花虱(花じらみ)は、桜の花が咲く頃、這い出るシラミ。私は、シラミを見たことがない。日本ではとっくに絶滅したと思っていたら、こういう俳句があるのだから、そうでもないらしい。
人間につくシラミは、3種あるという。アタマジラミは頭髪に、コロモジラミは衣服に、ケジラミは陰毛部にそれぞれ主な生息場所としており、それぞれそこで繁殖して数を増やすのだ。
シラミの語源については、「白虫」の転訛であるという説が有力である。字体(虱)から「半風子(はんぷうし)」とも呼ばれる。さらにその形から千手観音という異称もあったことが横井也有の『百虫譜』などにも見え、第二次世界大戦後の大発生期には隠語風に「ホワイトチイチイ」と呼ばれたという。
さて、シラミが親しげだったら大変だが、よそよそしいのは結構なことだと思うが・・・・・癌になると知人達は、いつもと態度が必ず変わるはずだ。それを作者は、よそよそしく感じるのだろう。更にシラミまで・・・何という深い孤独感。