今年は伊勢湾台風の襲来からちょうど50年になるということで、
新聞でもしばしば台風関連の記事が掲載されている。
このまま地球温暖化が進むと、海水面の温度上昇で、
今よりはるかに巨大な台風が発生する確率が高まるという。
家を建てるなら、そういうときでも水害を受けにくい土地を選ぶことが大事で、
高台にあるうちの場合、まず水に浸かる心配はない。
だが最近、ある衝撃の事実を知った……。
以前に住んでいたのも、やはり山の斜面に造成された住宅地で、水害の心配はなかった。
ところが、そこ、おがせ池周辺は昔から「魔物の通り道」と呼ばていたというのだ。
なぜかというと、そこは東西を山に挟まれているため、南から風が吹くと、
ちょうど川幅が狭まると流れが速くなるのと同じ原理で、風速が増してしまう。
こういう場所では、瞬間最大風速がそれより手前の平野の2倍にも達することがあり、
昔から人々は、台風が近づくと、竹の先に鎌をくくりつけ、刃を南に向けて
魔よけのまじないを唱えてきたそうだが、もちろん今ではやっていない(笑)。
伊勢湾台風のときには、この地区で約800戸が全半壊した。
台風のあと、山の上から見下ろしたら、樹木がすべて北向きになぎ倒されて
風の通り道をはっきり示していたという。さいわいわたしが住んでいたあいだは、
台風が直撃したことは一度もなく、その強風を体験せずにすんだが、
山間部でもがけ崩れ以外の理由で危ない場所があるわけだ。
教訓:土地を決めるときは土地に伝わる昔話も調べよう。