ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.7.6 トマトときゅうり~目から鱗

2010-07-06 06:24:00 | 日記
 先日参加した乳がんセミナーのときのことだ。
 ドクターが講演の中で、「ホルモン剤や抗がん剤の治療中は漢方薬なりサプリメントといっても主治医によく相談してから飲むこと。というのもせっかく治療で飲んでいるホルモン剤等の薬効を弱めたり、なくしてしまったりすることもあるから。」という話をされた。「身近な例として、トマトときゅうりを生で一緒に食べると、きゅうりの酵素成分によってトマトのビタミン吸収が悪くなるということ、それと同じです。」とのお話があった。
 恥ずかしながら全く知らずに、驚いた。これまで我が家のサラダにはトマト、キュウリ、レタスの3点セットはほぼ毎回必ず登場する最多出場選手だったから。

 私だけが知らなかったのなら、本当にただの無知で下を向き、恥じ入るしかなかったのだが、会場がとても沸いていたので、知る人ぞ知る、のことだったのだろう。
 それでも先生からのフォロー発言で「ドレッシングをかけてお酢の成分が入ると、ビタミン吸収率が悪くなるのが緩和出来る。」ということだった。トマトを煮るなり炒めるなり火を通すのは十分考えられるけれど、そうするとトマトのビタミンは破壊されてしまう。リコピン酸は火にかけても大丈夫だそうだが。それにしても、きゅうりを炒めたり煮たりして食べるのは、ちょっと・・・。ズッキーニなら良いけれど、ではラタトゥイユならいいということか、などなど考えた。

 本当に目から鱗のお話だった。会場にいらしたのは大部分が家庭のキッチンを預かる(こういう言い方はあまり良くないのかもしれないけれど、実際、職業としてのシェフはまだまだ男性の方が多いわけだし・・・)女性だったが、一堂騒然。

 家に帰って夫に聞いてみた。食品Gメンであった彼はちゃんとアスコルビナーゼという酵素であることを解説してくれた。「やっぱり、知ってたか・・・。そうなんだ。すごいね・・・」と持ち上げると、「でも、私が教えたって『また適当な物言いが始まった。』とかなんとか言って、信じなかったんじゃないの?」と言われ、「そんなこともないけれど・・・」と言ってから、考えた。
 確かに、かつて夫の蘊蓄(うんちく)話を真に受けて、得意げに知人に話したところ、「えっ、あの話、信じてたの?あれは嘘だよ・・・」と言われて、痛い目にあったことがある。
 それ以来、夫の話にはまず疑ってかかっている、というのも事実だ。

 そう、いくつになっても知らないことは本当に沢山ある。
 だからこそ、柔らかい心で感動すること、驚くこと、素直に反応すること、これはとても大事なことだと思う。若いかどうかは年齢だけじゃない。心を柔らかく、そしていつも謙虚であること、知らないことを知りたい、と思うこと、いろいろなことに興味を持つアンテナを張っておくこと。そうしたことを忘れずにいよう。
  そうすれば「生涯現役」どころか「生涯青春」だって夢じゃない、という出来事だった。
コメント
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