産を投げ出して3千万円を用意する。無事子どもは取り戻したが、犯人(山崎努)は巧みに金を奪い逃走してしまい、権藤自身は会社を追われてしまう……。巧妙なプロットもさることながら、登場人物たちの心理描写が秀逸で人間ドラマとしての完成度も非常に高い。
特急こだま号、幅7センチのカバンに詰められた身代金、煙突から出る煙だけピンクのカラーでモノクロ画面に突然、煙だけがピンク色の演出、誘拐された子供が酒匂川で解放されて親と出会うシーンなど。記憶に残るシーンが多々出てくる。やはり黒澤明作品はいつ観ても素晴らしい迫力があります。
(1月7日記)
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