ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2022.10.28 第6回Club CaNoW医療オンラインセミナー「教えて先生!治療に良い影響を与える痛みの伝え方とは?」視聴

2022-10-29 11:36:45 | 日記
 昨夜、夕飯前に参加したオンラインセミナーのこと。
 第6回のClub CaNoW医療セミナー「教えて先生!治療に良い影響を与える痛みの伝え方とは?」である。
 “がん患者さんが治療中に感じる痛みは様々。医師に伝えるべきとわかっていても、遠慮したり相談の仕方に悩んだりしてしまうこともあるのではないでしょうか。でも実は、患者さんの痛みは医師側も是非知りたいもの。上手に伝えてコントロールできると、QOLだけではなく治療選択にも良い影響をもたらすことをご存じでしょうか。治療を前向きに進めるための痛みの伝え方について、青森県立中央病院 副院長の的場先生と一緒に考えましょう。”という触れ込み。
 司会進行はグループ・ネクサス・ジャパンと全国がん患者団体連合会の理事長を務める天野 慎介 氏だ。

 「痛みは本人が伝えようとしなければ、医師がキャッチできません。一方、患者さんは医師への遠慮や治療の中断、病状の悪化への不安などから、痛みを訴えることを躊躇することがあります。痛みは、早期に治療や対策によって悪化や慢性化を避けることが大切です。今回のセミナーでは、痛みを上手に伝えるポイントについて考えたいと思います。」というご紹介のとおり、誠実で真摯な先生のお人柄が滲み出た講演だった。
 青森から遠路はるばる駆けつけてくださったといい、出発地では気温が一桁だったので、ダウンを着ていらしたが、羽田に到着したら、浮いてしまったと仰っていた。

 痛みの種類(①がん自身による、②がん治療による、③がん治療と無関係)、痛みの伝え方(①どこが、②いつから、③どんなふうに、④どれくらい、⑤痛みで出来ないこと、困っていること)は、特に⑤では痛み・症状の場所を絵に描いて、困りごと、相談事をメモにすることが必要。
 痛みについて訊かれなかったから言わなかった、話すタイミングがなく、話しにくい雰囲気、何か悪い兆候だったら怖い等々患者サイトの言い分も色々あるだろうが、治療副作用の痛みの場合、これ以上は無理と思うなら無理と伝えること。治療は続けたいが、痛みの対処も同時にしたいならその旨もはっきりと伝える必要がある。遠回しに伝えると結局何も伝わらず、辛さで苦しい思いが続く。
 口内炎や痺れ、躓き等の具体例も参考になった。

 最後に先生からのまとめのメッセージとして①(患者から言わなければ)医師が知らないままで、痛みのケアも治療も始められない。②痛みは悪化させないこと、生活への影響を改善すること。③主治医に伝えにくい時、専門の看護師や薬剤師、がんリハビリスタッフ等に相談する。④副作用は我慢しても回復しない。悪化させる方が問題で、重症化すると回復が難しくなり、日常生活への支障が続く。自己判断せずに医師に伝える。⑤痺れには説明が必要。内容に応じて治療、対処が異なる。

 天野さんは「国のがん対策基本法では『がん患者の状況に応じて緩和ケアが診断の時から適切に提供されるようにすること』で定められていますが、医療者が痛みの緩和に関する理解が不十分だったり、がん患者や家族が痛みを緩和することに遠慮してしまったりして、十分に痛みが緩和されていない場合があります。痛みが生じた場合にできるだけ緩和できるよう、このセミナーで正しい理解と情報を得てください。」と事前に周知されていたが、ご自身の20年前の血液がんの治療体験を踏まえたお話は実に説得力があった。

 私は図々しいのか、主治医に対してその都度しっかり痛みの状況についても伝え、遠慮して口ごもる、ということはないけれど、医師とのコミュニケーションで悩む患者さんは多いのだなと改めて思った。

 講演終了後は、モデレーターによる事前の質問への回答、講演中視聴者から寄せられた質問への回答もあり、PC前に座っているのはちょっとしんどかったものの、1時間15分はあっという間に感じられた。
 すぐに視聴後アンケートにお答えして、感謝の気持ちをお伝えして、PCから離れた。


コメント
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