ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.10.9 あけぼの会全国大会参加

2010-10-09 21:52:24 | あけぼの会
 ああ、もう1年経ったのだ・・・と改めて時間の経過の速さを思う。去年の6月半ばに会に入会し、今年と同じ10月に初めて大会に参加した。爪の状況も悪かったのでずっと避けていたが、頑張って久しぶりにピンクのハイヒールを履いて、新しいローズピンクのスカートをおろして、お洒落をして出かけたのを昨日のことのように思い出す。帰りにはSさんとお茶をして帰ったっけ・・・。

 今年は一緒に参加する仲間が増えた。受付でも会場内でも顔見知りの方を何人も見かけ、お声を掛け合った。改めてこんなに沢山の方たちが同じ病気を体験し、そして今なお治療を続けているのだ、と実感する。
 あいにくの雨模様だったが、11時開場に間に合うよう、朝、家を出た。今年もピンクのストールをして行った。何か一つはピンクのものを身に着ける、ということを自分のお約束として。もちろん会長さんのショッキングピンクのスーツや羽根のストールには足元にも及ばないけれど。

 今年の内容も実に盛りだくさん。こんな先生方を一堂に集めるなんて、という豪華キャストだ。会長さんがHPで「大概の催しは、参加しても、お客さんとして聴いている感じですが、あけぼの会の大会は一味違います。ステージで話す人と会場で聴く人におおらかな一体感があふれています。心からの喜びがあります。その胸の温かさをお土産に持ち帰って、また翌日からの生きる力にしてほしい、というのが、あけぼの会の願いなのです。」とおっしゃるとおり「参加している感じがする」ということがよくわかる。

 第1部は基調講演が2つ。初めは乳癌学会理事長・池田正先生の「総会員数9000の日本乳癌学会をご紹介します」。早速帰宅したらHPをチェックしてみよう、と思った。
 次に埼玉県立がんセンター病理部長・黒住昌史先生の「知っていましたか、乳がん治療は病理で決まる」病理についてはER,PgR,HER2に加えてki-67タンパクの出現など本当にどんどん進化していることを実感した。
 ここで休憩。ロビーで術後下着や図書等の販売を見る。
 第2部はまず、Doctor of the Year 2010の発表。今年は筑波大学付属病院の坂東裕子先生。年子の赤ちゃんを育てていらっしゃるパワフルなお母様先生だ。
 そして、あけぼの会とは20年ものお付き合いのある永六輔さんのお話。さらには浜松オンコロジーセンター長・渡辺亨先生の講演「乳癌の姉を看取って」。5月にあけぼのハウスで、お姉さまを亡くされた直後にお話を伺い胸を熱くしたことを思い出しつつ、一言々々の重みを噛み締めるように伺った。
 そして副会長から5月の母の日キャンペーンの活動報告があった後、講師の先生方からお言葉を頂き、再発治療中でありながら会の運営に尽くしている3人の会員へバラの花の贈呈。再発後10数年も元気で頑張っておられるSさん、ご主人に車椅子を押して頂きながら登壇されたNさん。「来年は必ず自分の足で立って参加します」とおっしゃっていた姿は神々しかった。また、卵巣と子宮の摘出手術を10日後に控えた事務局Tさんの姿もあった。乳がんディクショナリーも無事に完成したとのこと。
 最後には会長さんが37道府県からの参加者が手を挙げるタイミングも作ってくださった。参加者406名中東京からは159名とのことだったので、それ以外、北は北海道、南は九州までの全国の会員の方々で会場は埋め尽くされていた。時間通り4時の閉会。4時間の長丁場だったが、本当に時間を感じさせないつくりだ。

 終了後、ご主人といらしていたKさんとご挨拶。2人のSさんと軽くお茶をしてから帰宅した。
 イベントの後、こうしてざっくばらんに感想を述べ合ったり、明日からまた頑張ろうと言い合える仲間がいてくれることをつくづく嬉しく思う。
 そして今日の大会の閉めくくりの言葉『来年もまた、元気で会いましょう』を噛み締める。そう、来年もまた元気で大会に参加しよう、と心に誓う。

 今日は往復の車内で1冊読んだ。谷沢永一さんの「冠婚葬祭心得」(新潮文庫)。葬儀の章は実に充実していた。その後、婚儀、人生の節目、交際、贈答、会合等、10年以上前に書かれたものだが、解説の田辺聖子さんがおっしゃるとおり、とても面白くてタメになる趣向。恥ずかしながら半世紀近く生きていても学ぶところが沢山あった。まさに処世の知恵、オトナの知恵といったところ。

 今日もまた夕食作りを夫にお願いしていたので、お土産にケーキを買って帰った。
 夫と息子は昼に美容院に出かけさっぱりしてきていた。なんと息子はオプションで眉カットをしてきたという。14歳中3男子が眉カット・・・思わずまじまじと顔を見てしまった。

コメント
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