昨夜も入浴後、早めにベッドに入る。今日は、もう一つのゴンドラ「イブ」に乗って栂池方面散策に行く予定にしており、バスの時間を考えると昨日ほど朝まったりとしていられなかった。
寝つきの良い夫はあっという間に大鼾をかいて眠ってしまい、私はなかなか寝付かれず。ようやく寝付いたと思ったら夜中お手洗いに起きる。まだ3時前。もう一度寝直すのに結構時間がかかった。
今朝はスマホアラームが鳴る少し前に夫が先に起き出す。眠い。外は土砂降りの雨だ。これではとても山の上には行けない。ひとまず一人で朝風呂に向かうことにした。これまでで一番混んでいたけれど、露天風呂は雨に濡れるのを避けたいと思う方が多いのか貸し切りだった。さっと入ってぱぱっと上がる。
夫が、予定変更して早めにこちらを出て鈍行で松本まで行けば、予約済みの特急に松本から乗る迄に4時間ほどあるから、お昼を取って十分散策出来るという。確かにこの雨で栂池散策は諦めた方が賢明だ。
朝ドラの復習を視るのも諦めて、夫には先に朝食レストランで並んでもらい、私はフロントで今日のゴンドラ乗り場のシャトルバス予約をキャンセルして、代わりに駅までの送迎バスの予約をする。
レストランは昨日と違ってかなり混んでいる。ゆったり4人席は空いておらず、2人テーブル。お料理を載せるとかなり狭いけれど、致し方ない。昨日頂かなかったものをちょっとずつ。食べ過ぎ禁物で8分目でご馳走様。
外を見ると、雨が止んで日が差してきている。なんと、変わり身の早いお天気だろう。とはいえ、山の方は雲がかかっているし、朝まで土砂降りだったから、足元もさぞ悪いだろう。昨日八方を見られて良かった、と思うことにする。
急いで部屋に戻ったけれど、パッキングはほぼ終えていたので、十分食休みの時間があった。これなら朝ドラを視てからでもよかったかも、とちょっと後悔するも、夫はライブの大リーグ野球中継をギリギリまで観戦。
チェックアウトを済ませ、ロビーでバスのピックアップを待つ。10分もせずに駅に到着する。乗る予定の普通電車まで30分弱。土産屋さんを物色して、駅の待合で待つ。
定刻通りの電車に乗り、途中、信濃大町で松本行に乗り換える。夫は特急の指定席をそのままにするつもりだったようだが、みすみす無駄にするのは勿体ないから、松本から乗車することに変更できないかと持ち掛ける。
面倒臭いと嫌がられるが、ネットで買った切符を変更させようとすると、何度トライしてもうまく変更することが出来ず、松本駅のみどりの窓口に駆け込む。
カード会社とのやりとりがうまくいかなかった模様。窓口で2人の女性が一生懸命対応してくれて、一旦全部をキャンセルして、改めて松本からの指定席を改めて購入することにした。
差額で昼食代+お茶代が出た。諦めないで良かった。
荷物をコインロッカーに預け、身軽になってさぁ街歩きだ。暑い。日差しが強い。といっても28℃だというから東京よりはずっと涼しい。白馬に比べて暑いということで、帰京前のワンクッションにはなっただろうか。
土蔵造りの商家が多く残っている中町あたりをうろうろ。素敵なお店は多いけれど、いざランチとなると、やはりお蕎麦屋さんが多い。ずっとお蕎麦もなあ、と言う夫に「では、冷やし中華!」と言うが、中華料理店は殆ど見当たらない。
イタリアンで手を打つことに。入った時は貸し切りだったけれど、途中で4人家族が入って少し賑やかになった。夫は生パスタを、私はキッシュプレートのランチをチョイス。夫が、先ほどの指定券購入の件でカード会社に電話するためにずっと席を外してなかなか帰ってこなかったけれど、土曜日でもちゃんと繋がって対応してくれたとのこと。
デザートとお茶も頂いて、元気になって、散策再開。
松本の街は映画のロケでもあれこれ使われている。最近観た「流浪の月」もそうだった。女鳥羽川沿いに長屋風の建物が並び、レトロな景観の歩行者天国、なわて通り商店街はお祭り気分にさせてくれるような楽しさだ。
かえる大明神やガマ侍の像があり、シンボルであるカエルがあちこちにいて面白い。ちょうど結婚式が行われていたが、願い事むすびの神、四柱神社でもお参りを済ませる。
そして国宝松本城へ歩を進める。はとバスツアーのお客さんの姿や修学旅行生と思しき団体も。青い空に白い雲、黒い天守閣、赤い太鼓橋と濃い緑の水面のコントラストが素晴らしく映える。
以前、天守閣の中には入ったが、急な階段で大変だった記憶があるので、今日は外観だけでパス。蓮池の水連の花が大輪でそれは綺麗だった。藤棚の日陰のベンチで小休止をしながら涼む。暑いけれど、東京のように汗だくになる、というレベルではないから30度あるかないかなのだろう。
旧開智学校まで行こうかと歩き出すと、改装中で休館という看板を見て、戻ることに。まっすぐ戻っても駅でお茶をして時間調整するしかないか、といったところで時計博物館が目に入る。
入館してみると、諏訪出身の本田親蔵氏が生涯をかけて蒐集した貴重な和洋の古時計コレクションを市に寄贈したものだという。今年で開館20周年だそう。ちょうど時計技師さんが蓄音機とSPレコードのミニコンサートを開催中で、お声をかけて頂き、ベートーヴェンの“運命”を聴くことが出来た。
期せずして、とても優雅に時を刻む古時計を愛でることが出来たし、涼むことも出来て有難かった。学芸員さんも親切で、夫の質問に丁寧に応えてくれていた。
そして駅まで歩け歩け、で戻り、カフェで水分補給と時間調整。
夫が、無事JRから指定席をキャンセルした分の返金を行った、とのメールを受け取ったというので、みどりの窓口でお世話してくれた女性にお礼を言ってから特急に乗り込んだ。
夫は席に着くや否や舟を漕ぎだしたが、私の車内のお供は今野敏さんの「清明 隠蔽捜査8」(新潮文庫)。
帯には「竜崎伸也、神奈川県警刑事部長にただいま着任!300万部突破の警察小説、新章開幕」とある。車窓の山々を見ながら途中ちょっと眠気と戦ったけれど、なんとなく土地勘もあるし、どんどん読み進めた。
2時間の旅は定刻通り乗換駅に到着。在来線に乗り換え、夕食も摂らず、最短直行で家路を急ぐ。帰宅して30分後には宅配便が届き、無事受け取ることが出来た。
もろもろ片付け、夕食はレンチンで軽く済ませた。暑中伺いに送って頂いたばかりのプリンとジュレが美味しいデザートになった。
ということで、2泊3日の旅も無事終了。山と高山植物と読書と温泉でまったり、の予定が、結局、プラス街歩きという我が家らしい一粒で2度美味しい旅となった。
明日は合唱練習に3年ぶり、初参加の予定である。
一つ気になるのは飛蚊症らしき症状。昨日あたりからマスクの境界あたりにおたまじゃくし状の細い虫が一匹浮かんでは消える。鬱陶しい。加齢が殆どの原因だというが、目を瞑ると、両眼ではなく左だけのよう。このまま続くようなら週明けに眼科に行って来なくては。本が読めなくなったりしたら、困りものである。