ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.7.20 ささやかなお手伝い

2010-07-20 19:21:08 | あけぼの会
 昨日「私たちの手は何のためにあるのか。それは人を助けるためにある。困っている人に差し伸べよう。」と英語のイベントで言われたばかりだが、今の私に出来ることって、一体何だろう・・・と考えた。

 先日、虹のサロンで知り合ったSさんからメールがきた。3年前に温存手術をされた支部のお仲間が、PET検査で肝転移を告げられたとのこと。セカンドオピニオンを取ることも希望しておられ、Sさんは先日の講演会でお話くださった渡辺先生を薦めたとのことだった。
 ひとくちに遠隔転移とはいっても、転移した臓器の部位により治療方法等はさまざまだから、「再発している」ということだけではなかなか具体的なコメントができないことも多い。一般的にこの病気が転移しやすい部位としては脳、肺、骨、肝臓だ。私は両肺と胸骨、鎖骨。それに縦隔リンパ節、局所再発もあった。なんとなく胸の周りに限られているからまだ局所的というような感じはするが、紛れもない遠隔転移である。

 どなたか肝転移のある方を知りませんか、とのこと。骨や肺、皮膚に転移して治療中の方たちのお顔はすぐに何人か思い浮かんだけれど、肝臓の方はなかなかいらっしゃらなかった。ふと、あけぼの会のHPで治療日記を書いておられるNさんがお歳も近いし、セカンドオピニオンもとっていたし、肝転移の治療を続けていることを思い出した。私も昨年の秋の大会の後、一度メールのやりとりをしただけだけれど、そこはずうずうしく「よろしければ仲介しましょうか。」と連絡した。
 早速メールしたところ、Nさんから快諾を頂いた。「メールですとなかなか思いが伝わらない事もありますので、夜でしたら、電話頂いても大丈夫です。転移を告げられた時の気持ちは、経験したものでなければ分からない辛さがありますよね。少しでもお力になれたらいいな、と思います。」と。

 このネットワークはやはり凄いと心強く思う。

 乳がんは全身病だから、長期にわたって常に再発するかもしれない、という不安や怖れがある病気だ。しかし、「いつか再発するかもしれない・・・」と思い患うことと、実際に「再発・転移した」という事実を突き付けられることは、当然のことながら「全く違う」ことだ。
 私も再発・転移を告げられた時に、誰か前を歩いている患者さんの先輩がいたらどれだけ心強かったか、と今も思う。
 だが、後ろを振り返ってみても始まらない。とにかく、今は、こうしたネットワークに入れたことがとても嬉しく、少しでも前を向いて行きたい。そして入会してまだ1年でもこんなつながりが持てたことをとてもありがたく思う。

 去年の会の集まりのときに、「再発治療中の人限定」というグループに「実際再発はしていないけれど、心配なので話を聞きたくて・・・」という方が何人か入ってこられて、司会の方が何度かやんわりと退室を促したものの、結局そのままそのグループから退席せずに皆さんのお話を聞いていらした。
 こちらとしてはやはり違和感があった。Sさんのお話によると、毎回そういう方がいらっしゃるようだ。不安でいてもたってもいられないのだろう。
 もし可能なら「再発治療中」とは別に「まだ再発はしていないけれど、再発することが不安で、不安で仕方ない」というグループを作ればいいのにね、と内輪でお話したこともある。

 とにかくSさんのお友達がNさんと無事やりとりできて、少しでも前向きにこれからの治療にあたってくださることを陰ながら祈ってやまない。

 さて、あまりの暑さに観念して、職場に初めてショートカットのかつらを被っていった。もうミディアムロングには戻れない。週末にはサロンでかつらのお手入れの予約が入っている。ここでカットしてもらって、ある程度スタイルが出来たら、いよいよ自毛デビューの算段なのだが。
コメント
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