ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.1.14 今時、そんなことって・・・

2011-01-14 20:37:36 | 日記
 夫から、驚き且つやるせない話を聞いた。「大変なことがあったんだよ。」と。

 そして、自分のところに来たメールをプリントアウトして見せてくれた。私も1度はお目にかかったことのある方(夫の職場の後輩)からのもの。
 奥様がもともと腰痛持ちだったのだが、年末に酷くなり、動けないほどである。お正月明けに病院に行ったが、腰椎の軟骨がすり減っている痛みで、どうしようもない。とにかく痛み止めを飲んで我慢するしかない、と言われたそうだ。その後も一向に痛みは改善せず、今日は別の病院に連れていく予定で、仕事の調整をしなければ・・・というメールの日付は3日前の午後3時半。

 「それは大変だね、で、どうしたの?」と聞くと、なんとその翌日(一昨日の朝)、ご主人はなかなか起きてこない奥様を(調子が悪いのだろうから、もうちょっと寝かせておこう・・・)と思って、無理に声をかけなかったそうだ。が、さすがに不審に思い、見に行った時には既に冷たくなっておられた、というのだ。

 その時のご主人の驚愕は想像に余りある。腰が抜けてしまうほどだったのではないだろうか。そんなこと、現代医学で起こっていいのだろうか。これまで奥様はずっと持病を抱えており、ご主人がフォローしてきて、ようやく落ち着いてきた、と聞いていた。一時はご主人自体もストレスで体調を崩し、お休みされていたこともあった。

 それが、本当に突然の急逝。結局、司法解剖にまわされ、死因は「盲腸破裂、腹膜破裂」だったという。いまどき、盲腸で命を奪われるとは・・・なんともやるせないではないか。しかも病院に通っていた、というのだからあんまりではないか。血液検査の一つもすれば、白血球がうんと上がっているはずで、異常が分かるではないか。

 というのも、結婚してまだ3年も経っていなかった頃、もう20年近く前のことになるが、夫が盲腸で入院したことがある。
 夫は若い頃から胃痛持ちで、胃が痛いとちょくちょく胃薬を飲んでいた。その日は痛みがひどいと言い、大事を取って仕事を休んでいたので、近所のクリニックに行くように、と言い置いて私は出勤した。
 心配だったので、私が午後休みをとって帰宅すると食卓のテーブルに「入院する」とメモ書きがあった。(まだ携帯もなかった時代のことだ。)あわててもろもろの支度をして、メモにある、自宅の隣駅の病院にかけつけると、盲腸で即手術、だという。同意書等の書類を書いて、なけなしの通帳から入院保証金10万円をおろして、盲腸だから1時間程度、と言われて入った手術室だったが、結局3時間以上も出てこなかった。
 1人で廊下で待っていて、それはそれは長かった。執刀医が出てきて膿盆に乗ったどす黒く腫れた盲腸を見せてもらった。腹膜炎一歩手前で、もしもう少し遅れて盲腸が破裂してお腹の中に便が漏れだしたら本当に大変だったと言われ、へなへなとなった。

 夫は痛がりの怖がりで、血を見ると気分が悪くなる方だし、麻酔から覚めて「命に別条は・・・」などと聞くので、「何言ってるの、盲腸だよ、大丈夫、大丈夫」と言ったものの、本当に大事に至らずに良かった、と胸をなでおろした。これも胃が痛い、と思って初期対応が遅れた結果だ。それでもその日通院し、すぐに血液検査で白血球が異常に高すぎると分かり、隣駅の大きい系列病院に移り、緊急手術をしてもらえたのだ。
 その後、ずっと傷口のふさがりが悪く膿んだりして、退院は1週間どころか1ケ月近くにわたった。1週間の自宅療養も含めてまるまる1ケ月以上の長期休暇になってしまった。病気休暇を申請するほどでもないから、と当初は年休で対応したが、ほとんど使い尽くしてしまい、その後、年休をためるのが大変だった、とひいひい言っていた。今でもとても盲腸とは思えないほどの大きい傷跡が残っている。

 腰痛だ、と思っていたのがまさかの盲腸破裂による腹膜破裂。ご主人はとても受け入れられない・・・のではないだろうか。ご主人は自分が気づいてやっていれば・・・、と後悔の言葉しきりだそうだが、そんなに自分を責めないでほしい。

 明日が葬儀だという。奥様はいったいどれほど無念だったろうか。ご冥福をお祈りするとともに、ご主人が体調を崩されないことを心から祈りたい。

 それにしても本当に人の命ってとても儚い・・・だから人は生身なのだ、と思う一方、とてもしたたかだ、とも思う。年末に一人暮らしで自宅トイレに8日間も閉じ込められた末、無事救助された60代の女性の話、今日は80代の女性がダンプに600mも引きずられながらもしがみついて軽傷で済んだ等等・・・。やはり「生きたい」という生への執着がモノを言うのか。私はしぶとく治療を続けてしたたかに命を繋げていきたい、と思う。

 息子は骨も折らず、熱も出さずに無事スキー教室から帰宅した。

 明日は、今年はとりわけ酷い目にあいそうな花粉症、先手必勝で朝一でクリニックへ連れて行き、薬をもらいに行こうと思っている。その後、スキー教室中の塾の振替授業と室長面接の予定だ。どうなることやら。今夜はしっかり寝て、明日から心機一転、うまく切り替えていってほしいものだ。

 体調だが、やはりお腹の気持ち悪さがかなりひどい。そのため、食欲もいまいちで、ぱっとしない。火照りは今のところそれほどでもないが、今日は早めに休もうと思う。

コメント (2)
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