2003年(平成15年)、「みちのく古寺巡礼・四寺廻廊」というおかしな新しい巡礼が、四寺によって発足した。山寺立石寺、松島瑞巌寺、平泉中尊寺、平泉毛越寺の四寺を巡ることをいう。
この四寺を開いたのが、平安時代、仏教を学ぶために最後の遣唐使とし唐に渡った「慈覚大師円仁」(えんにん、延暦13年(794年)~貞観6年(864年)である。
9才で出家し、天台宗延暦寺を開いた最澄に師事した後、9年6か月に及ぶ苦難を乗り越えて帰国した54才の円仁が、開山したり再興したと伝わる寺は、みちのく四寺のほか、目黒不動として知られる瀧泉寺や浅草の浅草寺などもあり、関東に209寺、東北に331寺余もあるとされる。
それにしても、みちのくの蕎麦の花は、旅中一番の印象的な花だった。