散日拾遺

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2月2日 ジョイス『ユリシーズ』刊行

2024-02-02 05:32:42 | 日記
2024年2月2日(金)

> 1922年2月2日、アイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスの代表作『ユリシーズ』が刊行された。この作品は1918年3からアメリカの雑誌「リトル・レビュー」に連載されたもので、着想から16年、執筆開始から7年を費やして完成に至った。
 『ユリシーズ』は、ジョイスの故郷ダブリンの1904年6月16日の朝の8時から18時間余りの出来事を描いた作品である。ギリシャの叙事詩『オデュッセイア』を下敷きにして書かれ、題名も主人公オデュッセウスの英語読みから『ユリシーズ』とされた。
  作品中のダブリン市街の詳細な描写は、実は地図を見ながら書いたものだという。ジョイス自身は青年期より国外での生活が長く、1912年を最後にダブリンに戻ることはなかった。ジョイスがこの作品で「6月16日」という日付にこだわったのは、この日が後に妻となるノラ・バーナクルとの初めてのデートの日だったからである。
晴山陽一『365日物語』(創英社/三省堂書店) P.38

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 ジェイムズ・オーガスティン・アロイジアス・ジョイス(James Augustine Aloysius Joyce、1882 – 1941)。アイルランド出身の小説家、詩人。画期的な小説『ユリシーズ』(1922年)が最もよく知られており、他の主要作品には短編集『ダブリン市民』(1914年)、『若き芸術家の肖像』(1916年)、『フィネガンズ・ウェイク』(1939年)などがある。

 『ユリシーズ』について、Amazon のカスタマー・レビューから:
 とんでもない作品を読み始めてしまった、というのが最初の感想。何度も途中放棄しかけたが、不思議な引力に引きずられて、読んでは休み、また読んでは溜息をつき、最後は意地でも読み終えるという意気込みで、結局4巻を読了するまでに2ヶ月近くかかった。こんな小説は初体験。
    nyacomyacoさん

 それはそうなるに違いないと、着手を先送りする間にいろいろ詮索する。そもそも「オデュッセウス」をどう読んだら「ユリシーズ」に化けるのか。それなら我が愛車も「ユリシーズ」と呼ぶのか。『2001年宇宙の旅』は "A Space Odyssey" だったじゃないか。
 それにトロイア戦争の帰路10年間の波乱万丈、留守宅を守る貞婦ペネロペ―に40人の求婚者が言い寄り、帰還したオデュッセウスがこれらをまとめて討ち果たす大立ち回り等々、この一大叙事詩がどういうからくりでダブリン漫歩の「下敷き」になれるのか…
 もうしばらく「読むまで」を楽しむことにしておこう。

    
チューリッヒでのジョイス(1918年頃)
Wikipedia

 ※ 読む前に調べて分かること: Ulyssesはオデュッセウス Odysseus のラテン名ウリクセス Ulixes が、ルネサンス期にウリッセース Ulisses と表記され、それを英語読みにしたもの、だそうな。

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